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日立製作所、動作クロック周波数80GHzの論理回路を作成

2002年12月27日 22時46分更新

文● 編集部

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(株)日立製作所の中央研究所とデバイス開発センタは27日、次世代の超高速通信用デバイス向けに、“100nm微細化SiGe HBT(シリコン・ゲルマニウム ヘテロバイポーラトランジスター)”と“0.13μm SiGe BiCMOS(SiGe HBTとCMOSを混載したデバイス)技術”を開発し、世界最高速という動作クロック周波数80GHzの論理回路を作成したと発表した。開発した技術は、次世代の光伝送用LSIやミリ波帯無線通信ICに利用できるという。

これまでは、SiGe HBTを高速化するために微細化を進めると、動作速度を遅くする寄生抵抗が増加し、素子特性のばらつきも増大するほか、SiGe BiCMOS形成時のSiGe形成プロセスの高熱処理によりCMOSの特性が劣化するといった問題があった。 今回開発した技術では、漏斗(じょうご)型のエミッタ電極の採用と、エミッター/ベースの距離を短くした構造による低抵抗化と特性のばらつきの低減、ならびに、高密度のプラズマ反応を用いて形成した膜内の水分子が少ない酸化膜“低湿性酸化膜”を利用した低温での処理によるCMOS素子の特性と信頼性の維持が可能になった。

これにより、100nm微細化SiGe HBTでは、最小ゲート遅延時間4.9psのECL回路(エミッタ結合型論理回路)、動作クロック周波数80GHzの世界最高速の論理回路(直流から高周波まで利用できるスタティック型分周器)を作成したという。また、0.13μm SiGe BiCMOSでは、遮断周波数が122GHz、最大発振周波数が178GHzという高速SiGe HBTを0.13μmプラットフォームCMOSに混載したとしている。同社では2003年第2四半期に量産に利用する予定。

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