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アットネットホーム、本社内の“テストセンター”を公開

2003年05月09日 23時13分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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アットネットホーム(株)は8日、報道関係者向けに同社のネットワーク検証施設“テストセンター”を公開した。

同社は全国各地にあるCATV局のインフラを利用し、インターネットへの接続サービスやコンテンツ配信サービスなどを提供しており、CATVインターネットサービス市場では最大手の企業。2003年3月の時点で、提携している全国のCATV局は110局。また、4月からはIP電話サービスの接続実験を開始するなど、新しいサービスへの取り組みも行なっている。

テストセンターは、コンテンツ配信システムやCATV用ネットワーク機器の検証などを目的として、4月21日より運用開始されている。映像コンテンツ制作から、配信、受信、再生までを検証する同センターを紹介する。

受信設備を展示する“コミュニケーションスペース”

同社本社ビル1階には、CATV加入者側の環境を検証する施設“コミュニケーションスペース”が設けられている。市販のセットトップボックスを利用し、インターネット経由での映像配信“Video over IP”設備の検証やデモを行なう。

コミュニケーションスペース全景 コミュニケーションスペースに設置されているセットトップボックス群
コミュニケーションスペース全景。中央には2つのディスプレーがあり、コーデックの違う映像を比べるといったこともできるコミュニケーションスペースに設置されているセットトップボックス群。各メーカーが現在販売しているものだけでなく、試作機なども設置されている

ネットワーク設備をひととおり設置した“テストセンター”

コミュニケーションスペースで評価するための映像コンテンツは、同社ビル3Fにあるテストセンターから配信される。テストセンターには、コンテンツ配信サーバーから光ファイバーネットワーク、光変換器、ターミナルアダプター、CATVモデムなど、コンテンツ配信から受信までの機器がひととおり用意されている。ここではおもにコンテンツ配信サーバーやルーターといった機器の検証や、サービス品質のテストなどを行なうという。

テストセンター全景 テストセンターに設置された光ターミナルアダプター
テストセンターのラック群通常は電柱などに設置されている光ターミナルアダプター(光ファイバーと同軸ケーブル信号を変換する装置)も、テストセンター内に設置されている
ケーブルモデム群 VoIPテスト環境
各家庭に設置されるのと同様のケーブルモデム群。モデムの先にトラフィックジェネレーターを取り付け、ネットワークに負荷をかけるといったテストに使用されるテストセンター内にあるVoice over IPのテスト環境。ユーザー参加によるフィールドテストが行なわれている最中で、IP電話を設置したユーザー宅からの電話を待つ社員もいた。通話品質テストは現在のところ行なっていないという

コンテンツ制作スタジオ

テストセンターと同じフロアには、映像、音声コンテンツを制作するためのスタジオが用意されている。スタジオでは、テストセンターで使用するコンテンツの制作を行なっているほか、DRM(デジタル著作権管理)技術などについても独自に研究しているという。

映像編集スタジオ 録音スタジオ
映像編集を行なう“デジタルスタジオ”。収録した映像の編集、エンコード、DRMのためのメタデータ書き込みなど、コンテンツ制作の作業を行なう。録音を行なう“レコーディングスタジオ”。ここでは収録した音声を、米Digidesign社のソフトウェア『ProTools』で編集する。映像と合成する作業は映像編集スタジオで行なう

テストセンターを設置したことで、フィールドテストを行なう前に社内で自由な検証が可能になったという。なお、現在のところ同社テストセンターはすべて社内で機材を用意しており、機材持ち込みによる検証などは行なっていないそうだ。今後さらに機材を追加し、より実際のネットワーク環境に近いテスト施設に強化するとしている。

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