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Linuxは“ユーザー”のもの─“Turbolinuxエンタープライズ戦略セミナー”開催

2002年12月13日 16時00分更新

文● 阿蘇直樹

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ターボリナックス(株)は、12月20日に発売する『Turbolinux Enterprise Server 8 powered by UnitedLinux』の正式発表を受け、『UnitedLinux』を中心に、エンタープライズLinuxへの各社の取り組みや活用事例を紹介する“Turbolinuxエンタープライズ戦略セミナー”を12月10日に開催した。

最初に挨拶した、ターボリナックス(株)代表取締役会長の渡邊肇氏は、同社について、話題になっている日本政府のオープンソースへの取り組みなどに触れながら「“日の丸OS”を代表する企業」であると紹介。日本を中心にアジア市場に注力すると語った。

ターボリナックス(株)代表取締役会長の渡邊肇氏
ターボリナックス(株)代表取締役会長の渡邊肇氏

また、『UnitedLinux』については、“Change”“Challenge”“Chance”という3つのキーワードを挙げ、「ソフトウェア業界に新しい革命をもたらすキックオフとしたい」と語った。

基調講演─米UnitedLinux General Manager Paula Hunter氏

基調講演は、米UnitedLinuxのGeneral ManagerであるPaula Hunter氏。11月19日に発表された『UnitedLinux Version 1.0』の概要やサポート体制、今後のロードマップなどを紹介した。

米UnitedLinuxのGeneral ManagerであるPaula Hunter氏
米UnitedLinuxのGeneral ManagerであるPaula Hunter氏

『UnitedLinux Version 1.0』は、ターボリナックス(株)、独SuSE Linux、米SCO Group、ブラジルConectivaが中心となって設立した、米UnitedLinuxによって開発されたディストリビューション。IA-32/64、x86-64、PowerPC、IBM eserver iSeries/pSeries/zSeriesで動作する。LSB 1.2やOpenI18Nといった標準仕様をサポートするほか、非同期I/OやO(1)スケジューラといった、エンタープライズ向けの機能が搭載されている。

Hunter氏によれば、『UnitedLinux』は顧客、Linuxベンダー、業界パートナーの3者それぞれにメリットがあるという。まず顧客については、エンタープライズ向けのOSとアプリケーションを入手可能になること、ハードウェア、ソフトウェアの広範なサポートが得られること、世界中のLinuxアプリケーション資源を活用できる点を挙げた。またLinuxベンダーについては、開発コストの削減、製品の市場投入までの時間短縮、協業と市場の相乗効果による、利益率の高いビジネスモデルを構築できる点を挙げた。業界パートナーについては、世界共通の標準化されたディストリビューションにより、ハードウェア/ソフトウェアの認定が容易になること、ビジネス向けの市場に特化したLinuxを利用したマーケティングなどが可能になることを挙げた。

『UnitedLinux』がもたらすメリット
『UnitedLinux』が顧客、Linuxベンダー、業界パートナーにもたらすメリットを紹介した

Hunter氏は米UnitedLinuxについて、「設立メンバー4社で全世界に1万6000以上のリセラーを持つ大きな団体」であると紹介し、設立メンバーが各地域で展開するサポートプログラムを補完する形のグローバルサポートを提供することも可能であるとした。また、近く発表する予定の業界メンバーシップについて言及し、『UnitedLinux』を実際に開発している“Technical Comitee”と一緒に開発に参加する“Technical Advisory Board”などが新たに設けられることを明らかにした。

『UnitedLinux』の認定技術者育成プログラム“Professional Certification Program”についても、来年初頭に発表されることが明らかになった。現在のところ詳細は決まっていないが、おもに導入やサポートのスキルを評価するものになる予定だという。そのほか、オープンソース開発コミュニティをターゲットに、アプリケーション開発環境などを含んだパッケージを無償で提供する計画もあるといい、提供開始は来年初頭を予定しているそうだ。

今後については、現在すでに『UnitedLinux Version 2.0』の開発に向けた準備を開始していること、『UnitedLinux Version 2.0』のリリースは2003年末を予定していることが紹介された。また、『UnitedLinux Version 1.0』に対するメンテナンスリリースについても準備を始めているという。

Coming Soon
『UnitedLinux』は、まもなくハード/ソフトウェアの認定や開発ツール、“Technical Advisory Board”の整備、認定プログラム、グローバルサポートなどを提供する予定

参加者からの「『Red Hat Linux』との違いはどこにあるのか」という質問に対しては、エンタープライズ機能にフォーカスした開発に対する姿勢や、IHV/ISVの製品に対する動作認定、また、各地のリセラーや米UnitedLinux自身によるグローバルなサポート能力があることなどを説明した。

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