このページの本文へ

Linuxの実践的な使い方 -PHPで企業向けWebアプリケーション-

2002年04月18日 22時28分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

サーバOSの選択肢としてLinuxを検討することに異論のある方はいないと思います。コストパフォーマンスの優れたサーバ構築には、欠かせない要素といえます。今日の「サーバ」は、何らかのインターネットに関連したサービスを提供しています。インターネットに関わりのないサーバを探すのが難しいかもしれません。そのようなサーバにLinuxを採用するのは、ごく自然な流れでしょう。

ただし、単純にLinuxディストリビューションをインストールする時代は、はるか昔に終わっています。最近は、インターネットをどのように活用するかに主題が移っています。メールやWebなども、単純な使用方法から利便性や効果を追求するようになりました。その一例が、電子メールのウィルス駆除です。電子メールの機能にウィルス対策を盛り込むことによって、安全性や利便性が大きく向上します。また、サーバへの依存性が高くなるにつれ、障害対策も重要になってきます。そのための備えとして、より実用的なクラスタリングソフトウエアの要求が高まっています。

Webサーバに対する要求も変わっています。単純なWebサーバでは、スタティック(静的)なコンテンツが中心となります。スタティックなコンテンツだけでも、リンクによる画面遷移で動的な感覚を演出できます。しかしこれは、所詮紙芝居に過ぎません。それに対して、Webアプリケーションが生成するダイナミック(動的)なコンテンツは、誰が見ても優れています。インターネットを活用するうえで、Webアプリケーションは欠かすことができません。

これまで、Webアプリケーション環境を構築するには高価な有償プロダクト中心となっていました。さらに専門のプログラマも必要でした。勿論、開発には、時間もかかります。大企業ならともかく、中小企業で、Webアプリケーションを実現するには大きな負担となります。そして現在、Webアプリケーション環境を安価で構築して、プログラム言語の習得が楽なWebアプリケーションのプロダクトが切望されています。このような要求には、PHPが最適です。技術的な解説はさておき、PHPの普及と期待度を象徴するシーンがありましたので紹介しましょう。

つい先日、日経BPラーニング主催でPHPセミナーが開催されました。年度末の忙しい時期で天候不良(激しい雨)にもかかわらず、会場のキャパシティぎりぎりの400名もの方が来場され、熱気に包まれていました。PHPは、個人が趣味的に利用していると思われがちです。しかし、来場者のほとんどが企業名で申し込まれていました。企業ユーザーが、PHPに大きな関心を寄せている事が覗えます。セミナーでは、eコマースサイトやオークションサイトの構築事例など、本格的なWebサイトでPHP活用が紹介されていたのです。

PHPセミナー会場イメージ
熱気に包まれた会場
PHP開発環境のデモ展示
PHP開発環境のデモ展示
Zeev Suraski氏サイン入りサーバPHPの中心的な技術者Zeev Suraski氏サイン入りサーバ

カテゴリートップへ