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セルシス、アニメ制作管理業務支援サービスを開始

2002年02月18日 18時20分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)セルシスは18日、アニメーション制作プロダクション向けに、アニメ制作管理業務支援サービス“Digital Production Network(デジタルプロダクションネットワーク)”を4月中旬に開始すると発表した。

“Digital Production Network”は、アニメーション制作管理業務における“発注/受注”“納品/受領”“進捗管理”“作業集計”といった工程をインターネットを通じて行なえるサービス。

発注画面
“Digital Production Network”の発注一覧画面。ウェブブラウザー(Internet Explorer)を利用して操作する

日本のアニメ制作においては、原画や動画、彩色、撮影などの各工程ごとに専業プロダクションが参加し、複数のプロダクション間で素材をやり取りしながら作品を完成させるケースが多いが、同サービスは、インターネット経由で各プロダクションをネットワーク化し、作品が完成するまでのさまざまな工程を一元管理するもの。

発注側の会社と受注側の会社で、作画や仕上げ、撮影等の工程ごとに発注日/受注日の管理が可能。発注元が発注指示を出すと、その情報がインターネットを通じて同社のDigital Production Network専用サーバーを経由し、受注先に発注指示データが送られる。発注指示を出すと共に、実際の作業データ(アニメ用データ)を受注先に転送することも可能。同様に、受注した作業の納品/受領情報の通知も行なえる。

また、発注元は作品の進捗状況を画面上で管理することが可能。進捗状況データはExcel形式でも出力できる。この進捗状況データは基本的に他社には非公開だが、必要に応じて受注先などにも公開できるようになっている。さらに、作品の作業集計データも確認可能。そのほか、受注通知や納品通知の到着を電子メールで知らせる機能や、電子掲示板機能も用意されている。

進捗状況画面
進捗状況確認画面。Excel形式で出力することも可能
作業集計画面
作業の集計画面。進捗状況画面が主にスケジュールを確認する目的で利用するのに対し、こちらは作業量を確認するもの

同サービスは、WindowsおよびMacintoshで利用可能で、Internet Explorer 5.0以上が必要。なお、Macintoshの場合は、作業データ転送機能が利用できない。また、プロダクション間でデータを転送する際、外部に対して常時公開可能な固定IPを持つパソコンが1台以上必要となる。

同社は現在、アニメ制作プロダクション3社と協力して同サービスの実証実験を行なっており、4月中旬に本格サービスを開始する。さらにその後、英語版でのサービス展開も行なうとしている。

同サービスの利用料金は、発注作業を行なうメーカー/プロダクションが支払い、受注側(法人、個人とも)は支払う必要がない。サービス料金体系は、初期登録費用が5万円、利用料が月額1ユーザー2万円、データ転送機能利用料が月額2万円からとなっているが、実証実験結果によっては価格を下げることも検討しているという。

同社は、「今回のサービスを第1弾とし、今後アニメやマンガ制作に関わる流通やコンテンツ配信など、ツール以外のソリューションも提供したい」としている。

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