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Adobe Premiere LE 日本語版

Adobe Premiere LE 日本語版

2002年03月28日 19時06分更新

文● 伊藤 裕也

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Adobe Premiere LE 日本語版

アドビシステムズ

オープンプライス(アドビストア価格 9800円)

ビデオ編集ソフトの定番「Adobe Premiere」の最新エンジンを採用した個人向けのビデオ編集ソフト「Adobe Premiere LE 日本語版」が登場した。Premiereの柔軟かつ強力な機能を数多く継承しつつ、1万円を下回る意欲的な価格を実現している。

低価格ビデオ編集ソフトの決定版

図1 モニタウィンドウでは、素材として登録したビデオクリップの表示と編集中の映像の表示をそれぞれ別のモニタで同時表示することが可能だ(左が素材、右が編集中のモニタ表示)。VTRベースでビデオ編集をしたことのある方には、かなり扱いやすいだろう。
 アドビシステムズの「Adobe Premiere LE」は、ビデオキャプチャからビデオ機器への出力(書き戻し)までフルサポートする統合型のデジタルビデオ編集ツール。プロユーザーやハイアマチュアをターゲットとする同社の「Adobe Premiere 6.0」から一部の機能を削除した「Limited Edition」(限定版)で、ビデオ編集に興味がある個人ユーザーをターゲットとしている。限定版とはいえエンジンにはPremiere 6.0と共通のモジュールを採用し、ユーザーインターフェイスや基本機能もPremiere 6.0そのもの。強力なデジタルビデオツールとして期待できる内容となっている。ここではLEの概要とともに、フルバージョンとの違いについて紹介していこう。

 Premire(およびLE)は、「タイムライン」と呼ばれる時間の流れを示すスケールにビデオクリップを配置していくことでビデオタイトルの作成を行うタイプのビデオ編集ツールだ。ユーザーインターフェイスは、このタイムラインのほかに、プロジェクトで使用するビデオ・オーディオクリップを管理する「プロジェクト」ウィンドウをはじめ、ソースや編集中のビデオタイトルの映像を表示する「モニタ」、作成しているビデオタイトルの全体的な長さを確認できる「ナビゲータ」、およびツールパレットなどから構成されている。タイムライン上にビデオやオーディオを配置するためのトラックはビデオ・オーディオともに最大99トラックまで追加可能で、扱える映像の時間的長さは1つのプロジェクトにつき最長3時間。この仕様はPremiere LEでもまったく同じで、個人向けとしてはむしろオーバースペックと思えるほどの強力なものになっている。



図2 トランジションエフェクトの登録・管理を行うトランジションパレット。LEではこれら15種類が使用できる。
 LEでできる映像処理は、DVカムコーダなどからのビデオキャプチャとキャプチャした映像から前後の不要な部分を除くトリミング、ビデオの連結、タイトルやイメージのスーパーインポーズ(重ね合わせ)、オーディオのミキシング、そしてファイルもしくはビデオ機器への出力(キャプチャとビデオ機器への出力には、別途DirectShow対応のキャプチャカードなどが必要)といったところ。ビデオの連結は単純に接続する方法のほか、トランジションエフェクトをかけることも可能だ。LEで使用できるトランジションエフェクトは、「クロスディゾルブ」「ワイプ」など全15種類。Premiere(75種類)よりもかなり少ないが、一般的に用いられるエフェクトは一通りあるので不便はない。また、スーパーインポーズではある映像の上に別の映像を単純に重ね合わせるだけでなく、映像やイメージの一部に透明な部分(キー)を指定することも可能だ。使用できるキーは、特定の色を透過扱いにする「クロマ」、作成したアルファチャンネルに従って透過する「アルファチャンネル」など14種類。スーパーインポーズトラックでは配置したビデオクリップに個別の透過率を指定できるので、それらを利用した重ね合わせも可能だ。



図3 「透明度」ウィンドウでは、スーパーインポーズのキーに関する設定などが行える。

図4 ビデオクリップに変形や回転、ズームなどの効果を付加できる「モーション」。回転やズームといったパラメータはスライダーをマウスで操作するだけで簡単に変更できる。
 LEではこのほかにも、ビデオクリップのスピードのコントロール、ビデオクリップの大きさや角度、奥行き、位置を調整する「モーション」など、ビデオ編集に関する強力な機能を搭載している。スローモーションやピクチャーインピクチャー(映像の中に別の映像を子画面として表示させる)などの凝った表現も、簡単に実現できるようになっている。



図5 LE内蔵のタイトル作成ツール。テキストや簡単な図形を描画できるツールで、ロール/クロールにも対応し、映画などのエンディングなどでスタッフの名前が流れていくエンドロールの作成も可能だ。

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