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ソフトウエアにリサイクルはあるのか

2002年09月26日 16時53分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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テレビのちょっとした経済番組では、この景気低迷時代に大いに期待され、実際に元気な商品がしきりに取り上げられています。大半の業種が厳しい経済環境で喘いでいる中で、不況などどこ吹く風とばかりに注目されているもの。それは、環境問題関連の製品や企業です。環境破壊が進む中で、企業の環境問題への取り組みが求められています。自動車の環境規制のように法的な強制力をともなう場合もありますが、最近特に厳しいのが、「消費者の目」ですね。

考えてみると、コンピュータ産業は、環境問題と無縁の業界でした。日進月歩のコンピュータ製品は、使い捨てそのものといえます。そのうえ、多種多様な材料から生成されるので、産業廃棄物としても厄介です。しかし、ここ数年で、パソコンのリサイクルも実現しています。その点では、徐々に環境問題への取り組みが進んでいます。

実体が存在するハードウエアは、リサイクルの対象として考えやすいでしょう。それでは、ソフトウエアは、リサイクルの対象にはならないのでしょうか。ハードウエアとは異なり、劣化しないソフトウエアこそリサイクルが必要ではないでしょうか。

リサイクルを再利用と考えると、「ソフトの部品化」が頭に浮かびます。パッケージのカスタマイズもリサイクルの範疇に入るでしょう。しかし、もっと根本的な解決策があります。それは、オープンソースの活用です。

そもそも、リサイクルを行なうには、その対象が何であるか、どのような材料から作られているか知らなくてはなりません。その点では、ブラックボックス化されたソフトウエアは、リサイクルには向きません。ソースレベルで公開されているオープンソースは、まさにリサイクルに最適な仕組みです。また、オープンソースを利用することは、ソフトウエアの開発そのものに費やされる資源の節約になります。人的パワー、エネルギー、大量のペーパー、時間など、ソフトウエアの開発によって多大な資源が浪費されます。1つのオープンソースが、いくつもの浪費を抑えることができるかもしれません。

環境問題が重要視される中で、資金があるからといって資源の無駄使いが許されるわけがありません。企業や政府の環境問題への取り組みが問われているのです。そのような時代のニーズをオープンソースが担ってゆくことでしょう。ソフトウエア業界も環境問題への取り組みに備える時期がきているようです。

テンアートニは、企業におけるオープンソース活用を推進する組織「OSCARアライアンス」を支援しています。

OSCARアライアンス ロゴ

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