このページの本文へ

So-net、ストリーミング配信向けポートを備えたブロードバンドルーターを会員向けに限定販売

2003年03月03日 22時39分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニーコミュニケーションネットワーク(株)(So-net)は3日、都内で記者説明会を開催し、同社のブロードバンド接続サービス(ADSL&FTTH)の会員向けに、ストリーミング配信向けの“AV優先ポート”を備え、IEEE802.11b準拠の無線LAN機能を内蔵したブロードバンドルーター『HN-RT1』を販売すると発表した。購入予約は7日から、発送は13日開始の予定で、価格は2万9800円。3月末日までは発売記念キャンペーン価格として2万4800円で提供される。

HN-RT1 背面
『HN-RT1』の本体。ソニーのネットワークAV受信アダプター『ルームリンク』に似た雰囲気を持つが、本体サイズは一回り大きく、B5ノートパソコンと同程度の奥行きHN-RT1の背面。青いケーブルを差してあるのがAV優先ポート。隣にあるA4ノートパソコン“バイオノートGR”と比べると大きさが想像できるだろう

HN-RT1は、同社計測値で最大97Mbpsの高速スループットを実現し、最大11Mbpsの無線LAN機能(IEEE802.11b準拠)、ウェブサーバー機能、ビデオチャットやネットワークゲームなどのアプリケーション側が要求するポートを自動的に開く“UPnP機能”、プリントサーバー機能(4月ころに対応予定)などに対応したブロードバンドルーター。

AV優先ポートは、LAN側のEthernet端子(1番)のキャッシュメモリーを増強し、優先してパケット送出を行なうというもの。音楽や映像を家庭内の他のパソコンに配信するストリーミングサーバーを立てる際に、この端子に接続すると音飛びや映像のコマ落ちがしにくくなるという。

ウェブサーバー機能は、本体に内蔵するメモリースティックスロット内のコンテンツ(写真、動画、テキストやHTMLデータなど)を公開するというもの。So-netの提供するDDNS(Dynamic DNS)サービスを利用して、覚えやすいURLからHN-RT1にアクセスすることも可能。

プリントサーバー機能は、出荷当初はUSB 1.1ポートがあるのみだが、4月中にファームウェアのアップデートで対応するとのこと。なお、ブロードバンドルーターの初心者ユーザーに配慮して、ファームウェアのアップデートはまず前面の液晶画面に新しいファームウェアが配布された旨を通知し、次に本体のEnterボタンを押すとダウンロードの準備を開始、もう一度Enterボタンを押すことでファームウェアをダウンロードして自動的にアップデートするという簡易操作で行なえるとのこと。

サービスゲートウェイ 提供予定サービス一覧
So-netの考える“サービスゲートウェイ”のイメージ出荷後に追加提供される予定のサービス

このほか、5月ごろにはIPv6対応のネット家電に接続するためIPv6対応の試験サービス、ならびにルーター設定をウィザードに従って行なえるユーティリティーソフト『ホームルータかんたん接続設定』を、夏ごろには無線LANの設定ユーティリティーソフト『ワイヤレスLANかんたん設定』、家の外からVPN(Virtual Private Network)サービスを利用してセキュリティーを確保しながら家庭内LANのサーバーにアクセスする“リモート接続サービス”(有料予定)、家庭内の複数のネットワーク機器を一括して管理、セキュリティーサービスを提供する“ホームネットワーク・セキュリティサービス”(有料予定)などが計画されている。

HN-RT1のスペックは、WAN側ポートが10/100BASE-TXでPPPoE対応(EthernetでPPP接続と同様のリンクを実現する仕組み、ADSL回線を通じてTCP/IPでの通信を実現するために利用される方式の1つ)、LAN側は10/100BASE-TX×4および1~11chの無線LAN(IEEE802.11b)で、64/128bitのWEPとMACアドレスフィルタリングをサポートする。本体サイズは幅204×奥行き231×高さ45mm、重量は約1.3kg。製造はソニー(株)が行なう。

山本泉ニ氏ら
記者説明会でマイクを構えるソニーコミュニケーションネットワークの代表取締役社長の山本泉ニ氏(左)、執行役員の平林信隆氏(右)、ソニーのブロードバンドコミュニケーションカンパニー ホームネットワーク事業部 事業部長の島津 彰氏(中央)

記者説明会には、ソニーコミュニケーションネットワークの代表取締役社長の山本泉ニ(やまもとせんじ)氏、同社執行役員 ビジネス開発&グループアライアンス担当の平林信隆氏、ソニーのブロードバンドコミュニケーションカンパニー ホームネットワーク事業部 事業部長の島津 彰氏が列席。So-netがハードウェアを販売する戦略について、「単に複数台のパソコンをインターネットに接続するだけでなく、PDA“クリエ”や家庭用ゲーム機『プレイステーション2』なども、これからはインターネットに接続して楽しむ時代になる。つまり、ブロードバンドインターネットがライフスタイルの変化につながる。そんな時代にISP(Internet Service Provider)として、So-netは“手軽なホームネットワークの構築”“サービスゲートウェイ”“簡単アップグレード”が家庭に求められていると考え、今回のブロードバンドルーターの販売に至った」(山本氏)と説明した。また、新規のSo-netユーザーが最初からこのルーターとブロードバンド接続サービスをセットで利用できないか質問したところ、「5月に提供予定の“かんたん設定”が完成したら、そうしたメニューも準備するつもりだ」と答えた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン