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半導体製造装置・材料の国際展示会“SEMICON Japan 2002”開幕

2002年12月04日 22時23分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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世界の主要な半導体/液晶ディスプレーの製造装置や材料メーカーが所属する国際工業会組織“SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)”が主催する国際展示会“SEMICON Japan 2002”が4日、国際展示場(幕張メッセ)で開幕した。テーマは“New Challenges!! 豊かな未来へのブレークスルー”で、会期は6日までの3日間。ホール1~11、およびイベントホールを使って盛大に行なわれており、並行して幕張のコンベンションホールや都内各地で関連するセミナーやシンポジウムも多数開かれている。出展社は海外81社、国内773社(販売代理店含む)を数える。

“SEMICON Japan 2002”
“SEMICON Japan 2002”

あいにく冷たい雨がそぼ降る初日となったが、会場にはひっきりになしに送迎のシャトルバス(海浜幕張駅など)が往復して、多くの入場者/参加者が詰め掛けた。会場はホール1~8とイベントホールを製造の前工程(各種材料、運搬機材、部品検査など)、9~11ホールを後工程(組立、テスター関連など)と、出展内容を作業工程ごとに分けている。

高精度XYθテーブル
(株)NTNの高精度XYθテーブル。XY軸だけでなく回転も調整して、マイクロスコープで覗いた“+”マークを中央に移動させるデモ。“+”のサイズは1mmほど

会場でまず気付くのが、国際色豊かな出展社/参加者の顔ぶれだ。最近の国内の展示会でも、韓国/台湾/中国/香港などアジア諸国からの出展は珍しくなくなっているが、ドイツやカナダ、米国からの出展も少なからずあり、ブースをめぐる参加者にもそうした世界各国から製造関係者が見受けられる。また、11月に行なわれた“マイクロマシン展”は研究段階の技術発表がメインとはいえ、nm単位の超微細・精密加工技術“NEMS(ナノ・エレクトロ・メカニカル・システムズ)”が目立っていたのに対し、SEMICONは製品展示が主体でμm単位のMEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズ)関連製品での安定性/省コスト/ハイパフォーマンスなどが積極的にうたわれていたのが印象的だった。

ハイスピードピッカー ピックアップ部
高速回転するパーツの中から、1つを選んで倒す(ピックアップ)する、フエスト(株)の“ハイスピードピッカー”のデモ。コンベアーを流れるパーツから、不良品のみを選別するなどの現場で使われるとのこと金属の管が光センサーで通過するパーツを識別、青の管から空気が出て1つだけを倒す。手前にあるブレードはパーツを立てるためのもの
大型ガラス運搬用マニピュレーター(株)安川電機の大型マニピュレーター。液晶ディスプレーの大型ガラス基板を運搬するというもの(デモでは樹脂性の割れないものを使っていた)。高さは3mを優に超えるが、機敏かつ正確にガラス基板を移動させ、台に設置させるときにはゆっくり優しく動いていた
プログラマブルコントローラー
こちらは松下電工(株)のプログラマブルコントローラーのデモで、奥の星型のマークを正確にトレースするマニピュレーターは本当は“おまけ”なのだが、そちらについ注目してしまう。手前にある小型コントローラー(と2軸制御ユニット×2のセット)は、それぞれタバコ箱程度の大きさで、従来の文庫本サイズから一回り小型化に成功したという
クリーンルーム用ウェア
チリや水滴が大敵のクリーンルーム用ウェアも、多くのメーカーが出展していた。写真は(株)エム・シー・シーのもの。アウターは繊維のチリが出ないのはもちろん、体からのほこりも汗も完全にシャットアウトするため、内部は蒸し暑くなる。そのため写真で一番手前(水色)のような吸水性の高いインナー(ただし防塵処理の素材)を用意している。アウター、インナーともにカーボン繊維を縦横に織り込んでおり、静電気の帯電を防ぐ(空気中に発散する)工夫がされている
組み立てコンテスト
(株)フジキンのブースでは、集積化ガスシステム(IGS)のメンテナンス性の高さをアピールするために“機器交換コンペ”を開催。期間中を通じて、すばやくそして正確に部品の再組み立てを行なった人にソニー“クリエ PEG-NX700”やシャープ“ザウルス SL-A300”、年末ジャンボ宝くじなどがもらえる。立ち寄った際に挑戦してみては?

なお、SEMIでは2003年4月9日~11日、東京ビッグサイトで電子ディスプレイの展示会“SEMI FPD Expo 2003”の開催を予定している。

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