このページの本文へ

ATI、DirectX 9&AGP 8x対応の新ビデオチップ『RADEON 9700』のプレス向け説明会を開催

2002年08月01日 23時42分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

カナダのATI テクノロジーズ社とATIテクノロジーズジャパン(株)は、7月18日に発表したDirectX 9とAGP 8xに対応した同社ビデオチップのハイエンドモデル『RADEON 9700』と、普及タイプの『RADEON 9000』『同 PRO』に関するプレス向け説明会“ATI Media Day”を開催した。

K・Y・ホー氏
壇上に立つATI テクノロジーズのCEO、K・Y・ホー氏(右)と、ATIテクノロジーズジャパンの代表取締役社長 黛登氏(左)

RADEON 9700は、RADEON 8500の後継となるハイエンド2D/3Dグラフィックスアクセラレーターチップで、0.15μmプロセスルールで設計され、1億1000万トランジスターを搭載。内部アーキテクチャーも強化されており、パイプラインが6本から8本に増え、256bitメモリーバスアーキテクチャー、1ピクセルを128bitの浮動小数点データとして扱い、水やガラスの透明感や周辺光源の反射、映り込みをリアルに再現可能になったという。同社ではこのように画像表現能力が強化されたことから、従来の“GPU(Graphics Processing Unit)”ではなく“VPU(Visual Processing Unit”と呼称している。コアクロックとメモリークロックは現在作り込みの過程で確定していないが、コアクロックは300MHz以上になる。出荷開始は今後3週間以内で、北米での実売価格は399ドル(約4万8000円)程度になる見込み。

FULLSTREAM技術
FULLSTREAM技術のデモ。肩や背景のブロックノイズが軽減されていることが分かる

RADEON 9000は、RADEON 8500のアーキテクチャーを継承しつつ低価格化を図ったもの(RADEON 9000 PROは高クロック版)。DirectX 8.1、AGP 4xに対応し、従来から内蔵するPixel Shaderを低ビットレートの動画再生時に発生するブロックノイズの低減に利用する“FULLSTREAM”技術を搭載した(これはRADEON 9700でも採用済み)。会場では低ビットレート(具体的な数値は不明)のMPEG-4データを再生し、FULLSTREAM機能のオン/オフでの効果の違いを左右に並べて分かりやすく効果を見せていた。RADEON 9000のコアクロック/メモリークロックは250MHz/400MHz(DDR SDRAM)、RADEON 9000 PROでは同じく275MHz/550MHz(DDR SDRAM)となる。また、RADEON 9000/9000 PRO搭載ボードの予想店頭価格が1万円台前半になることから、ライバルとしてGeForce4 MX 440を引き合いに出し、各種ベンチマークテストの結果を並べてRADEON 9000/9000 PROのコストパフォーマンスの高さをアピールしていた。

RADEON 9700
RADEON 9700の開発は、任天堂『GAMECUBE』のグラフィックエンジン(CPUに内蔵されている)“Fripper”のチームが担当した

また、先日(7月26日)まで米国で開催されていたCG技術に関する国際カンファレンス“SIGGRAPH 2002”で参考出展されたOpenGLアクセラレーター『FireGL X1』と、RADEON 9700の廉価版『RADEON 9500』、TVチューナーを搭載しMPEGキャプチャーも可能な『ALL IN WONDERシリーズ』についても発言があった。FireGL X1は近日出荷開始予定(価格等の詳細は未定)で、RADEON 9500は秋頃に発売を予定、ALL IN WONDERシリーズは「従来もハイエンド製品として投入してきたので、今回もそのよう(RADEON 9700)になるだろう」とのこと。

リアルタイムレンダリング リアルタイムレンダリング(ワイヤーフレーム)
RADEON 9700でリアルタイムレンダリングしたデモ(右はワイヤーフレーム表示)。ガラス球による光の屈折や反射、周辺の写り込みなどがリアルに再現されている
マルチテクスチャ ファーレンダリング
SIGGRAPH 2002で評価が高かったという、マルチテクスチャーのデモ(左)とファーレンダリングのパラメーターを変化させて長い毛や短い毛などを描画したデモ(右)。いずれも高速処理が可能なピクセルシェーダーのなせる技だ
ANIMUSIC ANIMUSIC(ワイヤーフレーム)
デスクトップマーケティングディレクター Jewelle Schiedel-Webb氏が特にお気に入りと紹介した、『ANIMUSIC』のデモ。打ち出されたボールが、弦や膜をはじくときに楽器の音が出るというもの。複数のボールが動くターゲットに当たり、跳ね返り、また別の音を鳴らす
EXCALIBUR RADEON 9000 Pro AF64DG-H
会場の入り口にはRADEON 9000/9000 PRO搭載カードが多数展示されていた。Hightech Information System『EXCALIBUR RADEON 9000 Pro』Gigabyteの『AF64DG-H』は赤いPCBとファンレスが特徴。こちらも国内販売はアスクが行なう
CYCLOTRON IX CYCLOTRON IX Pro
Super Grace Electronics『CYCLOTRON IX』。RADEON 9000搭載カードは、コアクロックが250MHzと比較的低いので、ヒートシンク&ファンも小ぶりなものが多い同じく『CYCLOTRON IX Pro』。PCBの黄緑が反射して少々見にくいがヒートシンクは大型化されている
AT009 Guillemot
First International Computer『AT009』。アナログRGBとDVIの2系統出力を持つカードも数多く出展された。国内販売元はアスク丸いファンとメタリックブルーのヒートシンクが特徴的な、Guillemot(ギルモ)のRADEON 9000カード
RADEON 9700
会場に展示されていた唯一のRADEON 9700搭載カードはCP Technology製。ヒートシンクがほかよりも一回り大きい

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン