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インターネットで視力をチェック、自分に合った度付きメガネを購入できるサービスが登場

2002年03月14日 19時20分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)ビジョンメガネは14日、ウェブサイト上で視力をセルフチェックし、自分に合った度付きメガネを購入できる“どこでもメガネショッピング・システム”を開発、5月にサービスを開始すると発表した。

視力チェック画面1
現在開発中の“どこでもメガネショッピング”の画面。写真は見えかたの偏りチェック

“どこでもメガネショッピング・システム”は、パソコンを利用してインターネットにアクセスし、専用ウェブサイト上で自分の視力をチェックすると、その視力に適したレンズ度数が自動的に選定され、そのレンズを付けたメガネを購入できるシステムで、同社と日本電気(株)、(株)関西新技術研究所(大阪ガス(株)のグループ会社)が共同で開発を進めてきたもの。ビジョンメガネの顧客7万人分の視力データを分析し数万種類の眼球モデルに分類、ユーザーの視力チェック結果と眼球モデルを照らし合わせ、適したレンズ度数を算出する仕組み。

同システムは、視力を測定する“視力チェック”と、任意のフレームおよびレンズのカラーを選択し、視力チェックで選定されたレンズと合わせて購入できる“バーチャルフィッティング”で構成される。ユーザーはまず、自分の性別と身長、生年月日、現在メガネまたはコンタクトレンズを使用しているかどうかを入力する。次に、自分が利用しているディスプレーの種類(CRT/液晶)を選択し、さらに画面に表示されている目盛り部分に、手持ちのクレジットカードをあてて、クレジットカードの横幅の目盛り数値を入力する。

視力チェックは、細かい線などの画像を見て行なうため、ディスプレーの種類や解像度によってチェック用画像の表示サイズなどを変える必要がある。そのため、ユーザーが入力したディスプレーの種類と目盛り数値から、解像度などユーザーのディスプレー環境をシステムが自動的に認識し、その環境に合わせたチェック画像を表示する仕組みとなっている。なお、ウェブブラウザーはInternet Explorer 5.0以上を、ディスプレーの解像度は1024×768ドット以上を推奨している。

解像度チェック画面
個人情報およびディスプレー環境の入力画面。画面下部の目盛りに手持ちのクレジットカードをあて、横幅の数値を入力することで、システムがユーザーのディスプレー解像度を認識する

個人情報およびディスプレー環境の入力が終わると、視力のセルフチェックとなる。最初に、4種類の角度の見え具合で物の見えかたの偏りを測定する“見えかたの偏りチェック”、続いて、ディスプレーから自分の腕の長さ分だけ離れた位置で画面を見て、どれくらい小さな線まで判別できるかをチェックする“遠くを見るチェック”(最初に入力した身長の数値からユーザーの腕の長さを想定し、線の大きさを調整して表示する)、最後に、ディスプレーにできるだけ顔を近づけた後、少しずつ顔を離していき、画面上の縦線がはっきり見えたときのディスプレーと顔との距離をチェックする“近くを見るチェック”と、計3種類のチェックを左右の眼でそれぞれ片方ずつ行なう。上記3つのチェック結果と性別、年齢をもとに、システムがユーザーの視力を測定し、その視力に適したレンズ度数を算出する。

視力チェック画面2
遠くを見るチェックの画面

さらに、レンズの見え具合をシミュレーションする“見え方のチェック”を行なう。ユーザーが、メガネを利用する主な用途/対象物との距離を“本を読む/30cm”“パソコン利用/50~60cm”“遠くを見る/5m”から選択すると、その結果に応じてレンズの調節を行ない、裸眼状態で上記3つの距離を見たときのイメージ画像と、調節したレンズを通して見たイメージ画像を画面に表示、ユーザーが確認するとそのレンズ度数に決定となる。

裸眼シミュレーション
レンズの見え具合のシミュレーション画面。こちらは裸眼で見た場合のイメージ画像。写真の場合、近距離は問題ないが、遠くの景色(5m距離)がぼやけて見えている
レンズシミュレーション
こちらは同じくシミュレーション画面で、レンズを通して見た場合のイメージ。5m距離の画像もくっきりと表示されている。なお、レンズを強め/弱めに変更することも可能

視力チェックが終わると、バーチャルフィッティング画面で、任意のメガネフレームを選択できる。このバーチャルフィッティングでは、画面に表示された顔写真を利用して、メガネを試着したイメージを確認することが可能。年代別の男性/女性モデルの顔写真があらかじめ用意されているほか、自分の写真画像(JPEG)をアップロードして、自分の顔で試着イメージを確認できる。

メガネフレームは1万種類以上用意されており、ユーザーがジャンル(男性/女性/ユニセックス)と、素材(ツーポイント/セル/メタル/ナイロール)を選択すると、それに合ったフレーム候補が画面に表示され、その中から任意のフレームをクリックすると、顔写真の上にそのフレームが重ねて表示される。レンズの色や厚みも選択可能。ユーザーがレンズとフレームを決めると、購入手続きを行なえる。

メガネ試着画面
バーチャルフィッティングの画面

“どこでもメガネショッピング・システム”で購入できる度付きメガネの価格は3000円から。ビジョンメガネ店頭での販売価格より10~20%安い価格で提供できるという。注文からユーザーの手元に届くまでの期間は、通常の近視/遠視レンズで1週間程度、カラーレンズや遠近両用レンズといった特殊レンズは2週間程度。決済方法は、クレジット決済と代金引換。ビジョンメガネ店頭での受け取りも可能。

“どこでもメガネショッピング・システム”は、乱視や強度の近視を除いた、近視および遠視に対応しており、同社は、現在メガネを利用している日本人のうち85%のユーザーが、このシステムで視力をチェックし度付きメガネを購入できるとしている。なお同社の4~5ヵ月に渡る実験によると、同システムを利用したユーザーのうち70%程度が、自分に適した度付きレンズを選択できたという。同社は今後も改良を加え、システムの精度を上げていくとしている。

なお同社は、ユーザーが同システムで購入したメガネに不具合(よく見えない、なじまない等)があった場合、メガネ代金を全額返金するとしている。この不具合の定義はユーザーの判断に委ねられており、例えば、ユーザーがブラウンのメガネを注文し、実際にブラウンのメガネが納品された場合でも、ユーザーが「自分のイメージしていた色と違う」と申し出た場合は、不具合として返品を受けるという。

ビジョンメガネ吉田社長
ビジョンメガネ代表取締役社長の吉田武彦氏

同社代表取締役社長の吉田武彦氏は、「このシステムで新しいメガネ文化を創造したい。売上はスタート後2~3年で300億円程度を見込んでいる」としている。

以下の画像は15日付けで追加したものです
視力チェック
見えかたの偏りチェック画面
視力チェック2
遠くを見るチェックの画面
裸眼シミュレーション2
レンズの見え具合のシミュレーション画面の裸眼で見た場合のイメージ画像。近距離は問題ないが、遠くの景色(5m距離)がぼやけて見えている
レンズシミュレーション2
レンズを通して見た場合のイメージ画像。5m距離の画像もくっきりと表示されている
メガネ試着画面2
バーチャルフィッティングの画面

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