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三洋電機、次世代光ディスクの2層メディアの書き込みに対応できる高出力青紫色半導体レーザーを開発

2003年03月26日 18時14分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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三洋電機(株)は26日、都内で記者説明会を開催し、パルス光出力時に100mWを実現する青紫色半導体レーザーを開発したと発表した。サンプル出荷は2003年第3四半期の予定で、事業化は鳥取三洋電機(株)のLED事業部が第4四半期に行なう計画になっているという。

高出力青紫色半導体レーザー
高出力青紫色半導体レーザー

今回発表された青紫色半導体レーザーは、2002年に同社が発表した再生用低出力素子(連続動作光出力:5mW)、今年1月に発表した次世代光ディスクの単層記録向け高出力素子(連続動作光出力:35mW、パルス光出力:50mW)に続く、2層メディアの記録向け高出力素子(連続光出力:50mW、パルス光出力:100mW)。青紫色レーザーは、CDメディアに利用される赤外レーザー(波長:780nm)やDVDメディアに利用される赤色レーザー(650nm)よりも短波長(405nm)で、ビームスポット径を小さくできるため、“Blu-ray Disc”や、(株)東芝と日本電気(株)が開発中の次世代光ディスクメディアなどへの応用が期待できるという。

出力の比較 高出力の要因
従来のレーザーと、高出力レーザー(右)の比較高出力を実現した要因を説明するパネル

説明会では、高出力を実現した要因として、発行効率の向上や導波路(レーザー光が反射しながら通過する経路)の損失低減により、動作電流を20%以上低減した“低電流化技術”、光源にGaN(ガリウムナイトライド)系化合物を半導体/基板材料に用いた新開発の“発光素子”、界面(基板と発光素子の境界)の平坦化を実現する“高品質結晶成長技術”などを挙げた。

動作電流は連続光出力時100mA、パルス出力時140mA程度、ビーム広がり角度は水平8度、垂直23度。パッケージサイズは直径5.6mm。

なお、三洋電機自身はBlu-ray Discなどの次世代光ディスク規格の製品開発を、現時点で表明しておらず、今回発表の製品も他メーカーへの部品供給が主用途になるだろう、と説明している。

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