PCと接続可能なコンパクトHDDレコーダとして登場した「ロクラク」シリーズの最新機種「ロクラクII」は、ファームウェア更新によって次々と実装されていく新機能が魅力だ。
多彩な機能を
一足早くベータファームで
図 ロクラクII(Rev5.11C)接続例 |
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日本デジタル家電「ロクラクII」は単体でも動作するが、USB 2.0でPCとも連携できるHDDレコーダだ。PC側のコントロールソフトの操作で、録画した番組(MPEG-2)のPCへのコピーや、iEPGによる録画予約が行える。そんなロクラクIIの一番の魅力であり特徴でもあるのが、更新可能なファームウェアだ。正式にリリースされる安定バージョンとは別に、将来搭載予定の新機能をいち早く盛り込んだトライアル版をコアなユーザー向けにベータファームとして公開している。2月上旬現在公開されているファームウェアは、正式リリースがRev.5.10で、ベータファームはRev.5.11A(正式版は末尾が偶数、ベータ版は奇数)となる。
Rev.5.11Aでは、ロクラクIIとUSBでつながったPCをサーバに見立てて、家庭内LAN上のPCのHDDをロクラクIIのリモートドライブとして利用できるようになっている。PC側のMPEG-2ファイルをロクラクII側から再生できるのはもちろん、ロクラクIIでの録画をPCのHDDに対して直接行える。さらに、サーバとなるPCに、LANにつながっているほかのPCのHDDをネットワークドライブとして割り当てておくと、それらもリモートドライブとして利用できる。このときサーバとほかのPCが低速な回線(IEEE802.11bなど)でつながっていたりすると、転送レートが落ちて、再生や録画に失敗するのではと思うかもしれない。しかし、ロクラクIIは自前のHDDにバッファを取りながら再生/録画データの転送を行うため、回線の速度に関わらずデータロスは起こらない。BSデジタルでも使われている配信に適したMPEG-2-TSを録画形式に採用していることも失敗しない一因だろう。LAN内に複数の大容量HDDを持つファイルサーバを用意すれば、ロクラクIIの録画時間はいくらでも拡張できるというわけだ。
写真 「ロクラクII」の背面 |
さらに、近日公開予定のRev5.11Cでは、AVサーバ機能がさらに強化され、背面のEthernet端子で接続したLAN内にある他のロクラクIIへ映像を配信または受信できるようになる。図1のようにアンテナ設置角度に制約のあるBS/CS放送を、チューナから離れた部屋のロクラクIIで視聴/録画するというアイデアも思い浮かぶ。インターフェイスが10BASE-Tなのを不安に思うかもしれないが、UDP独自プロトコルによる最適化によって、7~10Mbpsなどの高レート映像でない限りスムーズな再生が可能だ。
また、録画済みの番組を他のロクラクII(またはLinuxサーバ)からレンタル受信する機能もある。LAN内/インターネット経由を問わずデータを受信し、ローカルのロクラクIIに保存することができるが、そのデータは一定期間で自動的にHDD上から消去されてしまう。受信したデータの再生時には必ずパスコードが必要で、しかもロクラクIIは1台ごとに個体識別IDが埋め込まれているため、課金システムと併用することで“オンラインレンタルビデオ”のようなサービスの開始が期待できる。事実、日本デジタル家電ではコンテンツホルダとの連携で、そうした事業も検討中だという。
PRICE LIST 見積り書
(1) PCサーバ機能を使う場合
- ロクラクII
- 約9万円
- 合計
- 約9万円
(2) 映像ネット受信/配信をする場合
- ロクラクII
- 約9万円
- ロクラクII
- 約9万円×必要台数
- Ethernetハブ
- 約3000円
- 合計
- 約18万3000円~
ロクラクIIの主なスペック | |
製品名 | ロクラクII |
---|---|
録画形式 | MPEG-2 最大720×480ドット/最大512k~12Mbps(CBR/VBR) |
インターフェイス(通信) | 10BASE-T、USB 2.0、専用拡張端子 |
ビデオ | D端子、S-VIDEO入出力、コンポジット入出力 |
音声 | ステレオライン入力、ステレオライン出力 |
サイズ(W×D×H) | 105×220×145mm |
重量 | 約1.9kg |