全世界で5000万部を売り、米国では続編/外伝を合わせて100タイトル以上が出版されているベストセラーファンタジー小説シリーズ『ドラゴンランス』が、(株)アスキー/(株)エンターブレインからいよいよ4月26日に刊行を開始します。
『ドラゴンランス』完全版原書 |
ドラゴンランスは、ウィザードリィやウルティマの源流とも言えるテーブルトークRPG“Dungeons & Dragons(D&D)”の世界をベースにした、剣と魔法の世界を描いた大河ファンタジーです。日本ファンタジー作家の第一人者であるひかわ玲子氏やウィザードリィ関連のイラストなどで知られるイラストレーターの末弥純氏らも大ファンということからも、その内容の質の高さがおわかりいただけるかと思います。
かつて日本では富士見書房から『ドラゴンランス戦記』として発売され、全6巻累計で100万部に達するベストセラーとなっていましたが、米国版元の買収劇などの理由で、長らく絶版となっていました。この間、多くの熱心なファンからの復刊を願う声は止まず、休刊・絶版となった書籍の刊行を目指す“復刊ドットコム”の海外文芸部門で圧倒的な復刊希望第1位となっていました。
今回、アスキーは現在の版元である米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)社からD&Dを題材とした全シリーズの版権を得て刊行(発行:アスキー/発売:エンターブレイン)の運びとなりました。刊行にあたっては、原作者自身が多数の注釈を加えて初版時に削除されていた部分を復活させるなどした“完全版”をもとに、安田均氏の手によって訳し直されました。完全版という豪華な内容に合わせて体裁もA5上製ハードカバーとし、旧版をお持ちの方にも価値のある書籍となっています。
『ドラゴンランス』販促チラシ(チラシ中のURLには3月18日以降アクセス可能です) |
まず『ドラゴンランス』(全6巻)のうち、4月26日に1、2巻を同時発売し、以降毎月末に1巻ずつ発売します。その後は続編である『ドラゴンランス2(仮題)』はもとより、未訳の完結編『ドラゴンランス3(仮題)』のほか各種外伝も含め続々刊行の予定です。
- 書名:ドラゴンランス(全6巻)
- 著者:マーガレット・ワイス、トレイシー・ヒックマン
- 訳者:安田 均
- 判型・ページ数:A5上製・320~416ページ
- 価格:本体1850~1950円+消費税
- 発売日:2002年4月26日(金)1巻・2巻同時発売 以後毎月末 続刊発売予定
- 発行:(株)アスキー
- 発売:(株)エンターブレイン
このドラゴンランスシリーズの企画・編集を担当した月刊アスキー編集部の工藤裕一氏に、シリーズ刊行までの苦労と、“完全版”の魅力について聞きました。
社内で企画を通す際には“この企画が通らなかったら会社を辞める”という意気込みでした。幸い無事に企画が通り、版元に版権交渉を始めたのが2001年3月です。そして6月にようやく色よいリアクションを得ることができました。
裏話を1つ披露すると、版元はD&Dのゲームそのものの権利も持っており(※1)、日本のD&Dも絶版状態にあったので、実は書籍と一緒にゲームの版権交渉も行なったのですが、残念ながらゲームの版権は今回は取れませんでした。
口絵や文中イラストはオリジナルのもので富士見書房版と同じですが、表紙カバーはまったく違う幻想的なD&Dの図版を使用しました。合わせてハードカバーならではの装丁にも期待して欲しいですね。また、1巻ごとにB5ペラの“ドラゴンランス新聞”を折り込んでおり、著名人やファンの推薦文などさまざまな情報を読者に伝えるものとなっています。
このシリーズは、米国では膨大な一大シリーズとなっているほどのメジャーな人気作品ですから、日本でも必ず広い層に受け入れられるはずだと思っています。RPGファンはもちろん、ハリー・ポッターシリーズや指輪物語を観たり読んだりして、ファンタジー小説に興味を持ったかたすべてに自信を持っておすすめします。