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デジタルカメラ撮影の基本の“キ” フラッシュの活用

デジタルカメラ撮影の基本の“キ” フラッシュの活用

2002年08月03日 00時06分更新

文● 周防 克弥

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デジタルカメラ撮影の基本の“キ” フラッシュの活用

前回はホワイトバランスによる色味の効果を紹介したが、デジタルカメラの基本機能をとことん使いこなそうということで、今回は内蔵フラッシュ(ストロボ)の有効活用を紹介しよう。前々回のマクロ機能と同様に、最近の機種ではほとんどのデジタルカメラが搭載している機能だ。

フラッシュによる光と定常光のバランスも大事

 デジタルカメラでは初期の頃からフラッシュを内蔵している機種は多かったが、付いていて発光するだけで、露出さえもまともに合わない機種もあった。しかし、最近のデジタルカメラに内蔵しているフラッシュは自動的に光量の調整をしてくれる機種がほとんどで多彩な機能を持っている。

写真1 シャッター速度を速くしてフラッシュを発光させて撮影(背景が暗く、被写体だけが明るく写る)。写真2 シャッターを遅くした状態では背景もそこそこに写り、被写体も同じような明るさで写る。
作例1 シャッター速度でフラッシュ撮影はどう変わるか。 シャッター速度は速いと、太陽や蛍光灯などの定常光による露出量は減り、被写体のみ照らされる。シャッター速度を遅くすると、フラッシュの照射範囲外にある背景もそれなりに写すことができる。

 暗い場所で自然に発光するオート発光機能をはじめ、昼間でも逆光で被写体が暗くなるときには自動的に発光したり、暗い場所でも背景やその場の雰囲気を出すためにシャッタースピードを遅くするスローシンクロ。そのスローシンクロ撮影時に、シャッターが開いてすぐに発光させるのか、閉じる直前に発光させるかが選べたりと、フラッシュ1つとってもさまざまな発光のさせ方がある。他には赤目軽減機能が付き、発光するちょっと前からプリ発光を行う機能を持っているものも多い。
 本連載を読む“こだわりのカメラマン”だったら、内蔵フラッシュを発光させるにもカメラ任せではなく、ある程度自分でも調整したい。しかし、発光量そのものは自分で決めるには難しい。デジタルカメラの中にはフラッシュの発光量を2段階や3段階に調整できる機種がある(富士フイルムのFinePixシリーズやソニーのCyber-shotシリーズなど)。そういった機種ならば弱くしたり、強くすることが可能だ。しかし、すべてのカメラがそのような機能を持っているわけではない。また、被写体がどれくらい照らされるか(つまり露出)を知ろうと思っても、専用の露出計を使わなければフラッシュの瞬間光は測定できない。そこで、露出に直接関係する発光量はある程度カメラにまかせて、フラッシュ以外の部分を自分で設定してみよう。

構え方に注意しよう

写真3 影が横方向に出ている写真。少々不自然だ。写真4 影が上に出ている状態(縦位置で発光部を下側にした状態)。
作例2 フラッシュ位置による影の出方 発光部がレンズの真上でなく、左右のどちらかにオフセットされていると影が横に伸びてしまう。顔の向いている方向と逆ならまだ多少はマシだが、向いている方向に影がでると、かなり邪魔になってしまう。さらに、レンズよりも下から光を当てると影が頭の上にでてしまい、非常に不自然な感じになる。レンズの真上にフラッシュがあって顔の下方向に影が落ちるのは、顎など影のエッジがきついが一番自然な感じだ。

 デジタルカメラが手元にあるならば、フラッシュの発光部が付いている位置を確認してほしい。カメラを正面から見て発光部はレンズに対してどのような位置に付いているだろうか? 一番都合が良いのはレンズの真上だ。

 発光部が真上にあれば、フラッシュ光による影が下に出るわけで、あまり目立たない。発光部とレンズが横にずれているデジタルカメラも見かけるが、このような配置だと被写体の横に影が落ちてしまい、人物を撮るときにはとても邪魔な存在になってしまう。もちろん、影の出方はレンズとフラッシュの間が広ければ顕著となるほか、近い被写体だとより目立つ(後ろに壁などが近いと、影のエッジ部分なども目に付く)。
 カメラを縦位置に構えるときには特に注意が必要だ。右手が下か上かを考える(第1回)前に、フラッシュの付いている位置が必ず上になるように構えよう。

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