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EMCとデル、戦略的提携期間を延長!――ミッドレンジ製品でシェア拡大を目指す!

2003年06月17日 23時27分更新

文● 編集部 小板謙次

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デルコンピュータ(株)とイーエムシー ジャパン(株)は都内で記者会見を行ない、2001年10月に両者が締結した戦略的提携を2008年12月まで延長すると発表した。そもそもこの提携は、ファイバーチャネルストレージアレイ製品であるEMCの“CLARiXシリーズ”をデルが“Dell | EMC”ブランドで販売するというものだった。この延長発表をうけて米EMC社のシニア・バイス・プレジデント ミッドレンジ・システム本部長のJoel Schwartz(ジョエル・シュワルツ)氏が挨拶にたった。

Joel Schwartz(ジョエル・シュワルツ)氏
米EMC社のシニア・バイス・プレジデント ミッドレンジ・システム本部長のJoel Schwartz(ジョエル・シュワルツ)氏

氏は“CLARiXシリーズ”を紹介しつつ、「2002年の第4四半期で年率の成長率は50%を記録、2003年の第1四半期は年率成長率が80%を記録した。過去6ヵ月で他のどのミッドレンンジ製品よりもめざましい目覚しい成長をとげている」とアピール。同社は昨日、『CLARiX(クラリックス) CX200』の機能強化とオプションの追加、管理ソフトウェア『Navisphere(ナビスフィア) 日本語版』の提供を発表したが、これによりローコストでハイパフォーマンスなシステムを構築できると話した。また、『Navisphere(ナビスフィア) 日本語版』は全てのCLARiX製品を扱うことができるようになり、日本のマーケットが広がるだろうとコメントした。

昨日発表された『CLARiX(クラリックス) CX200』の機能強化とオプションの追加、管理ソフトウェア『Navisphere(ナビスフィア) 日本語版』の提供にも触れた
昨日発表された『CLARiX(クラリックス) CX200』の機能強化とオプションの追加、管理ソフトウェア『Navisphere(ナビスフィア) 日本語版』の提供にも触れ、日本のマーケット拡大に意欲を示した

次に登場したイーエムシー ジャパン執行役員 パートナー&アライアンス マネージング・ディレクターの湯佐嘉人氏は「今、ミッドレンジ製品市場がワールドワイドで伸びている。我々はミッドレンジマーケットで一番のシェアをとっていきたい」と強調。これまで協業していたパートナー(販売代理店)との関係を継続しながら、ミッドレンジ製品を専門に販売する代理店をリクルート中であることが明らかにされた。早ければ3社が今月末までに契約を締結し、プロダクトの提供からマーケティング活動、セールス活動、設置、メンテナンス、サポートを行なってもらう予定だという。「これまで『Symmetrix』などのハイエンド製品は、弊社自身が設置を行っていたが、ミッドレンジの製品に関してはパートナー(代理店)が設置・保守を行なうという形になる」と話した。

ミッドレンジ製品を専門に販売する代理店をリクルートしているところであることが明らかにされた
ミッドレンジ製品を専門に販売する代理店をリクルート中であることが明らかにされた。早ければ3社が今月末までに契約を締結するとのこと。その3社はプロダクトの提供からサポートまでを一環して行なう

また、デルコンピュータの営業技術支援本部本部長の長谷川恵氏は、まず「エンタープライズビジネスの面で、ここ1~2年、インテル・アーキテクチャー(IA)へのシフトがものすごい勢いで進んでいる。これは皆さんが想像する以上の勢いです」とインテル・アーキテクチャーが標準化されてきたことに言及。デルのビジネスモデルにEMCのストレージテクノロジーを合わせることで、今度はストレージの世界でパラダイムシフトを起こしたいと考えていると話した。「DellはDAS(Direct Attached Storage)のエリアではシェアナンバーワンとなっているが、ファイバーではまだシェアは少ない。ファイバーの分野でナンバーワンであるEMCと協業することで、特にローエンド、ミッドレンジの世界でシェアを上げていきたいと考えている」と抱負を語った。また、「今、お客さんのところに行くと本当にパソコンを注文するような感覚でIAサーバーをオーダーされることが多い。しかし、さすがにストレージの世界になってくるとそうはいかない。各メーカーさんの特徴あるソフトをもっていて、ある意味標準化も進んでいない」として、これまで高価で複雑であったストレージを標準化することでTCOなどの削減に役立つことを訴えていきたいと話した。

デルコンピュータ(株)の営業技術支援本部本部長の長谷川恵氏
デルコンピュータ(株)の営業技術支援本部本部長の長谷川恵氏
コンピュータシステムカンパニーとしてNO.1のデルとストレージ分野でNO.1のEMCが組むことで、ストレージ分野の標準化パラダイムを起こしたいとした
コンピュータシステムカンパニーとしてNO.1のデルとストレージ分野でNO.1のEMCが組むことで、ストレージ分野の標準化パラダイムを起こしたいとした
SCSIではシェアナンバーワンとなっているが、ファイバーではまだ少ない。逆にEMCがNO.1となっている
SCSIではシェアナンバーワンとなっているが、ファイバーではEMCがNO.1となっているとする図

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