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IBM、電子帳票ソフト『WPM Web for Windows V1.3』を発表

2002年07月02日 23時20分更新

文● 編集部 田口敏之

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日本アイ・ビー・エム(株)は1日、企業の帳簿や伝票を電子化して保存する電子帳票ソフト『WPM(Workstation Print Manager) Web for Windows V1.3』発表した。価格は、最小構成(10ユーザー)で120万円。31日に出荷を開始する。

プリンティング・システム事業部長の西出雅一氏
プリンティング・システム事業部長の西出雅一氏

発表会で、同社プリンティング・システム事業部長の西出雅一氏は「弊社は25年間、大型のプリンター事業を展開し高い評価を得ている。それを支えているのが“AFP(Advanced Fanction Presentation)”という技術。これは帳票に、イメージやグラフィックス、フォームやオーバーレイ、バーコードや多種類のフォントなどといった、複数の表現を同時に印刷できるというもの。これを用いて何ができるかというと、高速連続用紙プリンターや、中低速のカット用紙を用いるプリンターに出力するのと同じプロセスで、WPMサーバーに出力して電子帳票化を行なえる」と述べ、「WPNは、電子化した帳票をイントラネットやインターネットを通じてウェブブラウザーから閲覧し、データを利用できる。今回発表するバージョンより、AFPドキュメントだけでなく、Windowsアプリケーションのドキュメントにも対応する。今後、HTMLやXMLにも対応していくだろう」と語った。

AFPの概要
AFPの概要

WPNは、日本IBMの大和研究所が開発した、Javaベースの電子帳票システム。企業のシステムから出力した帳簿や伝票などを電子化して保存できる。1998年に施行された“電子帳簿保存法”に準拠した電子帳票の作成を行なえるほか、ISO9001/ISO14001にも対応している。

帳票の電子化による作業効率の向上とコストの削減
帳票の電子化による作業効率の向上とコストの削減

同製品はウェブに対応し、インターネットやイントラネットを通じてWPNサーバーにアクセスし、ウェブブラウザーを介して帳票を閲覧できる。帳票内のデータを検索したり、Excelにデータを取り込んだり、必要なページのみ出力するといった利用が可能。またアクセス権限の設定により、機密情報を含む帳票の管理や、帳票の回覧・捺印によるワークフロー業務にも利用できる。帳票データと閲覧プログラムをCD-Rメディアに書き込んで配布することも可能。

Excelデータの電子帳票化
Excelデータの電子帳票化

今回発表したバージョンより、ExcelやWordなどのWindowsアプリケーションのドキュメントや、IBMの統合ビジネスサーバー『eServe iSeries』の帳票の電子化も行なえるようになった。また従来、1台のサーバー上では1個のウェブサーバーしか利用できなかったが、“マルチ・システム機能”の搭載により、最大25個の仮想ウェブサーバーを起動できるようになった。これにより、電子帳票のアウトソーシングやASPなどで、複数の企業にサービスを行なう場合に、個別のウェブサーバーを割り当てることによってセキュリティーを確保できる。さらに“マイ・フォルダー機能”により、ユーザーごとに専用のフォルダーを作成し、個々に検索条件の設定が可能となった。これによって、ブラウザーで帳票の閲覧を行なう際に、目標の書類に迅速に到達することができる。

プリンティング・システム事業部営業企画主任の中島玲子氏
プリンティング・システム事業部営業企画主任の中島玲子氏。持っているのは紙に印刷した帳票

西出氏に続く同社プリンティング・システム事業部営業企画主任の中島玲子氏は「ISO9001などの施行によって帳票を7年から10年間保存しなければならなくなった。紙の帳票は重くてかさばり、保存にかかる費用は莫大なものになる。しかし1998年の“電子帳簿保存法”により国税関連帳簿を電子保存できるようになった」と述べ、「紙に出力する帳票は、印刷して仕分けして各担当部署に配送するために、資源的にも時間的にも無駄が多かったが、電子化により大幅なコストの削減と、業務スピードアップが可能となった。またエンドユーザー側から見れば、紙の帳票を見ながら作業を行なうという無駄な仕事や、それに伴う無駄なミスを避けられる」とした。

電子化した帳票
電子化した帳票

また同氏は、他社製品に対する優位性について「電子帳票用のWPNサーバーを1台設置すれば、社外はインターネット、社内ではイントラネットを利用して短期間に展開することができる。Javaベースなのでクライアントソフトをインストールする必要もない。2日間で全社にサービスインした企業もある」と述べ、「Windowsアプリケーションのドキュメントから、大型コンピューターの帳票まで、幅広い文書を同じインターフェースで閲覧できる。帳票を長期に保管する場合にも、弊社による長期に渡るサポートを保証する」と語った。

WPM Web for Windows V1.3の動作環境は以下の通り。WPMサーバーは、Pentium III-600MHz以上のCPUと128MB以上のメモリーが必要。サーバーOSにはWindows NT 4.0/2000/XPに対応する。クライアントパソコンは、Penitum-200MHz以上のCPUと、64MB以上のメモリーが必要。OSはWindows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XPに対応する。ウェブブラウザーはInternet Explorer 4.01(SP1)以上、またはNetscape Navigator 4.04以上に対応する。このほかJava2 Runtime Environment V1.3.1以上が必要となっている。

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