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VA Linux Systemsジャパン、“プロフェッショナルサービス事業”を強化

2002年12月25日 00時00分更新

文● 編集部

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VA Linux Systemsジャパンは、2002年3月より開始している“プロフェッショナルサービス事業”について、来年以降、人員および体制を強化すると発表した。

“プロフェッショナルサービス事業”は、Linuxなどのオープンソースソフトウェアを顧客ニーズに合わせてチューニングし、業務レベルのシステムとして稼働できるようにするサービス事業。プレスリリースによれば、“プロフェッショナルサービス事業”の市場認知浸透や大型案件受注などにより、今年度下期には上期と比べて3倍の成長があったという。背景としては、SourceForge.net/SourceForge.jpなどオープンソースソフトウェア開発環境の充実により質の高いソフトウェアが開発されていること、企業のオープンソースへの関心が高まっていることなどがあるという。来期には今期比3倍の売り上げを見込んでいるといい、オープンソースシステム導入を検討している企業や官公庁、教育機関をターゲットに受注拡大を目指すとしている。

12月20日に行なわれた“オープンソースウェイ”で講演した、VA Linux Systemsジャパン(株)代表取締役社長の上田哲也氏は、「オープンソースだから競争優位に立てるわけではない。技術力があって差別化できるところだけがビジネスとして成功することができる」と語った。

VA Linux Systemsジャパン(株)代表取締役社長の上田哲也氏VA Linux Systemsジャパン(株)代表取締役社長の上田哲也氏

上田氏によると、オープンソースビジネスでも商用ソフトウェアビジネスでも、競争優位に立てる技術やサービスのない企業は利益を上げることは難しいのだという。オープンソースソフトウェアの場合、それ自体の販売で収益を上げるのが難しいだけでなく、ハードウェア販売でも競合他社との価格競争により収益は伸びにくい。一方、商用ソフトウェアのビジネスでも、リセラーが乱立し、低価格競争によって利幅が縮小、オープンソースソフトウェアと同様に利益が出にくい構造になっている。利益を上げることができるのは、

  • 技術力がある
  • 他社と差別化できる
  • 顧客に価値を提供できる

といった要素を満たす一部の企業に限られることになるとのことだ。VA Linux Systemsジャパンも、Linuxカーネルを中心に、ミドルウェアやサーバアプリケーションなどについても動作検証などを行ない、オープンソースソフトウェアを適用できる範囲を見極めた上で顧客に提案するなど、「オープンソースに対する理解」による競争優位を実現しているという。

上田氏に同社のオープンソースビジネスの現状についてたずねると、VA Linux Systemsジャパンが「オープンソース企業としては珍しく、事業を開始してから一度もレイオフを実施したことがないんです」と語り、堅調な事業を行なっていることを強調した。

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