GA-8INXP

GA-8INXP

Gigabyte／日本ギガバイト

オープンプライス(実売価格：3万円台半ば)

• http://www.gigabyte.co.jp/

DualDDRで
Pentium 4最強環境を実現

写真1　ワークステーション用という表面上の用途とは別に、最強のPentium 4用マザーともいえるGigabyte「GA-8INXP」。

【春の集中“自作”講座】「マザーボードのスペックを読む」。写真をクリックすると当該ニュースに移動します。

　RDRAMからDDR SDRAMに主軸を移したIntelのチップセット戦略だが、Petium 4のシステムバスとメモリ帯域のアンバランスはi845PE/GEに採用されたPC2700でもいまだ解消されていない。そこで、今回紹介する「GA-8INXP」に搭載されるワークステーション用のチップセット「E7205」で採用されたのが、DDR SDRAMの2ch動作、つまり同容量のDIMMを2枚単位で増設することで、128bit幅でのメモリアクセスを可能にするというものだ。対応メモリはPC2100までだが、メモリ帯域は2.1MB/秒×2の4.2GB/秒となり、ちょうどFSB 533MHz版P4と同じというわけだ。2ch動作には、本ボードの場合DIMM1／2、DIMM3／4がその組み合わせとなる。なお、片面実装＆両面実装の組み合わせによる2ch動作は不可。また、i850E＆RIMMの場合と異なり、DIMM2枚単位の装着は必須ではない。

写真2　DualDDR、AGP 8xとサードパーティメーカーに先行されていた最新スペックを取り込んだ「E7205」を搭載。

　ワークステーション用というと、ずいぶん大層に感じるかもしれないが、South Bridgeは一般的なICH4を用いており、USB 2.0への対応など、基本的なスペックはi845PEマザーと変わらない。外見も似たようなものである。ただ、メインメモリにECC付きのタイプを利用して信頼性を確保できる点は、“らしい”部分である。搭載ボードの実売価格も3万円台からと若干高めだ。メモリまわり以外にはAGP 8xへの対応も特徴的だ。

　さて、実際のパフォーマンスはというと、2ch動作時はさすがに優れたもの。同じメモリ帯域を持つi850E＆PC1066 RDRAMの組み合わせをも若干上回り、P4ベースの環境では最強だ。AGP 8xの動作も、AGP 8x対応版のGeForce4 Ti 4200搭載ボードとの組み合わせで、何の問題もなく動作が確認できたほか、ベンチマークでのスコアも若干上昇したのが確認できた。

●【電源部が別カードに】　写真3　Dual Power Systemというユニークなシステムを持つ。オンボードのレギュレータと併せて、二重のシステムで電源の安定供給が可能。

　GA-8INXPは基本的に自作PCユーザー向けにリリースされた製品であり、オンボード機能にも抜かりはない。IDE RAIDはUltraATA/133対応と、シリアルATAと2系統、サウンドは光出力対応、そしてオンボードのEthernet機能はIntel「82540EM」搭載でGigabit Ethernet対応と高機能に徹底している。

次期主力チップセットの新機能を先取り？

●【Intel製GbEチップ搭載】　写真4　Gigabit Ethernet用にIntel「82540EM」を搭載。同チップ搭載のEthernetカードは単独では7000～8000円前後で販売されている。

　E7205搭載ボードは、このGA-8INXP以外にも各社から次々と製品がリリースされる予定で、年末年始にかけて、PCショップの店頭をにぎわすことになりそうだ。しかし、高価格のためi845PEからメインストリームの地位を奪うことは難しそうだ。

　ただ、2003年第2四半期に登場が噂されている次期主力チップセットのSpringdaleでは、AGP 8xやシリアルATAのサポートに加え、同時期にリリースされるFSB 800MHz版Pentium 4に対応するため、DualDDR333が可能なのではないかと予想されている。その意味でE7205はIntel主力チップセットの未来の姿といえ、純粋に本ボードに魅力を感じているユーザー以外も注目すべき製品なのだ。

ベンチマークテスト結果

●【グラフ1】　3DMark2001 SE 640×480ドット/32bpp(左)／●【グラフ2】　動画圧縮

テスト環境

CPU●Pentium 4-2.8GHz／メモリ●512MB(PC2100)／ビデオカード●GeForce4 Ti4200-8x搭載カード／OS●Windows XP＋SP1英語版

GA-8INXPの主なスペック
製品名	GA-8INXP
チップセット(North／South Bridge)	E7205 MCH／ICH4
メモリソケット	DDR DIMM×4(最大4GB)
拡張スロット	AGP×1、PCI×5
FSBクロック	100～200MHz(1MHz刻み、BIOS)
メモリクロック	自動
CPUコア電圧	デフォルト～＋0.225V(0.025V刻み、BIOS)
DIMM電圧	デフォルト～＋0.3V(0.1V刻み、BIOS)
ボードサイズ	305(H)×244(W)mm