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アマチュアCGアニメーションの祭典“DoGAアニメーションコンテスト”入選作品上映会が開催

2002年05月09日 19時59分更新

文● 月刊アスキー 櫨田智男

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これら入選作品の上映会が4月28日に大阪のよみうり文化ホールで、そして5月6日には東京/中野の、なかのZERO大ホールにて開催された。東京会場での上映は連休最後の日ということもあってか、会場周辺には朝9時ごろからCGアニメーションのファンが多く列を作って入場を待つ姿が見受けられ、コンテストへの関心の高さが伺えた。会場は1200人収容のホールだが、ほぼ満席となったほど。

入場を待つ人たち
これは会場内の入場待機列。200人ほどの人々が入場を待っていた。もちろん建物の外には、さらに長い長い列ができていた

入賞、佳作、入選の各作品が5時間以上にわたって上映され、各賞の上映後には作家への表彰式も行なわれた。

渡部氏
外伝大賞『イリュージョン刑事(デカ)』の渡部氏。銀行強盗の前に現われたイリュージョン刑事が「イリュージョン!」の一言で事件を解決してしまう強引さで会場は爆笑に包まれた。「作品を見てくれたひとがウケてくれたことが嬉しかった」(渡部氏)
あさを氏
佳作『Japan 赤い大地に咲く花』のあさを ゆうじ氏。実写と3DCGとの丹念な合成などが評価された。「また次回も(入選して)この会場に来たいと思います」(あさを氏)
塩竈氏
佳作『月の街』の塩竈氏。透明感のある絵作りや光の表現のうまさなどが評価された。「作品を観てくれた皆さんの心にも穏やかな風が吹けば嬉しいです」(塩竈氏)
吉浦氏
アート賞『キクマナ』の吉浦氏。映像の独自性、群を抜いて高い完成度などが評価された。「このような作品を上映してくれたDoGAさんに感謝したいと思います」(吉浦氏)
江村氏
アニメーション賞『Emigrate Ship -移民船-』の江村氏。劇場用アニメ作品の原画マンとして活躍している江村氏の作品は、従来の3D作品にはなかった、指先まで意識された人物の動きや造型がすばらしく、そこが評価された
田澤氏
ビジュアル賞『LIFE NO COLOR』の田澤氏。近未来SF調の“BOY MEETS GIRL”がテーマ。境目の分からない2Dと3Dの融合、キャラクターの造型の優秀さなどが評価された。「次回はグランプリをめざします!」(田澤氏)

最後にDoGA代表の、かまたゆたか氏は、今回のコンテストを総括して「急速に作家の世代交代が進んでいる。今までパソコンやCGとは最も縁遠かった芸大生/美大生のかたがたがCGアニメーションを続々と作るようになった。そういった意味で今年は世代交代の年である」と述べた。事実、今回の452作品の中で、本審査に進んだ作家の半数以上が学生であり、しかもそのほとんどが芸大生、美大生だという。

かまたゆたか氏
DoGA代表のかまたゆたか氏

その世代交代について、かまた氏は「14年前にこのコンテストが始まった当時は、CGアニメソフトが存在しなかったため、作品を作ることができたのはプログラマーだけだった。その後、理系のパソコンユーザーへと作家の層が移り、CGアニメソフトの登場とパソコンの普及により、芸大生や美大生など文系の作家がCGアニメ作品を作るようになった。そうなると理系の作家に比べ、作品性やストーリー性の面で有利な傾向が文系の作家にはあるので、応募作品全体のレベルが一段とアップした。確かに中には物足りなさを感じる作品もあるが、『これから伸びそうだ』と感じさせる作品も多く見うけられた。今年は『今後に期待できる年』になったといえる」と、来年は、よりすばらしい作品が応募されるであろうとの予想を示した。

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