このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

【特別企画】ディザスタリカバリという考え方

2003年03月24日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

本特集の紹介製品


POWLI BX35XFS、BX50XFS オムロン
FULLBACK SMU series 200V type サンケン電気
YUMIC-SHD060A ユアサコーポレーション
RDS-SDシリーズ テクサ
Duo2X(180GBモデル) ニューテック
SVM(Storage Virtualization Manager) コンピュータ ダイナミックス
Arena Ex3(AE-5630) MaxTronic International

どれだけ対策を施しても予測できない災害は、発生する危険性を常に秘めている。その災害発生時に真っ先に損害を被るのは、繊細なコンピュータシステムである。そしてシステムが長期間停止し、ビジネスにとって取り返しのつかない損失が発生する。

これからは「災害を起こさない」ではなく「災害から守る」のでもない。各種の障害は、必ず起こりえるものと想定することが大切だ。障害発生時に、停止したシステムをいかに効率よく迅速に復旧させられるかが問われる時代である。

ディザスタリカバリ
とは何か?

ディザスタリカバリという聞きなれない言葉は、「ディザスタ(Disaster)」と「リカバリ(Recovery)」を組み合わせたものである。直訳すれば、災害や天災からの復旧・修復ということ。ITシステムの場合は、予期しない災害によって引き起こされる“システム障害を復旧させる作業”という意味で用いられる。つまり、各種システムのバックアップ体制を整えることだ。

従来のバックアップソリューションでは、主としてデータの保護が重要とされてきた。データさえ安全に確保してあれば、万が一のシステム障害の際にも、すばやく復旧できると考えられていたからだ。しかし、ストレージの物理的な破損や異常電源によるシステム装置の不具合など、実際に、データ消失が起こるような深刻な障害が発生すると、状況は一変する。

災害対策の一歩は
ローカル環境からはじめる

ディザスタリカバリの本来の意味は、地震や火災など拠点が失われるような大規模な災害時でも、IT業務を寸断せずに続けられるよう、ありとあらゆる方策を練ることにある。たとえば、遠隔地にある支社と本社のデータを常に同期させておけば、本社ビルが倒壊するような災害でも、支社のネットワークを利用して業務が直ちに再開できるといったことになる。

しかし、大掛かりなディザスタリカバリにはコストもかかる。そこまで話を大きくしなくとも、ローカル環境に導入すべきディザスタリカバリもある。

企業におけるネットワーク環境では、サーバ/クライアント方式の運用手法が採られることが多いとはいうもの、実際に、データの集中管理を行なっている現場は意外と少ない。重要なデータが個々のクライアントPCで保存管理され、担当が不在になるとビジネスの進捗が分からなくなるケースも多いようだ。そのためか、クライアントPCにもある程度の処理能力が必要で、OSやアプリケーションも、ユーザー個別にカスタマイズされている。

小規模な障害でも
復旧には時間がかかる

そんなときに深刻なシステム障害が起こると、どうするだろうか? ハードウェアの調達・刷新からはじまって、OSの導入と調整、アプリケーションの再構築、データベース環境の最適化、そしてデータの復旧という煩雑な作業が必要だ。完全な復旧には数日間を要するだろう。しかもシステム管理者が不在の場合はその限りではない。

中でも最も負担になるのが、OSシステムを含むソフトウェア面での再構築である。その際、単なるデータのバックアップではなく、小規模なRAID(ミラーリング)を導入してシステムをまるごと保全するようにすれば復旧時間の短縮が可能だ。小規模だが、これもディザスタリカバリの一環。もちろん、障害発生そのものを防止するUPSの導入などは必須の前提条件である。

企業活動のすべてをトータル
に考えるソリューション

ディザスタリカバリは、コンピュータシステムやネットワークの回復だけにとどまらない。それらのIT基幹がビジネス活動に深くかかわっている今日、システムの回復は真っ先に考えるべき技術的側面だが、それがすべてではない。拠点の損壊や人員の喪失など最悪のケースも想定すべきだ。

クリティカルな業務はもとより、日常の企業活動のすべては顧客からの信頼によって成り立っており、信頼の失墜は企業の終末を意味する。その信頼を失うのはあまりにも簡単だ。障害発生の責任を各種災害に転嫁するだけでいい。

発生規模や日時が予測できないのが災害である。日ごろから確実な災害復旧プラン(すなわち、ディザスタリカバリ)を構築しておくことが重要になる。

パソコン向けの小型UPS
POWLI BX35XFS、BX50XFS

POWLI BX35XFS
POWLI BX35XFS

メーカー:オムロン
価格:1万9800円(BX35XFS)
URL:http://www.omron.co.jp/ped-j/product/ups/index.htm
電話:03-5435-2010

オムロンの『POWLI BX35XFS』と『同BX50XFS』は、厚さ45mmの薄くコンパクトなUPS(無停電電源装置)である。ユーザーサイドでの交換が可能な小型シール鉛バッテリ(標準寿命2~3年)を内蔵しており、BX35XFSは350VA/210W出力、BX50XFSは500VA/300W出力となっている。どちらも常時商用給電方式を採用しており、停電時にはそれぞれ5分以上、3.5分以上のバッテリ駆動が可能だ(定格負荷で運用した場合)。また、電話回線/LANケーブルからサージを取り除く「回線サージ保護機能も搭載する。パソコンとの通信インターフェイスも装備しており、Windows NT 4.0の標準UPS管理機能に対応する。標準で3年保証(バッテリ除く)が付いているのもうれしい。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ