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モトローラ、携帯オーディオ機器向けDSPチップ『DSP56371』を発表

2003年02月07日 17時39分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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モトローラ(株)は7日、省電力化とSRAM内蔵による低コスト化を実現したという携帯オーディオ機器向けDSP(Digital Signal Processor)『DSP56371』を発表、都内で記者会見を開催した。サンプル出荷および開発ツールの提供時期は第1四半期末の予定で、生産は第3四半期。価格は10万個ロット時で9.95ドル(約1200円)。

田中博志氏 ジョン・P・ハンセン氏
トランスポーテーション・スタンダードプロダクツグループ マーケティングマネージャの田中博志氏米モトローラ社のデジタルオーディオラジオテレマティクスマーケティングマーケティング担当本部長のジョン・P・ハンセン(John Hansen)氏

DSP56371は、“DSP5636xシリーズ”に続くオーディオ向けDSPで、88KワードのSRAMを内蔵し(従来は23Kワード)、外部SRAMの搭載や接続回路の形成を不要にすることで、基板生産の省コスト化を実現。さらに、プロセスルールの微細化(数値は未公開)により消費電力を119mWに低減し、コアのみを停止する“ウェイト”、回路の大部分を停止させる“ストップ”という2つの省電力モードを搭載する。処理能力は180MIPS、動作電圧はコアが1.2V、I/Oが3.3Vおよび5V。

オーディオ機器向けDSP DSP56371
モトローラのオーディオ機器向けDSP製品の流れDSP56371の特徴

記者会見にはトランスポーテーション・スタンダードプロダクツグループ マーケティングマネージャの田中博志氏と、米モトローラ社のデジタルオーディオラジオテレマティクスマーケティングマーケティング担当本部長のジョン・P・ハンセン(John P.Hansen)氏が壇上に立ち、オーディオプロセッサー市場の動向や新製品の概要を説明した。

DSP56371
DSP56371を使ったオーディオ機器の基板サンプル

田中氏は「MP3やWMAなどデジタル圧縮オーディオの普及でオーディオの使用環境が拡大・多様化しているが、モトローラではこれに合わせて製品の開発を行なっている。デジタルテレビの登場もあって、オーディオ機器向けDSPは今後ますます発展する分野と考えている。中国などのローコスト製品が台頭して、競争は激しくなっているが、普及価格帯で高付加価値の製品が求められている」と述べた。続いてハンセン氏がDSP56371について、「モトローラが2年前(2001年)に発表したオーディオ機器向けDSP『DSP56366』では、音響環境をリアルに再現する“遅延管理”と低音を制御する“バス管理”、および5.1chすべてを96kHz/24bitで再生する音声フォーマット“DTS 96/24”に対応するのに2チップ構成が必要だった。2002年に発表した『DSP56367』では1チップ化したが、外部にSRAMを設ける必要があり、またこれら3機能を実現するためにDSPの全性能を費やしていた。今回発表するDSP56371では、内蔵SRAMを増加し、パフォーマンスも向上したことで3機能を半分程度の処理能力で実現できるようになった。また、SRAMへのアドレスラインやデータラインのルーティング(配線)が不要になったため、2層基板に搭載することも可能だ」としている。

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