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LinuxWorld 2003レポート

2003年01月23日 22時07分更新

文● 塩田紳二

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朝早く設営を急ぐ展示会場
朝早く設営を急ぐ展示会場。はたしてLinuxに扉は開くのか?

1月22日から24日まで、今年もニューヨークで“LinuxWorld 2003”(以下、LinuxWorld)が開催される。初日である本日は、朝10時30から、米AMDのHector Ruiz氏の基調講演から始まるが、2時間前の朝8時30分からすでにプレスカンファレンスが開催されている。



AMD会長のHector Ruiz氏
AMD会長のHector Ruiz氏。今回は初日の基調講演に登場。

だいたい、参加者や我々プレス登録した者がバッチを受け取れるのは朝8時から。昨晩経路選択に失敗して、夕方遅くホテルに付き、仕事をしたまま朝を迎えた筆者には非常に辛いスケジュールである。

米SGIは、1月7日に発表したLinux採用のスーパークラスタマシン『Altix 3000』を初めて公開するし、米IBMのLinuxマシンがゴルフのPGAツアー公式サイトに使われるなど、ニュースや見物は少なくない。

Altix 3000Linuxを採用したSGIの『Altix 3000』ファミリ。

LinuxWorldの基調講演というと、いつもIDGの担当役員クラスが最初に挨拶ぐらいするものだったが、今年はそれもなし。IDGもすでにLinuxへの興味を失ったのか?

実は、昨年の1月にニューヨークで開かれたLinuxWorldは、9.11同時多発テロの影響をモロにうけた。なにしろまだ半年もたっていなかったのだから。9.11直後のイベントがほとんど中止や延期に追い込まれたのに比べると、1月は逆に中止するには中途半端な時期でもあり、出展者の激減を承知で行われたイベントでもあったのだ。

それから1年、やはり以前のような熱気はないものの、少しは活気が戻ってきた。1990年台後半は、同時にドットコム・バブルの時期でもあり、「インターネット→UNIX→Linux」という図式で多くのLinux関連企業がもてはやされていたが、ああいう熱気はおそらく2度と戻っては来ないだろう。しかし、大手企業に採用が決まるとか、デルタ・ロケットの制御にLinuxが使われるなど、地道な普及も続いている。

AMDの64bitプロセッサが登場することで、Itaniumとの対決があり、さらにこれら“64bit新興勢力”と、米Sun Microsystemsなどの“RISC系64bitプロセッサ勢力”が、Linuxを軸にどう対応するか(旧ワークステーションメーカーは、昨年SunがLinuxサーバー、クライアントを発表したことで、ほとんどがLinuxを採用している)が1つの構図となる。

Unreal Tournament 2003 Athlon 64搭載デスクトップPC
Athlon 64を使った64bitデスクトップPC。動いているのはLinux上に移植されたゲームである『Unreal Tournament 2003』。

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