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【オーバークロック研究室】水冷キットを使って最新CPU“Pentium 4-2.8GHz”をオーバークロック動作させてみる

2002年09月21日 00時00分更新

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●Pentium4マシンに市販の水冷キットを組み付ける

水冷キットを組み付けたテストマシン
市販の水冷キットを組み付けたテストマシン。当然、プロセッサは、Pentium4-2.80GHzだ

 過去にこの手の水冷装置は、いくつか発売されている。しかし、過去の製品と比較すると水冷キットとしての充実度はそこそこ高く、取り扱い説明書に記載されたオリジナル用途の範囲で使用する限り(ユーザーが余計な事を企てない限り)必要と思われるパーツはほぼ揃っている。今回のテストマシンは、標準的なミドルタワーで構築したが、個々の冷却パーツを設置するスペースさえ確保できれば、ケース内部に水冷キットが全て収まってしまう仕様になっているようだ。



ラジエーターを5インチベイに据え付けた
CD-ROMドライブを追い出して水冷パソコンの象徴であるラジエーターを5インチベイに据え付けた

 水冷キットの組み付け作業は、まず最初に冷却水を循環させるポンプを貯水タンク内部に組み込んで密封し、電源プラグを取り付けてコンポーネント化する作業から開始した。次にラジエーター部を組み立てる。ここで重要な要素は、取り付けるファンの性能が直接冷却性能を左右することだ。CPUの発熱量によっては、強力なファンを必要とするのかも知れない。ただ、「騒音」とのかけひきもあってやたら暴風ファンが好ましいわけでもない。今回は、とりあえずキットに付属のファンを固定してみた。また、ケースの5インチベイを利用してラジエーターを仮固定しておき、ファンはケース内部から外部へ吹き付ける方向にセットした。この辺りの理由は、どちらかというと外観重視で、あまりにも冷却性能が低下するようなら、セッティングを変更するつもりである(ただ、5インチペイ3段抜きでないとラジエーター面積が確保できない)。ちなみに説明書では、ケース背面の排気ファン取り付けスペースにラジエーターを設置するよう記載されている。



P4-478ソケットアダプター
バラツキの問題なのか筆者の環境では、P4-478ソケットアダプターを加工しないと正しくセットできなかった。具体的には、リテールクーラーのクリップとアダプタの接点を多少削った。そこまでしないにしても、クリップが重い場合は慎重に固定したほうがいいだろう

 次に、最も簡単だと思えた水冷ヘッド(説明書は水冷ジャケット)の固定でつまずいた。キットには、SocketAやSocket370用の固定金具が付属するが、今回はSocket478なのでキットに付属のP4-478ソケットアダプターとPentium 4リテールBOX同梱のCPUクーラーに備わっているリテンションクリップを併用しなければならない(これは、Pentium4 2.80GHzをキャッチしたときにリテールCPUクーラーも一緒に確保したので問題はない)。そして、水冷ヘッドは、P4-478ソケットアダプターを介してリテンションクリップでCPUに押さえつける仕組みである。ところが、その水冷ヘッドを押さえつけるためにリテンションクリップのレバーをセットしようとしても、レバーが重くてセットできなかった。念のために水冷ヘッドとリテールCPUクーラーを入れ替えてリテンションクリップをセットしてみると少し重いが何とかセット可能である。
 この原因について「水冷ヘッド+P4-478ソケットアダプターの厚みとリテールCPUクーラーの厚みが異なっている」と考えるのが自然だ。「もしかすると」と思って他のリテールCPUクーラー(Celeron 1.8GHz用)のリテンションクリップを用意した。そしてもう一度、水冷ヘッドとP4-478ソケットアダプターをCPUに組み付けて、そのリテンションクリップでセットしてみると、今度は、無難にセット可能だった。このことから、リテンションクリップにバラツキがあると思われる。再確認の意味でPentium 4-2.80GHzに付属していたリテンションクリップで再びセットしようとすると、やはりレバーが重い現象に変化はな無かった。これは、たまたま筆者のところだけで発生したのかも知れないが、無理にセットしようとしてリテンションクリップが破壊すると困るわけで「バラツキ」は勘弁して欲しいと思った(仕様変更なら仕方がないが)。

 こうして水冷ヘッドをなんとかCPUに固定できた。あとは、各部をシリコン製のチューブで配管するとひとまず完成だ。このとき、ニップル(チューブを差し込むツノ)にチューブを固定する際、無理をしてニップルを折ったり、潰したりしないように注意する。コツは、チューブの内側を少し湿らせて少しづつ慎重に押し込んでみるといいだろう



水冷装置に冷却水を注水
いよいよ水冷装置に冷却水を注水する。水道水なら、空いたペットボトルを利用すると良い

 最後に貯水タンクの注水口から冷却水として蒸留水あるいは、水道水を注水する。水量は約800ccほどだが、何度かポンプを作動させて冷却水を先送りしながら補給するとよい。なお、水冷ヘッドとラジエーター内に可能な限りエアを介在させない事が重要であるが、貯水タンク内のエアだまりは、少しなら気にしないことにした。ここで水冷マシンにまつわる動作上の注意事項として、マシンを起動させると同時あるいは、その前に電動ポンプの電源を必ず投入することが最も重要だ。もしも、うっかり忘れたりするとCPUの命取りになりかねないポイントなので必ず、動作しているか目視点検すると良いだろう。



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