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富士フイルム、一眼レフタイプのコンパクト10倍ズームデジタルカメラ『FinePix S5000』を8月24日に発売

2003年07月29日 18時36分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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富士写真フイルム(株)は29日、都内で記者説明会を開催し、一眼レフタイプのコンパクトボディーに光学10倍ズームレンズと有効310万画素(最大600万画素記録)の“スーパーCCDハニカムIV HR”を搭載したデジタルカメラ『FinePix S5000』を8月24日に発売すると発表した。価格は7万5000円。

『FinePix S5000』
一眼レフタイプのコンパクトデジタルカメラ『FinePix S5000』

豊富な撮影機能を持つ
コンパクト一眼レフ

FinePix S5000は、同社の一眼レフデジタルカメラ『FinePix S602』(2002年4月発表)を一回り小さくしたような形状で、黒いボディーと革シボを施したラバーのグリップ部を持つ一眼レフタイプのコンパクトデジタルカメラ。

レンズは光学10倍ズームのフジノンレンズで、焦点距離はf=5.7~57mm(35mmフィルムカメラ換算時:37~370mm相当)、レンズの明るさを示すF値は2.8~3.1。デジタルズーム機能“ハニカムズーム”を併用することで、最大22倍のズーム撮影が可能。記録解像度は最大2816×2120ドット、最大22倍のハニカムズーム時には1280×960ドットとなる。なお、本体にはアダプターリングが標準添付され、55mm径のテレ/ワイドコンバージョンレンズや各種フィルターなどのオプションが利用できる。

S5000を手に持ったところ S5000の背面
S5000を手に持ったところ。男性の手のひらにすっぽり収まりそうなコンパクトさS5000の背面。十字カーソルの上にテレ/ワイドのズームレバーが配置される

撮影機能は、ISO感度が標準ISO200相当、最高ISO800相当に設定可能で、この場合には記録解像度が1280×960ドットに制限される。測光方法はTTL64分割で、マルチ/スポット/平均を選択可能。露出制御はプログラムAE(シーンモードは人物/風景/スポーツ/夜景の4タイプ)とシャッター速度優先/絞り優先/マニュアル露出を用意し、3レベルのブラケティング撮影が可能。シャッター速度は2~1/2000秒。手ぶれ補正機能は持たないが、手ぶれしやすい状況では、自動的にISO感度を挙げてシャッター速度を短くするという。

連写機能は0.2秒間隔で連続5コマまでの通常連写のほか、同じ間隔/枚数でシャッターを離した瞬間からさかのぼって5コマを記録する“サイクル連写”、0.6秒間隔で連続40コマまで記録する“MEGA連写”を備える。動画は、320×240ドット/秒30コマでモノラル音声付きの撮影が可能で、記録形式はMotionJPEG圧縮のAVIファイル(連続記録時間はメディアの容量に依存)。

S5000の上面 S5000の左側面
S5000の上面。5mほど届くというストロボと電源スイッチ、撮影モードダイヤルが並ぶS5000の左側面にはxDピクチャーカードスロットと、USB/ACアダプター/AV出力端子がある

記録メディアはxDピクチャーカードを採用し、16MBメディアが1枚付属する。インターフェースはAV出力とUSB端子を装備。USBポートでパソコンと接続した場合、USBマスストレージクラスとして認識可能で、付属の画像ビューアーソフト『FinePix Viewer』(Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS 8.6~9.2.2、Mac OS X 10.0.4~10.2.4)からサムネイルを一覧できる。背面にはモニター用に1.5インチ約11.4万画素の低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレーと、0.33インチ約11.4万画素(視野率約90%)の液晶ビューファインダーを搭載する。

本体サイズと重量は、幅112.7×奥行き79.3×高さ81.1mm/約479g(撮影装備時)。電源は単3電池4本で、アルカリ乾電池を利用した場合、液晶モニター使用時約260枚、連続撮影時間約165分となる。

「今年はデジタル一眼レフ元年」

発表会場には、常務執行役員で電子映像事業部長 プリンピックス事業部長の内田洋祐(うちだようすけ)氏、電子映像事業部 営業部長の青木良和(あおきかずよし)氏らが出席し、デジタルカメラ市場の概況や新製品の位置づけなどを説明した。

内田洋祐氏
常務執行役員で電子映像事業部長 プリンピックス事業部長の内田洋祐氏

内田氏は、「カメラ付き携帯電話の普及で、近距離で“ただ撮る”手段はデジタルカメラに限らずいくらでもある時代になったが、遠くにいるアイドルやスターを撮りたい、残すための映像を撮影したいという需要にこたえるカメラは、これからも支持されるだろう。気軽に使えて愛用されるカメラを作っていきたい」と切り出し、続けて「2003年6月までの出荷台数は日本だけで378万台(対前年140%)、海外では1300万台超(同204%)で、2003年トータルでは4000万台が見込まれる、という数字も出ている」とデジタルカメラ市場の近況を紹介した。

青木氏は新製品の位置づけについて、「TTL(レンズ越し)でモニターして撮影するため、パララックス(視差)がないこと、撮影機能が多彩なこと、レンズ交換が可能なことが一眼レフカメラの特徴だが、前2者を持つ本製品を富士写真フイルムでは“ネオ一眼スタイル”と呼んでいる。このジャンルでも、他社製品などを見るとコンパクトな本体に高倍率ズームレンズをつけたもの、銀塩の一眼レフカメラ的なホールド感やグリップ感を重視したものに分けられるが、S5000は後者に当たる」と説明。「このジャンルは、いまはデジタルカメラ全体の6%程度だが、今後増えてくるゾーンだと思われる。来年振り返ってみると、今年はデジタル一眼レフ元年になるかもしれない。一眼レフデジタルカメラの入門機として、またプロシューマーのサブカメラとしても使ってほしい」と、想定されるS5000の購買層に向けてアピールした。

USB接続の
小型xDピクチャーカードアダプターも同時発表

メディア変換アダプター『PDC-UD1』
USB接続のメディア変換アダプター『PDC-UD1』

なお、同時にxDピクチャーカードをパソコンから読み込むためのメディア変換アダプターとして、USB 1.1ポートに差し込む指先サイズの小型USBドライブ『PDC-UD1』を8月24日に発売すると発表した。

PDC-UD1は、幅25.8×奥行き71×高さ13mm/12g(キャップ、ストラップ除く)の小型軽量なUSBアダプターで、側面にxDピクチャーカードを差し込むスロットが用意されている。Windows 98/98 SEは付属ドライバーを利用することで、Windows Me/2000/XPはOS標準のドライバーで読み書きが可能。30cmのUSB延長ケーブルが付属する。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は2980円。

FinePix S5000の登録ユーザー(2003年10月31日まで)には、DCP-UD1がプレゼントされるキャンペーンも実施されている。

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