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【CeBIT 2002 Vol.7】独シーメンスや米モトローラがユニークな形状の携帯電話を展示

2002年03月18日 18時38分更新

文● 編集部 田口敏之

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ドイツのハノーバーで13日(現地時間)から開催中の“CeBIT 2002”では、各社が発表する携帯電話の新製品に注目が集まっている。なかでもユニークな端末を出品していたのがドイツのシーメンス社と米モトローラ社だ。

ハンズフリーコンセプト端末を出品したシーメンス

シーメンス社ブースでは、ペンダント型携帯電話『PendantPhone』や、ディスプレーカバーの裏にスピーカーを埋め込んだ『DisplaySpeakerPhone』など、印象的なコンセプトモデルが注目の的となっていた。また新製品としては、JavaとGPRSに対応し、ゲームなどのダウンロードが可能な携帯電話『M50』を展示していた。

首から提げて利用する『PendantPhone』
首から提げて利用する『PendantPhone』

PendantPhoneは、名前の通りペンダントのように首から提げて利用する携帯電話で、同社が提唱している“両手が自由な状態で電話を利用する”というコンセプトに基づくモデルとなっている。本体の重さは60グラムと軽い。850/900/1800/1900MHzの4つのバンドのGMSに対応している。専用のマイク付きのステレオヘッドホンを接続して通話が可能だが、本体前面のスピーカーから直接音声を出すこともできる。

デジタルカメラを搭載し、電子メールでの画像に対応する。会場では、撮った写真をサーバーに送信し、会場内のディスプレーに表示するというデモンストレーションを行なっていた
デジタルカメラを搭載し、電子メールでの画像に対応する。会場では、撮った写真をサーバーに送信し、会場内のディスプレーに表示するというデモンストレーションを行なっていた

MP3プレーヤーや、352×280ドットの画像を撮影可能なデジタルカメラのオプションを取り付けられる。デジタルカメラで撮影した画像は、そのまま電子メールで送信可能だという。

『DisplaySpeakerPhone』デザインは従来機『S45』とほぼ同じだが、受話部の穴がない。接続してあるのはMP3プレーヤーモジュールで、ディスプレースピーカーを通して音楽を聴ける
『DisplaySpeakerPhone』デザインは従来機『S45』とほぼ同じだが、受話部の穴がない。接続してあるのはMP3プレーヤーモジュールで、ディスプレースピーカーを通して音楽を聴ける

DisplaySpeakerPhoneは、液晶ディスプレーを覆っているガラスのカバーの裏側にスピーカーを配し、ディスプレーカバー全体をスピーカーの振動板として機能させることによって、受話部を耳に当てなくても通話が可能な携帯電話のコンセプトモデル。同社の携帯電話『S45』とデザインは同じだが、受話部にスピーカーの穴がない。

スピーカーの構造。ディスプレーカバーのガラス全体がスピーカーの振動板になる
スピーカーの構造。ディスプレーカバーのガラス全体がスピーカーの振動板になる

同製品は、シーメンスと英国の音に関する技術開発を手がける、NTX社と共同で開発したものだという。実際の製品ではディスプレーを覆うガラスをさらに大きくし、最大音量と低音の音質を向上させるという。

GPRSとJavaに対応するGSM携帯電話『M50』
GPRSとJavaに対応するGSM携帯電話『M50』

M50は、900/1800MHzに対応するGSM携帯電話。GPRSとJavaに対応し、ゲームや着信メロディー、待ち受け画像などのダウンロードが可能となっている。また、画像や音声を添付したメールの送受信が可能。本体サイズは幅46×奥行き109×高さ23mmで、重さは97g。最大通話時間は6時間で、最大待ち受け時間は260時間となっている。出荷は、2002年の第3四半期(7~9月)ごろの予定で、価格は729ユーロ(約8万円)になるという。

コンセプトモデル『WristPhone』
腕時計型携帯電話のコンセプトモデル『WristPhone』。GPSユニットを装着している

また実際に稼働してはいなかったが、コンセプトモデルとして、腕時計型のGPS携帯電話『WristPhone』の展示も行なっていた。同製品はBluetooth搭載ヘッドセットとワイヤレスで接続し、通話を行えるという想定のもの。

WristPhoneの内部構造と、Bluetooth対応のヘッドセット
WristPhoneの内部構造と、Bluetooth対応のヘッドセット

モトローラは新発想ギミックの携帯電話『V70』を展示

米モトローラ社は、個性的なデザインの携帯電話ラインアップを出展していた。中でも注目を集めていたのは、ユニークなギミックのスライドカバーを備えるGPRS対応携帯電話『V70』だった。

誰もが一度は足を止めて見てゆく『V70』。受話部が360度回転する
誰もが一度は足を止めて見てゆく『V70』。受話部が360度回転する

V70は、円形のディスプレー枠部分が横方向にスライドし、ボタンを覆っている受話部が360度回転するという、個性的な機構を備えている。GPRSに対応しているほか、『TrueSync』というソフトウェアを用いて、パソコンやPIM機能を備えるPDAに接続でき、電話帳データの同期が可能となっている。発売時期は2002年の第2四半期(4~6月)を予定しており、価格は729ユーロ(約7万5000円)になるという。

時計付きのバッテリーチャージャー『Desktop Charger with Clock』。時計は時刻を表示するほか、バッテリーの残量や、充電に必要な残り時間を把握できるようになっているという
時計付きのバッテリーチャージャー『Desktop Charger with Clock』。時計は時刻を表示するほか、バッテリーの残量や、充電に必要な残り時間を把握できるようになっているという

このほか同社は、時計付きでバッテリーの充電状況を把握できるバッテリーチャージャー『Desktop Charger with Clock』や、スピーカーフォンキット『Desktop Speaker』、車載用ユニット『Self Install Carkit』など、個性的な携帯電話のオプションも展示していた。

車載用ユニット『Self Install Carkit』。バッテリーのチャージとスピーカーフォンの機能を備えている
車載用ユニット『Self Install Carkit』。バッテリーのチャージとスピーカーフォンの機能を備えている

また同社は13日付(現地時間)で、米AOLタイムワーナー社との提携に合意したと発表している。これにより、AOLタイムワーナーが提供している人気TV番組の主題歌の着信音をはじめとして、通信対応ゲームや待ち受け画像など、さまざまなマルチメディアコンテンツを、欧州の携帯電話市場向けに提供するとしている。

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