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Officeはお好き

2002年11月23日 00時00分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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年末商戦に向けて、各社の新機種や目玉商品がパソコン雑誌やWebページに踊るようになります。プリンタの年賀状特需は、年末の風物詩となった感があります。みなさんは年賀状を作成するのにどのようなソフトウェアを使用しているでしょうか。イメージソフトを使用する気合の入った方もいるでしょう。年賀状専用ソフトというものもありますが、ワープロソフトやプレゼンテーションソフトといった、オフィススィート製品を使用する方が多いのではないでしょうか。会社では大してパソコンを使用していない方も、この時期ばかりは懸命にワープロソフトと格闘する場面も多いでしょう。自宅にあるパソコンはこの程度の利用ですから、セット販売で購入したソフトウェアも宝の持ち腐れではないでしょうか。

オフィススィートといえば、『Microsoft Office』が一般的なって久しいと思います。ここ数年は、マーケティングの妙でマイクロソフトがこの市場で大きなシェアを握るようになっています。それ以前は、ロータスやジャストシステムが、マイクロソフトと熾烈な争いを繰り広げていました。海外では、米Corelの『WordPerfect』が好敵手だったと思います。しかし、今や『Microsoft Office』が市場を席巻し、“悪の帝国”とささやかれている訳です。

初期のワープロソフトや表計算ソフトは機能が少なく、利用者が思い描いた内容を投影できない状態でした。各社のソフトウェアは、バージョンアップを重ねて、そのたびに機能アップを繰り返してきました。プレゼンテーションソフトが登場するあたりまでは、各社の製品はそれほど違いがなかったと思います。しかし、機能面やマーケティング面、さらに政治的に優れたマイクロソフトがこの市場の覇者になったわけです。

現在、オフィススィート製品は、新たな選択の可能性を提供しています。それは、オープンソースのオフィススィートの登場です。LinuxをOSに選択すれば、すべて無償でそろえることもできます。また、オープンソースのオフィススィートをベースにした、低価格なオフィススィート製品も登場しています。

新しい商品を薦めると必ず「機能や性能が欠けている」といわれます。確かに機能を比較することは大事です。そして比較すれば、相互に機能の差があるはずです。しかし、オープンソースを含めて大半のオフィススィートは、一般の方が使用する分には、十分満足する内容のはずです。それどころか、一般ユーザーのスキルでは、使い切れないぐらいの機能が搭載されています。

ここ数年、ハードウェアと同様にソフトウェアも利益の少ない商品となりました。ソフトウェアを販売しても、金額が大きくなるだけで利益には貢献しないのです。それなら、いっそのことオープンソースのオフィススィートを提案してはどうでしょうか。いわゆる“1円入札”にも対抗できます。

都合のいいことに、ついに日本政府も「電子政府」にオープンソースの採用を検討しはじめました。来年には、入札条件に「オープンソースまたは同等のソフトウエア」という条件が登場するかもしれません。

勿論、利用するからには、コミュニティーに貢献することもお忘れなく。

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