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イージーシステムズ、文書の暗号化や利用制限を行なうセキュリティーソフト『ezFile Security』などを発売

2003年06月23日 19時19分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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イージーシステムズジャパン(株)は23日、都内で記者説明会を開催し、社内文書など機密情報の漏洩を防ぐセキュリティーソフトとして、Word/Excelなどで作成した文書ファイルの暗号化・利用制限(閲覧/印刷/保存、利用期間や回数の限定)を行なう『ezFile Security』と、メールの送受信時に本文および添付ファイルの暗号化や利用制限を行なう『ezMail Security』を7月下旬より販売開始すると発表した。販売経路は代理店を通じたシステム販売と、メーカーやISP向けのOEM販売が予定されており、“売り切り”と“月掛け販売”の2形態を用意する。価格は、売りきりの場合ezFileが100ユーザーで600万円、ezMailが500ユーザーで600万円、月掛けの場合ezFileが一人あたり月額4000円(100ユーザーの場合)、ezMailは一人あたり月額1300円(500ユーザーの場合)、など。

代表取締役の澁谷紳一郎氏 牧野法律事務所 弁護士の牧野二郎氏ら
代表取締役の澁谷紳一郎氏DRM・セキュリティーグループ マネージャーの南部武志氏(左)と、牧野法律事務所 弁護士の牧野二郎氏

説明会には、代表取締役の澁谷紳一郎(しぶやしんいちろう)氏、DRM・セキュリティーグループ マネージャーの南部武志氏、および企業の情報漏洩問題に明るい牧野法律事務所 弁護士の牧野二郎氏が列席し、同社のセキュリティー分野への取り組みや現在企業が抱える情報管理の問題について、法的な専門家の視点から意見を述べた。

最初に牧野氏が“情報セキュリティーは経営責任となる時代をいかに生き抜くか”という題目で講演し、企業の機密情報(営業機密)の漏洩に対する認識を改めるように説いた。講演の内容をまとめると、

  • 情報管理を徹底するにはセキュリティーポリシーや責任者(CSO:チーフ・セキュリティー・オフィサー)の設定が重要だが、単に情報を囲い込んだり秘匿すればいいというものではない。
  • 情報は適正に利用され、厳格に管理されている必要がある。
  • 従来の暗号化といった手法では、利用時に社内の人間が復号化するとその後の流出(内部犯行)が防げず、経路の追跡も容易ではなかった。
  • 現在、注目されているデジタル著作権保護技術“DRM(Digital Rights Management)”を応用して、著作物(営業機密)の拡散、変更や加工を防ぎ、“適正な利用者にだけ見せて無断複製したものは見せない”といった工夫が必要とされる。

と、DRM技術の進化が機密漏洩を防ぐ有効な手立てになることを強調した。

『ezFile Security』と『ezMail Security』の運用例 DRMの種別
最近の、アウトソーシングを利用した企業形態において、『ezFile Security』と『ezMail Security』を導入・運用する場合の導入例DRMは大きく、情報のトラッキング(経路追跡)とブロッキング(不正利用の防止)に分類できるが、ezFile&ezMailはコンテンツを常に保護した状態で運用する“永続ブロッキング”方式を採用する

イージーシステムズジャパンは、従来から企業の機密漏洩を防止するソフト『ezSecure Document』などを販売しているが、今回発表された2製品は機能を限定することで初期導入コストを低く抑えたのが特徴。個人認証を行なうサーバーソフトと、暗号化や利用制限設定、および復号化を行なうクライアントソフトの組み合わせで動作する。サーバーソフトの対応OSはWindows 2000 Server/Linux/UNIX、データベースシステムはMicrosoft SQL Server/Oracle/PostgreSQL/MySQL、ウェブサーバーはIIS/Apache/i Planet。クライアントソフトの動作環境は、対応OSがWindows 98 SE/Me/2000/XP、暗号化および利用制限設定が可能なファイル形式はMicrosoft Office 2000(Word/Excel/PowerPoint)以上、Visio 2000以上、PDF、テキスト、RTF(リッチテキストフォーマット)、TIF/BMP/JPGの各画像ファイルで、9月にはCADファイルにも対応予定。メールソフトは、Outlook 2000以上とOutlook Express 5.0以上に対応。

『ezFile Security』の設定画面 オリジナルファイルと暗号化ファイルの比較
『ezFile Security』の設定画面オリジナルファイルと暗号化ファイルの比較。暗号化の際にファイル圧縮も行なうため、WordやExcelファイルなどでは暗号化後のファイルサイズが小さくなるという
閲覧許可者一覧 専用ビューアーで開いたところ
暗号化されたファイルを開こうとすると、最初に暗号化されている旨と、閲覧可能なユーザーの名前、許可内容が一覧表示される専用ビューアーで開いたところ暗号化したWordファイルを開いたところ。許可されていない編集機能については、アイコンやメニューがグレーアウトされて操作できない

ezFile SecurityとezMail Securityは、ファイルを暗号化する際に、8つの共通鍵を組み合わせて“永久暗号化”(独自ファイル形式で保存、管理)を行なう。閲覧や編集は専用ビューワー(メールクライアント)ソフトで行ない、その際に閲覧や編集、メール送信などのユーザーの作業履歴をサーバー側に記録しておく。これにより、万一情報の漏洩があっても経路の追跡が可能になる。なお、メールクライアントソフトは既存のメーラー(Outlook/Outlook Express)にアドオンして利用制限設定を行なうツールも開発中で、7月下旬の出荷時には同梱する予定のほか、導入先の要望に応じて、電子透かしの添付や公開暗号鍵、指紋認証方式への対応、暗号化/復号化可能なファイル形式の拡張なども行なうという。

ezMail Securityのメールクライアントソフト Outlookアドオン
ezMail Securityのメールクライアントソフトの操作画面。本文と添付ファイルのそれぞれについて、暗号化するかどうかの設定が可能。設定項目は、ezFile Securityよりも少なくなっているOutlookのアドオン機能の画面。左上にezMail Securityボタンが追加されているのがわかる

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