このページの本文へ

米ネットワークアソシエイツのSamenuk会長兼CEOが事業戦略を説明

2002年12月11日 17時08分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本ネットワークアソシエイツ(株)は11日、米ネットワークアソシエイツ社の会長兼CEOであるGeorge Samenuk(ジョージ・サムヌーク)氏の来日に伴う記者会見を都内で開催した。

Samenuk会長と加藤社長
左から、米ネットワークアソシエイツ社会長兼CEOのGeorge Samenuk氏、日本ネットワークアソシエイツ代表取締役社長の加藤孝博氏

Samenuk氏は、2002年の業績と2003年の事業展開について説明した。同氏は「われわれのビジョンは“侵入防止”、すなわちハッカーやウイルスなど個人や企業のネットワークに入り込もうとしているものを途中で阻止すること。ウイルス対策やサーバーの暗号化、コンテンツ管理、侵入検出、ネットワーク管理といったセキュリティーを強化するソリューションを提供していく。われわれはMcAfeeシリーズでセキュリティーソリューションを、Snifferシリーズでネットワーク管理ソリューションを提供している。これら2分野の製品ラインを1つの会社が持っているのは大変ユニークなこと」と語った。

また同社は、9月にMcAfee.com社との株式交換を行ない略式合併を完了、これまでMcAfee.comが行なっていたコンシューマー向けオンラインセキュリティーおよびウイルス対策サービスを同社が展開することとなった。「これまでわれわれは大企業向け製品市場でNo.1だったが、今後はコンシューマー向け製品市場でのNo.1を狙う」(同氏)としている。なお、日本では2003年よりMcAfee.comサービスを展開するという。

また同氏は、同社と米インターネットセキュリティシステムズ(ISS)社との提携についても説明、「この提携により、われわれの製品とISSのインターネットセキュリティー製品を統合してユーザーに提供できる。将来Sniffer製品群にISSの侵入検出製品を組み込んだものが登場するだろう」としている。

さらに、新たな製品として、ポリシー管理ツール『ePO』、ネットワークのパフォーマンス管理ツール『nPO』、Sniffer Distributed向けのパケット収集/ストレージテクノロジー『Infinistream Packet Forensics Solution』、Sniffer上で不正侵入防御機能を提供するパケット分析テクノロジー『Impermia Intrusion Protection System』などを開発、日本では2003年にリリースするという。

同氏は、「日本市場は世界で最も急成長しており前年比30%の伸びだ。ユーザーは法人だけでなく、政府や地方自治体にも拡大している。トレンドマイクロとの違いは、われわれは日本だけで拡大してるのでなく、欧米やアジア各地にユーザーがおり、各国にソリューションを提供している点だ」

「われわれの戦略は明確。McAfeeでアンチウイルスソフトのNo.1を、Snifferでネットワーク監視ソリューションのNo.1を目指す。われわれはネットワークセキュリティー、可用性、信頼性をユーザーに賄う唯一の会社であり、戦略が明確であるがゆえに高成長を遂げた。また事業戦略として、提供する製品が市場で1位もしくは2位を確保できなければそのプロダクトラインから撤退する。われわれは1年前に暗号化ビジネスから撤退した。当時PGP分野では製品の99%をウェブ上で無償提供しており、数百万ドル規模の損失を出していた。PGPから撤退し損失を出さないことがわれわれにとって理に適っていた」と語った。

同社は、2002年度第4四半期の売上目標を2億5200万ドル(約310億6480万円)~2億5700万ドル(約316億8120万円)としており、2003年度は売上10億ドル(約1230億2730万円)を目指すという。

また、日本の事業展開について、代表取締役社長の加藤孝博氏は「日本ではMcAfee製品が前年度比45%、Sniffer製品が同25%の成長で、全体では同30%以上の成長となっており、世界的な経済不振の中、高成長を維持している。特にウイルス対策のASPモデルが伸張しており、前年比の数倍の規模で売上が伸びている。現在のユーザー数は20万だ。ASPモデルとゲートウェイ製品、分散型Snifferが成長の原動力となっている。2003年度は、ASPモデル事業を拡大しMcAfee.comを展開するほか、Snifferの拡大も図る。全体売上として100億円を突破できるようにしたい」としている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン