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マイクロソフト、“the Microsoft Conference+expo 2003”を開催――『Windows Server 2003』の発売日を正式発表

2003年05月16日 08時42分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は15日、次期サーバーOS『Windows Server 2003』および同OS関連製品/ソリューションの解説や紹介を行なうカンファレンスおよび展示会“The Microsoft Conference+expo 2003”を東京国際フォーラムで開催した。これに併せて同社は、『Windows Server 2003』、統合開発環境『Visual Studio .NET Version 2003』のボリュームライセンス製品を6月2日より、パッケージ製品を6月25日に、『Microsoft SQL Server 2000(64-bit)』のボリュームライセンス製品を6月2日に発売すると発表した。

基調講演を行なうマイクロソフト(株)の阿多親市代表取締役社長

基調講演は、マイクロソフト(株)の阿多親市代表取締役社長が、約3時間に渡って『Windows Server 2003』の概要やコンセプト、各機能のデモンストレーションを交えた紹介などを行なった。この講演では、“Do more with less”(“何かを失うことなく今以上に何かをする”といった意味)をテーマとして挙げ、『Windows Server 2003』の長時間安定して安全に稼動させ続けることが可能な高い信頼性と強固なセキュリティー、より管理・運用・構築が楽になった操作性、“Microsoft Office System”や他のプラットフォームとの連携の容易さと利便性などを、このテーマに基づいて説明した。

マイクロソフトが示したセキュリティーを向上するための4要素

講演の中で阿多氏は、よりセキュアーな製品の開発を進めたエピソードのひとつとして、米Microsoft社の会長兼CSA(Chief Software Architect)であるビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が開発陣に指示したことを紹介。これによるとゲイツ氏は、「開発が遅れることになっても、スタッフ全員が徹底したコードのレビュー(評価)を行おう」と述べたといい、実際に日本円換算で250億円ものコストが開発に投じられたという。また阿多氏は、セキュリティー能力の改善/強化に重点をおいた製品開発は、「インターネットという新しいインフラでビジネスを行なうための“戦い”である」と述べており、以前からマイクロソフトが掲げている“信頼できるコンピューティング(Trustworthy Computing)”というテーマの一翼を成すセキュリティーについて(※1)、強い意思を持って取り組んでいることが伺える。

※1 マイクロソフトは、“信頼できるコンピューティング(Trustworthy Computing)”はセキュリティー、個人情報の保護、信頼性、一貫した対応の4要素から成り立つものとしている

また、ファイルサーバーとウェブサーバーの機能を統合する『Windows SharePoint Services』や、ドキュメントやファイルのアクセス権や転送/編集/印刷/コピー/スクリーンショット撮影などを管理・制限する『Windows Rights Management Services』といった、『Windows Server 2003』と“Microsoft Office System”を組み合わせて利用することでより高い効果を発揮する機能についての説明に多くの時間が割かれた。これまでに開催された“Microsoft Office System”関連の説明会などでは、“ナレッジワーカー”の働きをさらに拡大し、企業の情報を積極的に活用する人たちを意味する“インフォメーションワーカー”という言葉がたびたび登場しているが、マイクロソフトは、サーバー製品群とオフィスアプリ製品群をより密接に結びつけることで、情報共有や情報の有効活用をさらに効率的に進める“インフォメーションワーク”環境を拡大していくことを目指しており、今回の講演でのデモや解説も、そうした製品戦略に沿ったものだった。

企業情報システムに求められる3大要素としてマイクロソフトが挙げるポイント。『Windows Server 2003』を構成する3つの柱でもある

『Windows Server 2003』『Visual Studio .NET Version 2003』
『Microsoft SQL Server 2000(64-bit)』の製品構成

“the Microsoft Conference+expo 2003”に合わせてリリース日やパッケージ形態が発表された『Windows Server 2003』『Visual Studio .NET Version 2003』『Microsoft SQL Server 2000(64-bit)』のラインナップは以下のとおり。

『Windows Server 2003』

『Windows Server 2003 Datacenter Edition』
最高レベルの可用性とスケーラビリティーが求められるミッションクリティカルなビジネス環境向けのプラットフォーム。32bit版と64bit版がリリースされ、32bit版は32CPU/64GBメモリー、64bit版は64CPU/512GBメモリーをサポートし、Microsoft Cluster Servicesによる最大8ノードのクラスター構成が可能。
『Windows Server 2003 Enterprise Edition』
高い信頼性とパフォーマンス、拡張性を求められる企業向けのプラットフォーム。32bit版と64bit版がリリースされ、32bit版は8CPU/32GBメモリー、64bit版は8CPU/64GBメモリーをサポートし、Microsoft Cluster Servicesによる最大8ノードのクラスター構成が可能。
『Windows Server 2003 Standard Edition』
ファイル/プリントサーバーなど、幅広いニーズに応える部門サーバーなどに適した標準プラットフォーム。提供は32bit版のみで、4CPU/4GBメモリーをサポートする。
『Windows Server 2003 Web Edition』
ウェブアプリケーション、ウェブページ、XMLウェブサービスの作成とホスティングに最適なプラットフォーム。ActiveDirectoryは搭載しない。提供は32bit版のみで、2CPU/2GBメモリーをサポート。

『Visual Studio .NET Version 2003』

『Visual Studio .NET Enterprise Architect 2003』
開発言語ツールと開発支援ツールに加えて、ソフトウェアモデリングやデータモデリングをサポートする設計ツールを搭載した、プロジェクトリーダーやアーキテクトのための統合開発スイート。
『Visual Studio .NET Enterprise Developer 2003』
企業アプリケーションを構築するためにひつような開発ツールを提供し、大規模なウェブアプリケーションやクライアント/サーバーアプリケーションを開発するためのプログラミング環境となるエディション。
『Visual Studio .NET Professional 2003』
基本的なWindowsアプリケーションやウェブアプリケーション、携帯電話向けのウェブアプリケーション、PDA用アプリケーションを開発可能な、『Visual Studio .NET Version 2003』の標準構成。

このほか、学生および初心者向けのエディションとして、『Visual Studio .NET Academic 2003』『Visual Basic .NET Standard 2003』『Visual C++ .NET Standard 2003』『Visual C# .NET Standard 2003』『Visual J# .NET Standard 2003』が発売される。

『Microsoft SQL Server 2000(64-bit)』

『SQL Server 2000 Enterprise Edition』
基幹システムなどのシステムに用いられる、『SQL Server 2000』が搭載する全ての機能を利用できる最上位版。
『SQL Server 2000 Developer Edition』
『SQL Server 2000』対応アプリケーションやシステムを開発するユーザー向けのエディション。

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