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【オーバークロック研究室】Pentium 4をガス冷でオーバークロック(その1)

2002年11月25日 05時33分更新

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●“Chillcontrol”の仕様

Vapochill 7th generationに装備されている“Chillcontrol”。本体正面にエバポレータの温度をデジタルで表示する。また、その温度を元にパソコンの電源を操作する機能も備えている

 Vapochill 7th generationには、冷却装置の他に“Chillcontrol”と呼ばれる制御装置が標準で装備されている。一瞬、その働きを誤解した筆者であるが、このChillcontrolは、コンプレッサーなどの冷却装置を直接制御する目的で機能しているわけではなさそうだ(それは、別のユニットがコンプレッサーに装備されている)。調べてみると、どうやら次のようになっている。このChillcontrolで一番目立っているデジタル温度計はケース正面から、冷却装置のエバポレータ温度をいつでも読みとれる仕様になっていて、その温度を拠り所にパソコン(マザーボード)のON/OFFを制御するとのことである。具体的に説明すると、次のような条件で動作するスイッチが2回路セットされている。

(1)エバポレータ温度が設定された温度以下であれば常にスイッチをONにする回路
(2)エバポレータ温度が設定された温度以上であれば常にスイッチをONにする回路



“Chillcontrol”のターミナル部。パソコンを制御するスイッチを2回路備えている。その他は、電源入力と温度センサーの接続端子が並んでいる

この2回路のうち、Vapochillは(2)の回路を使ってパソコンシステムを制御している。つまり、(2)のスイッチ回路をマザーボードのRESET端子に接続して設定温度に到達するまで導通を保持するわけだ。そうすれば、CPU(エバポレータ)が設定温度に下がるまで起動しないということになる。ただし、これは、見かけ上であってマザーボードにはPOWER-SWを押した時点で通電されている点に注意しなければならないだろう。例えば、その状況下でメモリやカードの抜き差しは禁物である。なお、スイッチがターンする設定温度は自在に選択可能なので心配はない((1)と(2)は個別にセット可能)。ただ、その設定温度がパソコンシステムの起動開始温度であると同時に緊急停止温度でもあることを考慮して数値を決定することになりそうだ。ちなみに、(1)の回路を追加利用するなら、もう一歩進んだシーケンスが実行できるだろう(ただし、実践するためにはパソコンシステムと冷却装置のそれぞれに専用の電源ユニットが必要)。つまり、冷却装置に専用の電源を接続することで単独動作が実現しパソコンシステムと無縁のCPU冷却が可能になる。そして(1)の回路にパソコンシステム用の電源スイッチ回路を接続すれば、エバポレータ温度が設定温度に到達するまでパソコンシステムを通電しない状態で待機させることが可能になる(到達すれば、パソコンシステムの電源がONになる)。(2)の回路は、前述の通り、RESET-SWへ接続して設定温度以上にエバポレータ温度が上昇した場合に緊急停止を実行するようにセットする。すなわち、パソコンシステムの起動開始温度と緊急停止温度に差を与えることが可能になり、例えばマイナス15℃でパソコンシステムを起動させ、プラス5℃までリセットしないという条件も作り出せるのだ。



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