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9割弱が電子申告・納税/申請システムの利用を不安視――ガートナー調べ

2002年09月27日 16時35分更新

文● 編集部

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ガートナー ジャパン(株)は27日、電子自治体の住民情報系システムに対する住民意識の調査結果を発表した。同調査によると、重要と考えられている住民情報系システムは、電子情報公開システム(重要と回答した比率:88%)、電子申請システム(同81.9%)、電子予約・抽選システム(同78.3%)。しかし、個人情報が処理されるため、その利用については不安がつきまとい、電子申請システムや電子申告・納税システムに不安を抱く比率が87.7%と高い結果になったという。

電子情報公開システムが重要と考えている比率は87.9%、うち56.4%はその利用に対してセキュリティー上、不安であると回答した。重要と回答した中で、不安と考えている人の比率が相対的に低かったのは、電子予約・抽選システムや問い合わせ対応職員支援システム。一方、不安と考えている人の比率が相対的に高かったのは、電子申告・納税システムや電子申請システムとなった。

証明書発行、パスポート、転出・転入、税務申告など個人情報に密接に関連した申請・届出について、利用したいとする比率が前年対比で軒並み低下しているという。住民基本台帳ネットワークの稼働に際して、個人情報保護に対する住民の関心が高まったことが、この背景にあると考えられる。

同社の中野長昌氏は「電子自治体による利便性の向上への期待は強いが、個人情報の漏洩に対する意識も高まっている。自治体はそうした不安に対し、何ら回答をしていないと考えられる。電子自治体に関する自治体からの事前説明について、5割の人がまったく、3割があまり無いと感じている。セキュリティー上の不安要因を軽減する措置を講じない限り、さまざまな電子システムを導入しても、実際に利用される可能性は低いと推測される」と語った。

同調査は、同社が独自に構成する先行指標分析のための固定パネル(約1300人)を対象に、住基ネットが稼働する直前の7月26日から8月5日にかけて行なわれた。

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