このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

LaVie L LL900/1D

LaVie L LL900/1D

2002年02月22日 23時41分更新

文● 宇野貴教

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

LaVie L LL900/1D

NEC

オープンプライス

NECのLaVie TとLaVie Cは,付加機能で他製品との差別化を図っているが,そのため価格競争力でやや遅れをとっているのも事実だ。このLaVie Lは必要な機能を取り入れた上で価格を重視した,同社のA4ノートの中ではもっとも売れ筋となる,汎用投入性の高いコストパフォーマンス重視に仕上がっている。

本稿にて紹介している製品は、2002年1月末時点で次期製品が発表または発売されております。本文中では次期製品にも触れておりますので、次期製品を「読み解く」際にお役立てください。(別冊ASCII編集部/ASCII24 Review)

質実スペックで攻める
価格重視マシン

キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。
 家電系メーカーのホームユーザー向けのPCは,TVといった家庭用ならでは機能を盛り込んだり,セカンドマシン用にビジネスモデルに近いシンプルなスペックのシリーズを用意するなど,数多くのラインナップを用意しているところが多い。特にNECのノートPC「LaVie」シリーズは,A4オールインワンノートだけ列挙しても,TVチューナを搭載しデジタルビデオとして利用可能な「LaVie T」,携帯シリコンオーディオプレーヤ“InfoAudio”を装備する「LaVie C」,コストパフォーマンス重視の「LaVie L」,Windows XP Professionalを搭載したビジネスモデル「LaVie Pro」の4シリーズが用意されている。

 これ以外にも,モバイル向けの「LaVie Z」「LaVie J」「LaVie M」の3シリーズがあり,全部で7シリーズ構成という大所帯である。この中の「LaVie C」シリーズはすでにレビューしたとおりで,InfoAudioやオーディオをFMで出力するといった付加機能を搭載することで,他社製品の同クラスマシンとの差別化を図ったシリーズであった。

 これから紹介する「LaVie L」シリーズは,Cシリーズのワンランク下に位置し,付加機能でなく価格で勝負するオーソドックスな3スピンドルPCである。シリーズ構成は,CPUの種類や液晶サイズなどの違いで4モデルが用意されており,最上位モデルの実売価格が19万円前後,最下位モデルは14万円前後というコストパフォーマンス重視のシリーズにふさわしい価格がつけられている。その中から最上位モデルとなる「LaVie L LL900/1D」の詳細を,他モデルとの違いとともに解説していく。



3種類のCPUで
スタイルに合ったモデルが選べる

 今回メインに取り上げる「LaVie L LL900/1D」はCPUにPentiumIII-1GMHzを搭載するが,その他にもCeleron 850MHz,Duron-900MHzと800MHzを搭載するモデルが用意されている。もちろんDuron採用モデルが用意される理由は,どの製品にもまけない価格のA4ノートを送り出すためだ。1月6日付けのMobile PentiumIII-1GHzの価格は321ドル,Mobile Duron-900MHzの価格は100ドル(ともに1000個ロット時の価格)と200ドル以上の価格差がある。もちろん,CPU価格は本体価格にダイレクトに反映されるため,A4ノートで主流になりつつあるGHzノートにするか,一歩抜き出た価格のDuronモデルにするか,ユーザーの選択肢が広がるわけだ。

 チップセットは互換チップセットメーカーVIAのApollo Pro 133Aを搭載する。IntelのCPUを使ったマシンはIntelのチップセットを搭載するケースが多い。だが,最新のIntelのノート用チップセット(8830MPなど)はコストの面で不利であり,価格の安い旧チップセット440MXではメモリの搭載上限が256MBになってしまう。VIAの採用はコストと機能の両方を満たすためだと思われる。

 メモリは256MBを標準搭載し,ひとつ用意されているSO-DIMMスロットで最大512MBまで増設可能である。HDDは40GBの大容量ドライブを,光ディスクドライブもCD-RW/DVD-ROMコンボドライブを内蔵しており,ホームユースに求められる基本機能はきっちりと押さえている。CD-RW/DVD-ROMの性能は,CD-R/RWが8倍速書き込み,DVD-ROMが8倍速読み込み,CD-ROMが24倍速読み込みだ。HDDは初期状態でC/Dの2つのパーティションに分割されており,Dドライブにはリカバリ用のイメージデータとアプリケーションのセットアッププログラムが記録されている。この容量は約5GBと膨大だが,マニュアルに記載されている手順に従ってCD-Rへ書き出すことでリカバリCDの作成が可能だ。リカバリCDを作成してしまえば,Dドライブのデータは消去できるのでHDDの空き容量を増やすことができる。リカバリCD-ROMがユーザー作成となっているのはコストダウンのためだが,このためにユーザーが行なう手間は膨大だ。やはりリカバリCD-ROMは標準添付で提供してほしかった。

 なお,HDD容量と光ドライブの種類は下位モデルになるほどグレードがダウンし,最下位モデルの「LL300/1A」ではそれぞれ20GB,CD-RWドライブとなっているので,価格が最優先項目でこのモデルを狙っている人は注意が必要だ。FDDはUSB接続の外付けドライブではなく本体内蔵だ。利用頻度は低くなってきているとはいえ,緊急時のOSブートなどの際にFDDがすぐに使えるメリットは大きい。

ACアダプタは標準サイズ。バッテリ駆動時間は短いので,本体を持ち運ぶ際は一緒に持ち出す必要があるだろう。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン