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【LinuxWorld Expo/Tokyo 2003レポート Vol.1】経産省はオープンソースに期待しています──基調講演「オープンソースソフトウェアの課題と今後への期待」

2003年05月21日 00時00分更新

文● 編集部

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(株)IDGジャパンが主催する、Linux製品/サービスが一堂に会するイベント“LinuxWorld Expo/Tokyo 2003”が21日より開幕した。今年は“オープンマインドが出会う場─身近なLinux”をテーマに、Linux関連のサービスやソリューションを中心に紹介している。

初日の開幕基調講演は、経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐の久米孝氏が、「オープンソースソフトウェアの課題と今後への期待」と題し、Linuxの課題や経産省のオープンソースへの取り組みについて語った。

経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐の久米孝氏
経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐の久米孝氏

久米氏はまず、Linuxユーザーの多くが、価格の安さや安全性を導入の理由に挙げている一方、改変が自由であることはあまりメリットとしてあげられていないことを指摘。「ユーザーにとっては、ソースが公開されていても自分で改変できる技術がなければブラックボックスと同じ」と語った。一方、Linux導入に踏み切れない理由に、知識やノウハウがないこと、人材の不足、サポートに不安があることなどが多いことを挙げ、人材育成の重要性を指摘した。

ライセンスについても言及し、「GPLがソフトウェア産業を滅ぼすという意見があるが、確かにパッケージ販売という形態には影響するが、そもそもすべてのソフトウェアがGPLになるわけではないし、人材育成やソフトウェア産業のサービス化のために重要なもの」との考えを示した。

今後の取り組みについては、中長期的な取り組みによって国内のオープンソース活動を支援すること、利用環境や開発環境の支援に10億円の予算があり、OSやミドルウェア、開発環境、デスクトップ環境の整備を支援することなどが紹介された。また、法的な視点でも、(財)ソフトウェア情報センターでGPLを中心とするオープンソースライセンスに関する問題整理をおこなったといい、間もなく成果を公開するそうだ。

久米氏は「中長期的な問題解決を政府もサポートしたい。皆さんにも協力してほしい」と、参加者に協力を呼びかけて講演を終えた。

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