ハイウエスト・ブレインネットから実効スループット65Mbpsを実現した「PBR005」が登場した。スループット値を表示するインジケータを備えるなどライバル製品とはひと味違った機能を持つブロードバンドルータだ。
オリジナルファームウェアで
機能の差別化を図る
今回発売された「PBR005」は、テストパターンの最大値でスループットが87Mbpsという、ARM9コアのCPUを搭載する製品の中でも高速な通信速度を誇るブロードバンドルータだ。1月11日の発表時点では3000台限定のキャンペーン商品として発売される予定だったが、出荷前の予約注文が殺到したため台数限定ではなく通常商品に切り替えて販売開始されたという経緯の製品である。しかもフロントパネルにはリアルタイムにスループットを表示する「Throughputランプ」を追加するという仕様変更も行われてのリリースとなった。
 |
 | |
|---|---|---|
| 写真1 フロントパネルにはThroughputランプのほか、LAN／WANポートの動作状態を示すインジケータを装備する。2列のLEDの上側はリンクアップで点灯し、データ転送中は点滅する。下側は100BASE-TX接続時に点灯するので正しくネゴシエーションできているかを視認できる。 | ||
このThroughputランプは4つのLEDで構成されており、あらかじめ設定しておいた回線最大速度に対する現在のスループット値を4段階で表示してくれる。回線最大速度は1～99999kbpsの範囲で任意に指定でき、ランプが無点灯なら設定値の10％未満、4個フル点灯なら80％以上といった具合にリアルタイムにスループットの実測値を表示してくれる。
データの送受信が現在行われているかどうかは、Throughputランプの左側に並ぶ「Linkランプ」の点滅でも確認できるため、Throughputランプは不要だと思うユーザーもいるだろう。とはいえ、大まかな値ながらどのくらいの速度でデータが転送されているかを眺められるのは面白いし、データ転送の有無をLEDの点滅で確認するLinkランプよりも、点灯で確認できるThroughputランプのほうが動作状況を把握しやすいのも利点だ。
本体に装備するインターフェイスは、WAN側が10BASE-T／100BASE-TX対応のEthernetポートを1つ、LAN側はAuto-MDI／MDI-X機能をサポートする4ポートのスイッチングハブを内蔵している。
気になるスループットだが、編集部でPCサーバ／PCクライアント間に接続し、本体機能はすべてデフォルトの状態でIPアドレス変換を利用してftpによるファイル転送を行ったところ、35.1Mbpsという結果が得られた。メーカー公称値とはかなり差が開いたが、ARM9コアのチップを搭載する同クラスの製品の中では優秀な値だ。
 |
|---|
| 図1 本体機能の設定はPBR005が内蔵するHTTPサーバにアクセスしてWebブラウザから行う。ネットワークゲームやチャットソフトなどを利用するために、普段閉じているポートを開放するには「特殊AP」で設定する。Battle.netなど一部のアプリケーションはリストから選択するだけで設定できるほか、ポート番号も範囲指定できるなどメニューの操作性はいい。 |
本体機能設定については、内向き／外向き両方のパケットフィルタを設定でき、複数のグローバルIPアドレスを利用したIPアドレス変換が行えるマルチNAT機能を装備するほか、PPPoEによる接続先を3つまで登録しておいてISPを使い分けられるなど、個人向けブロードバンドルータとして不満を感じることはない。さらに現在は未対応だが今後ファームウェアのバージョンアップでRIP1のサポートが予定されており、小規模なオフィスで利用するローカルルータとしても活用できる。
価格はオープンプライスで、同社のオンライン販売価格は1万2800円となっている。高スループットに加え、オリジナルファームウェア採用による独自機能など多くの特徴を備えているPBR005は、8Mbps以上のインターネット接続サービスを利用しているユーザーにぜひ検討してみてほしい製品だ。
| PBR005の主なスペック | |
| 製品名 | PBR005 |
|---|---|
| WAN側インターフェイス | 10BASE-T／100BASE-TX |
| LAN側インターフェイス | 10BASE-T／100BASE-TX×4 |
| サイズ | 190(W)×111(D)×26(H)mm |
| 重量 | 約700g |
