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オムロンとテムザック、FOMAを使って遠隔操作するロボットシステムを共同開発

2002年03月26日 22時29分更新

文● 編集部 佐々木千之

オムロン(株)とテムザック(株)は26日、都内で記者発表会を開催し、“FOMA”を使って遠隔地から操作可能なロボットとロボット外に設置したセンサーからの情報をロボットにフィードバックするシステム“M2M(マシン・ツー・マシン)ロボットシステム”を共同開発したと発表した。

テムザック(株)代表取締役社長の高本陽一氏
テムザック(株)代表取締役社長の高本陽一氏

テムザックは1993年に受付・案内ロボット『テムザックI』を発表し、以来ロボットの研究開発を行なっている。1997年発表の『テムザックIII号機』以降は、1999年発表の『テムザックIV号機』、2000年発表の『テムザックV号機』と、PHSなどを使って遠隔操作するロボットをを手がけている。

オムロン執行役員 副社長の増田英樹氏
オムロン執行役員 副社長の増田英樹氏

もう一方のオムロンは、制御機器・FAシステム事業で培ったセンサー技術や監視制御技術において強みを持つ。同社は、センサーが捉えた情報を、ネットワークを通じて情報の判断・分析を行なう“M2Mセンター”に送信し、その情報をもとに指示や制御を行なうという、ハードウェア同士のデータ処理/通信技術“M2M技術”をもとにした、“M2Mコンセプト”を2000年10月に発表し、車両盗難防止システムやテレマティックスシステムなどの事業を各社と共同で行なっている。

テムザックが開発してきたロボット
テムザックが開発してきたロボット

今回発表したM2Mロボットシステムは、テムザックの持つロボット技術、遠隔操作技術と、オムロンのM2M技術を組み合わせたもの。ネットワークに接続した固定配置センサーからの情報と、移動できるロボットが備えるセンサーからの情報をM2Mセンターに送り、M2Mセンターが総合的に分析することで、ロボットのみあるいは環境に固定配置されたセンサーのみによる情報よりも、はるかに広範囲の状況を判断でき、ロボットの役割をダイナミックに変更するなどの柔軟な状況対応が可能になるとしている。

発表会では、両社が試作した恐竜型の4足歩行ロボット2体と、ドアや窓に開閉センサーを設置した家の模型を使い、家庭用警備ロボットシステムのデモンストレーションが行なわれた。

『t-Dragonトリケラトプス』。動歩行システムを持つ
『t-Dragonトリケラトプス』。動歩行システムを持つ
『t-Dragonステゴザウルス』こちらは静歩行システムを持つが、今回は残念ながらトラブルにより歩行のデモは見送られた
『t-Dragonステゴザウルス』こちらは静歩行システムを持つが、今回は残念ながらトラブルにより歩行のデモは見送られた

披露したロボットは『t-Dragonトリケラトプス』と『t-Dragonステゴザウルス』。トリケラトプスは透明なプラスチックでできたくちばしの部分、ステゴザウルスは口の中に、カメラを内蔵したFOMA端末をセットして、外部の映像をオーナーのFOMA端末に送信できる。ロボットは胴体部分の左右にマイクロホンを備えており、外部の音をFOMA経由で送信する。オーナーはFOMAを使って、ロボットの近くにいる人と通話できるとしている。また、オーナーがロボットをコントロールする際には、「進め」「止まれ」といった20語ほどの音声コマンドで行なう。音声命令は、ロボット内部の音声認識ボードで解釈され、ロボットに伝えられる仕組みという。バッテリーによる動作時間は1時間半程度としている。

トリケラトプスの顔のアップ。透明なくちばしの部分にFOMAを仕込む(今回は搭載していない)
トリケラトプスの顔のアップ。透明なくちばしの部分にFOMAを仕込む(今回は搭載していない)
ステゴザウルスでは口の中にFOMAを搭載する
ステゴザウルスでは口の中にFOMAを搭載する

移動速度は時速0.6kmだが「現在まだ開発中であり時速2、3km程度まで上げる予定」(テムザック代表取締役社長の高本陽一氏)という。ただトラブルによって、実際にデモンストレーションで歩行動作をしたのはトリケラトプスのみだった。このほか、侵入者が家に入ったという想定で、ドアや窓を開けると、その情報がM2Mセンターに送られ、さらにロボットにフィードバックされてロボットが“咆哮”するというデモンストレーションも行なわれた。また、ドアや窓が開いたといった情報は、ロボットに送られるとともに、オーナーの持つFOMAに対してもテキストメールの形で送信するという。

トリケラトプスは歩行のデモとして、22.5度ずつ向きを変えたり横移動、斜め後ろ移動などを行なったトリケラトプスは歩行のデモとして、22.5度ずつ向きを変えたり横移動、斜め後ろ移動などを行なった(画像は向かって左方向に横移動している様子)

記者団からは、センサーを動かすのに4足ロボットでなくてはならない理由はあるのか、という質問が出たが「4足歩行なら段差があっても移動できる。家庭用としてエンターテイメントとしての意味合いも持たせた」(高本氏)と答えた。また、遠隔操作をFOMAでなく無線LANではだめなのかという質問については「技術的には無線LANでも同じことができる。ただ、FOMAを使えばロボットが広い範囲で移動できることや、動画像を送るシステムとしてFOMAを使うとコストが最も安くできるメリットがある」(高本氏)としている。

ロボットは2体ともかなりの大きさがある
ロボットは2体ともかなりの大きさがある。「小さくすることは簡単だが、それでは転がされて終わりになる」(高本氏)
トリケラトプスの口に搭載したFOMAのカメラからの画像を、FOMAの液晶ディスプレーに表示したものトリケラトプスの口に搭載したFOMAのカメラからの画像を、FOMAの液晶ディスプレーに表示したもの。上下逆さまにセットするらしく、画像も上下逆になっている

今後、オムロンとテムザックは協力して、セキュリティー、ホーム・オフィスユーティリティー、医療・介護分野においてマーケティング活動を行ない、それぞれの分野に合ったパートナー企業と、M2Mロボットシステムおよび各種アプリケーションを開発していくという。目標としては、1年後をめどにM2Mロボットシステム販売などの事業化を目指すとしている。第1弾としては、今回披露した警備ロボットになるもようで、価格については「軽自動車くらいにしたい」(高本氏)としている。

M2Mロボットシステムはさまざまな分野へ応用できるとしている
M2Mロボットシステムはさまざまな分野へ応用できるとしている

なお、テムザックは25日付で、三洋電機(株)と家庭向けセキュリティーロボットの共同開発に関する発表を行なっているが、オムロン執行役員 副社長の増田英樹氏によると今回のオムロンとテムザックのM2Mロボットシステムにおいて「三洋電機が下請けとしてロボットの製造を担当する」としており、2体の恐竜型ロボットは、25日に三洋電機が発表した2体のロボットに“恐竜の皮”をかぶせたものと思われる。

またオムロンは2001年10月に猫型ペットロボット『ネコロ』を発表しているが、「好評をいただいており、今後もペット型ロボットの開発は続けていく」(増田氏)としている。

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