Palm用ATOKに、Graffitiエリアでの手書き認識が可能な新バージョンが登場した。外付けメモリに辞書を登録できるなど、細かな使い勝手も高まっている。
定番日本語変換ソフトに 手書き認識と推測変換を追加
ジャストシステムの「ATOK for Palm 日本語グラフィティ対応版」は、Palm用の日本語変換/手書き認識ソフトである。
従来の「ATOK Pocket for Palm OS」には、「CLIE PEG-T」シリーズなどにバンドルされたOEM版(履歴からの「推測変換」といったオリジナル機能を搭載)と、手書き文字認識に対応したパッケージ版(手書き入力対応版)の2種類があったが、本製品では両者の長所を統合し、かつGraffitiエリアでの手書き入力や外部メモリへの辞書ファイルの登録など、豊富な新機能を搭載した、充実度の高いパッケージ構成となっている。
図1 手書き文字認識とGraffitiの切り替えは、右下に表示されているATOKアイコンをクリックすることで簡単に行える。 |
注意すべきなのは、Graffitiエリアでは漢字の認識ができないため、一度ひらがなで入力し適時変換していく必要があるという点だ。手書きの認識率は高い(筆者の場合9割程度)が、Palm歴の長いユーザーは、Graffitiでローマ字入力したほうが正確で高速に入力できると感じるかもしれない。
図2 漢字とかなの混じった文章を入力する場合は、手書き文字パレットを使用する。Palmデバイスの「キーボード」ボタンから呼び出せる。 |
文章の切れ目をかなり正確に認識するATOKの日本語変換エンジンは、Palmに標準搭載された単漢字変換のIMEに比べ、明らかに高いレベルだが、それ以上にうれしいのは「推測変換」「お気に入り」など少ない文字数で効率的に文章を入力するための一連の機能である。
図3 過去に入力した履歴から、文節や文を補完する「推測変換」。うまく使えば、かなり効率よく文字を入力することが可能になる。 |
図4 よく使う言い回しや、長文のあいさつ文などはお気に入りに登録しておこう。文章はカテゴリ分けして保存することができる。 |
豊富な機能を備えたATOK for Palmだが、約2MBのラージ辞書をインストールすると合計4.1MB以上の空きメモリが必要となる。標準搭載メモリが8MB程度と少ないPalmデバイスでは少々厳しい要求だが、今回のバージョンから辞書ファイルだけを外付けメモリカードに格納できる機能が追加されている。これはVFS(Palm OSから外付けメモリカードにアクセスするためのAPI)を利用しており、Palm OS 4.0以降の機種で利用可能だ。
ATOK for Palm日本語グラフィティ対応版の価格は6800円。Windows用の ATOK15をセットにした「ATOK15プレミアムセット」(1万1800円)や、ATOKシリーズの登録ユーザー向けのバージョンアップサービス(3800円)も用意されている。
ATOK for Palm 日本語グラフィティ対応版の主なスペック | |
製品名 | ATOK for Palm 日本語グラフィティ対応版 |
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対応OS | Palm OS 3.1以上 |
必要メモリ | 1.3MB~4.1MB |