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【オーバークロック研究室】Pentium 4をガス冷でオーバークロック(その1)

2002年11月25日 05時33分更新

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●Socket478アタッチメントの作成とエバポレータの装着状況

Socket478システムを動作させる関係でエバポレータを固定するアタッチメントを自作してみた
エバポレータそのものは、断熱材やプレッシャースプリングと共にプラスチックハウジングで覆われており、リテンションクリップをマザーボード側へ押さえ込めば、その作用でプレッシャースプリングがエバポレータをCPUへ強く密着する仕組みになっている

 今回は、こちらのレポートで紹介されたバージョンのVapochill 7th generation(Socket370、SocketAに対応)をベースにPentium 4システムつまりSocket478マザーボードを組み込んでオーバークロックテストを実施する運びとなった。その際には、エバポレータとCPUを密着させるアタッチメントをSocket478対応に組み替える必要がある。これには「Asetek社から純正の追加キットが用意されている」との情報を編集部から得た。参考のために同社のWebサイトでそのキット内容を確認してみると、結露対策用のヒーターや断熱材の他に金属パイプのような金具を含めてサーマルコンパウンド等の小物を揃えたセットのようだ。その中で結露対策用のヒーターは別にして、アタッチメント金具なら、なんとか自作できそうに思えたので試しに制作してみることにした。要は、マザーボード側のリテンション機構に設けられているクリップ固定用の穴に金属製の丸棒を両端へ通してエバポレータのリテンションクリップと連結すれば巧く装着できそうだ。

そこで、用意する材料だが、直径6mm(鉄製)の丸棒と太さ4mmで長さ40mmのスクリューをホームセンターで調達してきた。加工は、丸棒を90mmの長さに2本切り出して、端から45mmの位置に4mmのタップ穴を立てただけの簡単なものである。ただ、この作業を安全・確実に完了させるとなると、ボール盤やバイスなどの設備が必要になるのでユーザーの条件次第では、純正キットを購入する方が無難かも知れない。なお、エバポレータをCPUへ密着させる作業に至っては、次の順で試してみた。

まず、エバポレータに組み付けられた元の金具を取り外して、リテンションクリップのみ残す。そしてCPUへエバポレータを押しつけながら、先の加工した丸棒に対してリテンションクリップの両サイドから4×40mmのスクリューでねじ込んで係留する。ここで注意する点として両方のスクリューを徐々に締め込むようにする。決して片側だけを一気に締め込まないことだ。また、CPUに対してエバポレータが正しく密着しているかどうか、角度などを確かめながらスクリューの締め込み具合を決定する。これには、エバポレータを何度か装着してみて、エバポレータの傾きや密着度をスクリューの締め込み加減で調節できるコツを体得する必要性があるだろう。なぜなら、エバポレータは、コンプレッサーからジャバラ状の管で接続されていて、ある程度の曲げに対する融通はきくものの、元に戻ろうとする応力は少なからず分布している。したがってエバポレータをCPUに対して直角に正しく密着させるために、配管を強引に湾曲させる関係からその応力に応じた微妙な力配分が必要なのである。他の注意点としては、マザーボード上のリテンション機構が頑丈に取り付けられている事を確認した方が良さそうだ。もし、運用中に外れたりするとCPUは致命的な打撃を被るだろう。



CPU温度を実測可能にした環境から試験的に冷却装置をスタートさせてエバポレータの密着度を調べてみた。エバポレータ温度はマイナス16℃まで降下し、CPU温度はマイナス11.7℃となった。可能ならもう少し温度差を縮めたいところだ

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