インフィニオンテクノロジーズジャパン(株)は1日、独インフィニオンテクノロジーズ社が現地時間の28日、4バンドVDSL(※1)ファミリーとして、“ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード) over VDSL”をサポートした『4bVDSL』と、“Packet over VDSL”をサポートした『PoVDSL』の2種類のチップセットを発表した。両チップセットとも同社の2バンドチップセットをベースに開発したもので、下位互換性を持ち、同様の“FDD(Frequency Division Duplexing)”技術と“QAM(Quadrature Amplitude Modulation)”技術を採用しているという。
※1 VDSL (Very-high-rate-bit Digital Subscriber Line):xDSL技術の1つで、通信距離は比較的短い(数百~千数百m)が、下り方向数十Mbps(非対称通信の場合)または双方向十数Mbps(対称通信の場合)と、ADSLやSDSLよりも高速なことが特徴。『4bVDSL』チップセット |
『4bVDSL』は、デュアルレイテンシUTOPIA(※2)インターフェースとPCMインターフェースを搭載し、1本のツイストペア線で最大4本のE1/T1/J1回線を伝送できるのが特徴。PCM伝送はATMトラフィックと並行して行なえるという。また、RFC 1483(ATMアダプテーション層5レイヤ5によるマルチプロトコルのカプセル化)に対応した動作も可能であるため、ATM上でEthernetトラフィックのカプセル化が行なえるという。
※ UTOPIA (Universal Test And Operations PHY Interface For ATM):ATMの相互運用仕様の作成や推進を行なっている非営利の国際団体“ATMフォーラム”が作成したATM層と物理層のインターフェース仕様。『PoVDSL』は、IEEE802.3準拠のMIIインターフェースを搭載し、ITU-T G.993.1準拠のPTM-TC(HDLC)をサポートする。PCM転送はPTMトラフィックと並行して行なえる。2~4バンドのPHYあるいはMACとして使い分けられるとしている。
両チップセットは、DSLAM(DSLアクセス多重化装置)やスイッチ、CPE(顧客構内装置)などの用途に最適化されているという。評価用サンプルは第2四半期に提供を開始する予定。