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ジャパンバリューのHDD静音冷却“弁当箱”に黒いハイエンドモデルがデビュー

2002年07月09日 20時40分更新

文● 小磯

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PH-35BH Pro
「PH-35BH Pro」。黒いだけでなく、天板と底板がヒートシンク状になった

 グロウアップ・ジャパンの「SMART DRIVE」と並んで3.5インチ静音化ボックスの定番となっているジャパンバリュー製“HDD弁当箱”「PH-35B Pro」。防震による静音化と併せて冷却、さらには電磁波防止にまでも効果があるとして人気を集める同製品に、一段上の性能向上を狙った新製品が姿を現した。

 「PH-35BH Pro」と名付けられた製品は、従来製品でも850gあった重量をさらに880gへと増量。これにあわせて、本体のアルミ厚は4mmから5mmになったほか、4mmのアルミ板と2mmの銅板からなっていた側板は17mm厚のアルミ“柱”へと姿を変え、30gという差以上に、アルマイト加工された黒い筐体は重量感を感じさせている。



パッケージ
今回パッケージも本体にあわせて黒くなった
内部
内部。視覚的に確認できる天板裏面だけでなく、カーボングラファイトはHDDを覆うように用いられている

 内部機構にも手が加えられており、PH-35B Proで用意されていた電磁波吸収タイプの熱伝導ゲルシートは今回、HDDと接触する部分のほぼすべてに採用。「PH-35B Proでは、3.5インチHDDの短い方の側面と接触する部分にゲルシートが貼られておらず、ある一定の周波数の音が外部に漏れていた」というジャパンバリューによると、今回、そこへ他の部分よりも厚い2mm厚のゲルシートを貼ったことでこの問題を回避したとのこと。また、PH-35BH Proではゲルシートよりも低い帯域の電磁波を吸収するカーボングラファイトでもHDDを包み込んでいるのだが、これにより、従来ではGHz帯以上しか吸収できなかった電磁波を800MHz帯程度から吸収できるようになり、HDDがPCシステムに与える悪影響をさらに軽減したとしている。



カーボングラファイトと肉厚ゲルシート 天板 底板
側面にも用意されるカーボングラファイトと、HDDの短い側面が接触する部分に用意される2mm厚のゲルシート。カーボングラファイトは通電性のため、直接HDDと接触する部分とそうでない部分がある
ステイ部

 5インチベイへ取り付けるためのステイ部には、振動吸収能力が増したとする「PB-G3B」、一般的な製品と違い、電磁波を乱反射させてしまわないという真鍮製のネジ「BlueScrew」を惜しげもなく採用。この結果、価格はOVERTOPで9524円、高速電脳で9800円と、従来製品と比べて4000円程度高額になった。9000円台と言えば、一部ベンダの回転数7200rpm/80GB HDDが購入できるほどの金額で、とても万人にオススメできるものではない。だが、PH-35B Proの実績を考えると、ハイエンド市場での需要は見込めるかもしれない。サーバやビデオ編集用PCなどで、高速回転HDDの静音化と冷却を考えているのであれば、購入してみる価値はありそうだ。もちろん、とにかくPCを静音化したいというワガママな人にとっても気になる存在と言えるだろう。



同梱品
同梱品。真鍮製のネジのほか、HDD上の各種チップ排熱のためのアルミ板は今回も用意されている
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