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ギガビットイーサ&PCI-Xサポートの最強Xeonマザーが登場

2002年03月16日 23時56分更新

文● Jo_Kubota

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P4DL6

 昨年まで選択肢の少なかったXeon用マザーボードだが、今年に入ってPrestonia版Xeonが正式発表されると、低コストのものPCI-X対応のものなどラインナップが揃ってきた。そのなかで、ハイエンドに属する製品がSupermicroから2種類登場。通常のE-ATXケース用の「P4DL6」と、1Uラックマウントケース用の「P4DLR」だ。先日お伝えした、同社製のIntel“E7500”チップセット搭載製品「P4DP6」に続き、PCI-Xをサポートするマザーボードはこれで3種類となる。



ブロックダイアグラム
GC-LEのブロックダイアグラム

 P4DL6は、Xeon用マザーボードとしては初のServerworks製チップセット“GC-LE”(Grand Champion-LE)を搭載するのが大きな特徴だ。GC-LEはE7500と同じくPCI-Xをサポートし、2CPUまでのXeon DP(※1)をサポートするなど共通点は多い。現在のところServerworksのチップセット概要は一般公開されておらず詳細を知ることはできないが、少なくても外観から判断できるスペック上はE7500とあまり変わりない。対応CPUがPrestonia版Xeonのみとなっている点も同様だ。

 ServerWorksのチップセットは2CPU向けのGC-LEと4CPU(Xeon MP(※2))向けのGC-HE(Grand Champion-HE)がある。E7500が存在するのにGC-LEがリリースされているのは、PCベンダやユーザーの選択肢を広げたいIntelからServerworksに対してリリースするよう働きかけがあったからのようだ。なお、4CPU向けのチップセットはGC-HEのみで、Intelからはリリースされない。

※ Xeon DP 現在一般流通しているXeonは全てXeon DPだ。DPはDualProcessorの略。

※ Xeon MP L2キャッシュが512KB/1MBに増強された4CPU向けのXeon。MPはMultiProcessorの略。現在のところ一般には流通していない。



BCM5701KHB

 だが、はじめてのGC-LE搭載マザーボードであること以上に、単品販売されるマザーボードとしてははじめてギガビットイーサネット対応のネットワークコントローラを搭載する点がP4DL6の大きなトピックだ。チップはBroadcom製の“BCM5701KHB”。ギガビットイーサネットはすでに多くのメーカーからPCI-X対応カードとして発売されている一方、ハブがまだまだ高価であるため一般化はしていないが、今後を見据えた仕様であるとは言えるだろう。



PCI-X

 拡張スロットはすべて64bit PCI-Xをサポートし、6本すべてを使用する場合は133MHz×1、100MHz×4、66MHz×1まで構成が可能。最速モードである133MHz/64bit(転送速度:1GB/秒)の使用に限定した場合、は最大で3本までのサポートとなる。P4DP6では133MHz PCI-Xは最大で2本までのサポートなるため、P4DL6の方がよりサーバー向けだと言えるだろう。1番下にある緑のスロットはP4DP6と同様にAdaptecのZCR(Adaptec Zero-Channel SCSI RAID)カード「Adaptec 2000S」をサポートする旨を表しており、SO-DIMMサイズのZCRカードをサポートするための専用ソケットは用意されていない。



メモリスロット

 この他の機能はP4DP6に準じており、メモリスロットはレジスタードタイプのPC1600 DDR SDRAMを最大8枚搭載し、16GBまで拡張可能。デュアルチャネルのため、増設は2枚単位となる。メモリは2chのため増設は2枚単位となる。オンボードではビデオ(ATI RageXL)を搭載する一方でAGPスロットを用意しない点や、Ultra160 SCSIコントローラとIntel製の10Base-T/100Base-TX対応ネットワークコントローラを搭載する点はP4DP6とまったく同じだ。



P4DLR

 一方、1Uラックマウント用となるP4DLRだが、こちらも基本的な仕様はP4DL6と同様。相違点だけを列挙すると、まずPCI-X(133MHz/64bit)は1スロットのみ(PCIライザ使用可能)となっているほか、メモリスロットは6本(最大12GB)に制限されているほか、ギガビットイーサネット対応ネットワークコントローラも省かれている。一方で10Base-T/100Base-TX対応ネットワークコントローラは2つ用意され、SO-DIMMサイズのZCRスロットも配されている。ZCRスロットの横にある同形状のスロット“IPMI”(Intelligent Platform Management Interface)となっているが、いったいここに何が差さるのかは現時点ではわからない。


どちらのマザーも従来のSupermicro製Xeonマザーボードと同様のCPUクーラーを2個同梱。またバックパネルもそれぞれ専用のものが付属。右は1U用のP4DLRのみに付属するPCIライザ
FAN-042バックパネルPCIライザ

 販売を開始したのはUSER'S SIDE本店で、価格はP4DL6が11万9800円、P4DLRは10万9800円。P4DL6は取材時点ですでに売約済みとなっていた。コンシューマ向けではないが、ギガビットイーサネット時代の幕を開けるかもしれないマザーボードとして、P4DL6のデビューは忘れられない製品になりそうだ。

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