「これ出たら、ウチの製品太刀打ちできませんよ」。――数千円から1万円という価格帯のスピーカを複数投入しているある代理店の営業マンが漏らすほど、そのコストパフォーマンスの高さで発売前から代理店やショップの入荷担当者間で高い注目を集めていたオウルテック製のアンプ内蔵2chスピーカ「MANIC WAVE」(HHSS-MW)が発売となった。価格はコムサテライト3号店で5980円。
スピーカとしての特性を見てみると、ベースは中音域と高音の2Wayスピーカ。そこにウーファを埋め込み、中音域をベースにトゥイータとウーファそれぞれ独立して無段階の音量調整ができるようになっているのは、5000円台のスピーカとして見るとかなり充実した高機能振りだ。ユーザー側で好きな音を作れるというのはかなり魅力的と言えるだろう。オマケとして考えた方がいいが、リバーブを強化して3D風の音場を作る機能も用意している。
アンプを内蔵する側のスピーカに用意する各種調整つまみ。アイコンはやや分かりづらいが、写真左から音量、トゥイータ音量、ウーファ音量、3D風音場機能、主電源 |
インターフェイスは入力がステレオのミニジャックとピンジャック。黒いキャビネットは110(W)×175(D)×255(H)mmと、このクラスにしてはかなり大きめ。プラスチック板と比べると剛性に勝るMDF板をキャビネット素材として採用しているのもユニークで、かつ値段以上の高級感を感じさせる。
問題の(?!)アクリルパネル。パネルを外した状態でも“見られる”のは大きな救いだ |
気になるのはフロントを装飾するアクリルパネルで、これを付けている場合と外した場合では、明らかに音のシャープさが異なる。おそらく、デザイン重視で作られたアクリルパネルに音が跳ね返り、ボかしてしまっているのだろう。この点は残念で、価格以上の音を楽しみたいのであれば、アクリルパネルを外して利用した方が良さそうだ。
ややミソは付いてしまったものの、価格を考えると申し分のない音が出ていると言える。大きめのスピーカだけに解像度も期待でき、数千円というクラスでも音質を追求したいというたいへんワガママな人にはもってこいかもしれない。
【取材協力】