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マルチメディア総合研究所、TD-CDMA技術を採用したモバイルブロードバンド実験システムを構築

2003年07月07日 23時17分更新

文● 編集部

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(株)マルチメディア総合研究所は7日、第3世代移動通信システム“IMT-2000(International Mobile Telecommunications-2000)”のひとつで、インターネット通信に最適化された“TD-CDMA(Time Division-Code Division Multiple Access)方式”を採用したモバイルブロードバンド実験システムの免許を取得し、東京都内に実験局を構築したと発表した。

実験システムの構成
実験システムの構成

実験の目的は、時分割多重方式の移動電話技術“UMTS TDD(Universal Mobile Telephone System Time Division Duplex)技術”を利用した電波伝搬実験を行なうこと。TD-CDMAはUMTS TDDの一種であり、UMTS TDDには、3.84Mcps(character per second)のTD-CDMA(High Chip Rate)と、1.28McpsのTD-SCDMA(Low Chip Rate)があるが、今回はTD-CDMA(High Chip Rate)に準拠したシステムについて実験を行なう。周波数帯は、ITU(国際電気通信連合)でIMT-2000のTDD周波数帯として定められている2010~2025MHzを使用する。この実験では、移動局の静止時、移動時それぞれについて、スループットや受信電力などの測定を行ない、米IPWireless社のIP技術をベースとしたTD-CDMAシステムのパフォーマンスを検証する。実験は総務省から実験局の免許がおりてから開始し、実験期間は1年間。

同実験においては、ユーザー側は、モデム(EthernetまたはUSB接続)や、PCカード型通信カードを利用する。現在は、複数局を設置し、ローミングが可能かどうか調査する実験などを行なうため、実験局を3局とする準備を進めているという。高速移動時の通信も可能で、すでに国内でも首都高速道路での通信確認を行なったという。通信速度については検証中としており、当初は上り数百kbps、下り1Mbps程度の常時接続サービスが可能と見ている。なお、同実験は、慶應義塾大学理工学部の中川正雄教授、Riaz Esmailzadeh助教授からの支援を受けているという。

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