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Google、キーワードターゲット/クリック課金広告サービス“アドワーズ広告”をスタート

2002年09月18日 19時37分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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グーグル(株)は18日、キーワードターゲット/クリック課金広告サービス“アドワーズ広告”の本格開始を発表した。

アドワーズ広告は、テキストベースの広告サービスで、ユーザーが検索したキーワードに合わせて広告を掲載するもの。ユーザーがキーワード検索を行なうと、通常の検索結果表示ページの右側に、キーワードに関連する広告が表示される仕組み。検索結果表示ページ1ページ当たり最大8枠まで掲載可能。9枠目からの広告は検索結果の次ページに表示される。同一検索結果ページへの広告掲載は1社1枠まで。

アドワーズ広告
グーグルのキーワードターゲット/クリック課金広告サービス“アドワーズ広告”。キーワード検索結果ページの右側に、キーワードに応じた広告が掲載される
コーデスタニ氏
米グーグル社ワールドワイドセールス&フィールドオペレーション担当上級副社長のOmid Kordestani(オミッド・コーデスタニ)氏。「広告戦略においては、ユーザーのことをいちばんに考えており、ユーザーに関係のある広告だけを見せるというのが企業理念」

また、ユーザーが広告をクリックした回数で課金するクリック課金制度を採用している。クリック単価をユーザー自身が設定する入札方式となっており、広告掲載後は、ユーザーの広告クリック率(CTR)×入札金額でスコアの高い順に掲載順位が変動する。

例えば、“X”というキーワードにA社とB社が広告を出す場合、グーグルが設定したXの最低クリック単価を80円、A社の価格設定上限を200円、B社の価格設定上限を150円、CTRが両社とも2%とすると、A社:200円×2%=4、B社:150円×2%=3となり、広告掲載順位はA社が1位、B社が2位となり、A社の広告の下にB社の広告が掲載されることになる。A社の広告費用は、B社の設定価格よりも1円高い金額(この場合151円)が適応される。なお、B社の下に他の企業がない場合、B社の広告費用はXの最低クリック単価80円が適応される。

また、上記のケースでクリック率がA社:2%、B社:3%とすると、A社:200円×2%=4、B社:150円×3%=4.5となり、B社が1位、広告費用はA社のスコア(4)÷B社のCTR(3%)+1円=134円が適応される。なお、これらの課金とは別に初期費用500円が必要。

広告の作成方法は、ユーザーがオンライン上で入力/変更できるセルフオペレーション方式となっている。広告クライアントは、アドワーズ広告専用サイトにログインすることで広告作成が可能。はじめにターゲットとする言語と国を選択し、サンプルを参考にしながら広告原稿を作成、表示URLやリンク先URLを設定する。

次にキーワードを設定するのだが、同社はユーザーの検索結果と広告の関連性を高めるため、1つのキーワードだけでなく、広告のターゲットが絞られるようなキーワード、フレーズも設定することを推奨している。例えば、スニーカー通販ショップのキャンペーン広告を作成する場合、“スニーカー”というキーワードだけでは“角川スニーカー文庫”等も検索されてしまうため、“スニーカー 通販”“スニーカーショップ”といったキーワード設定を行なうとよいという。

キーワードアドバイス
広告作成時に利用できる“キーワードアドバイス”機能。設定したキーワードから、どの検索結果に広告が掲載されるかを一覧表示し、さらに的を絞ったキーワード設定を促す

続いてクリック単価の上限を設定する。すると見積が算出され、クリック数や1日当たりの費用等の予測が表示される。その後1日当たりの予算上限を設定し、申込画面で電子メールや支払方法等の各種情報を入力すると、グーグルから電子メールが届き、広告掲載が開始される。広告掲載後はレポート画面で広告のクリック数や表示回数、CTR、支払金額、平均掲載順位などを確認できる。

クライアント側が自由に広告を作成できることが特徴だが、広告内容についてはグーグルが独自の編集ガイドラインに沿ってチェックを行ない、ガイドラインに外れるものは掲載せず改善を促すとう。また、専用ツールを利用してユーザー側のクリックをチェックし、ユーザーが故意に何度も同じ広告をクリックしたりすると、それらのクリックを無効とし、クリックス数に反映させないようにしている。

同社は、今回の本格稼動に入る前の7月より一部クライアント向けにサービスを提供しており、現時点で数百社のクライアントがいるという。クライアントの大部分が中小企業で、広告費用は、ほとんどが同社の既存広告サービス“プレミアム・スポンサーシップ広告”(月額15万円)の半分以下という。

グーグルのセールス&オペレーションディレクターである佐藤康夫氏は、「グーグルの広告事業の考えかたはユーザー第一。ユーザーの検索行動にマッチしない広告は排除する。GIF画像も検索行動の邪魔になるので広告はすべてテキストのみ。また、広告をクリックしてジャンプした先からバックボタンで検索結果画面に戻れること、ポップアップがないことも条件。キーワードにマッチした広告しか表示されないので、広告が少なく感じられるが、そのためユーザーが広告を見たときの出会い頭感を演出でき、キーワードとの関連性も高いので広告効果が高い」としている。

佐藤氏
グーグル(株)セールス&オペレーションディレクターの佐藤康夫氏

なお、アドワーズ広告は、“グーグル・スポンサード・リンク・プログラム”を通じてさまざまなポータルサイトに提供される。日本では、日本電気(株)の“BIGLOBE”、エキサイト(株)の“excite”に提供を開始している。

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