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【NET&COM2002 Vol.2】第5回 ECグランプリ2002“ネットビジネス大賞”と、第6回 情報システム大賞表彰式

2002年02月07日 22時41分更新

文● 編集部 田口敏之

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千葉・日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で、(株)日経ビー・ピーが主催する、企業向けの情報/ネットワークシステムに関する展示会“NET&COM2002”において6日、“第5回 ECグランプリ2002”と、“第6回 情報システム大賞”の表彰式が行なわれた。ECグランプリ2002の大賞である“ネットビジネス大賞”は、松井証券(株)が受賞した。また情報システム大賞は、国際証券(株)など3社がグランプリを受賞した。

第5回 ECグランプリ2002――ネットを活用し、ビジネスと繋ぐ方程式を思いつく者だけが成功する

ECグランプリは、日経BPと同社の雑誌“日経ネットビジネス”が共同で主催するコンテストで、優秀な電子商取引(EC)サービスを提供している企業を表彰する。今回より表彰の対象を一般企業まで広げ、同時に大賞である“ECグランプリ”の名称を、“ネットビジネス大賞”と改めた。また部門賞も“優秀マーケティング賞”“優秀ビジネスモデル賞”“優秀デザイン賞”“優秀アントレプレナー賞”と区分を改め、新部門として“BtoB特別賞”と“モバイル特別賞”を開設している。授賞式には、審査員の代表としてM&M研究所代表の三石玲子氏と、日経ネットビジネス編集長の渡辺和博氏が出席した。受賞企業と選考理由などについては、以下の通り。

M&M研究所代表の三石玲子氏による講評
M&M研究所代表の三石玲子氏による受賞企業の講評。「まさか松井証券がこれほど伸びるとは思わなかった。松井の株を買っておけばよかった」とも
●大賞
  • ネットビジネス大賞:松井証券……株取引サイト“ネットストック”が、ターゲットを個人ユーザーに絞り込む、取引手数料を一定にするなどの方法を採用し、インターネット株取引の取引高が大手証券会社を抑えて業界1位、個人向け株取引全体市場でも野村証券(株)に次いで業界2位となった実績が評価された
●部門賞
松井証券代表取締役社長の松井道夫氏松井証券代表取締役社長の松井道夫氏。「受賞は単なるきっかけで、結果ではない。これからです」と強調していた

ネットビジネス大賞を受賞した、松井証券代表取締役社長の松井道夫氏は「インターネットは商取引の本質を浮き彫りにした。それが分からない企業はだめだ。営業の主体はあくまで客だが、客は飽きるのが早いし、あまのじゃく。だから、3年で変われない企業は淘汰されてゆく」と述べた。また同氏は「受賞してこんなに嬉しいことはないが、何かを成し終えて賞をもらったとは思っていない。まだ始まったばかりだし、実質的な市場の発展はこれから爆発的に広がる。大賞を頂いたのは、単なるきっかけでしかない」と語った。

日経ネットビジネス編集長の渡辺和博氏は、今回のECグランプリ2002について「これまでのECグランプリはネット業界側から見たものだったが、今年からビジネス側から、広い視野に立って受賞企業を選出した。ネットビジネスは格好だけのものから、実体を持ったビジネスとして動き始めている。ネットビジネスには皆が期待を寄せるが、ネットは単なる道具に過ぎない。ネットを活用し、知恵を出して、企業の特性と客が喜ぶことをビジネスでつなぐ方程式を思いつく者だけが成功する。ネットがビジネスにいかに影響を持ち始めたか、賞を通して知ってもらいたい」と述べている。

第6回 情報システム大賞――システムが企業そのものの命運を握っている

情報システム大賞は、日経BP社と同社の雑誌“日経コンピュータ”が共同で主催するコンテストで、優れた情報システムを構築した企業・団体を表彰する。利用技術の先進性、システムの導入効果、開発・コスト効率という3項目について、情報システムを多角的に評価し、企業経営や利用者の視点などといった、さまざまな尺度で、“優れた情報システム”を決定するという。今回は、システムの規模によって大規模、中規模、小規模部門と3つのグランプリを設けている。受賞企業と選考理由などについては以下の通り。

●大規模部門(クライアントが500台以上)
  • グランプリ:国際証券“新基幹業務システム”……基幹系システムの再構築に取り組んだ姿勢が評価された。SANや広域LANなどの最新技術を採用し、コスト削減に大きな成果を上げている
  • 部門賞:川崎重工業(株)“破砕機事業における個別受注・量産統合型生産管理システム”
  • 部門賞:ミサワホーム(株)“IDゲートウェイ方式分散協調型WebGIS(e-MGIS)”
●中規模部門(クライアントが100~499台)
  • グランプリ:(株)三城“mimir”……眼鏡とコンサルティングとレコメンデーションを行なうためのシステム。顧客サービスを向上させると同時に人件費の削減を可能にした。主要部分は自社開発
  • 部門賞:富山県福光町 地域ポータル自動生成システム“福光町街中にぎわいシステム”
  • 部門賞:日本化成(株)“BPCS,NOTES,GUI PACKシステム”
●小規模部門
  • グランプリ:日本鋼管(株)“第3溶融亜鉛メッキライン計算機システム”……工場全体の物流管理と製造ライン制御全般を分担する2台のプロセス制御コンピューターで構成され、24時間の連続運転が可能。40%以上のコスト削減を達成した
  • 部門賞:(該当なし)
●特別賞
  • 特別賞:北海道大学工学部 千葉憲昭“コンピュータ実習授業支援システム”……講師が単独で開発した、全学教育科目“情報処理”の実習用アプリケーション。講師の負担削減が狙いで、出席管理の時間は従来の30分の1に、レポート管理も自動化した。特許申請中

授賞式の後、日経コンピュータ編集長の横田英史氏は、今回の情報システム大賞について「国際証券は基幹系に思い切り手を入れているが、そういった企業が増えた。システムが企業そのものの命運を握っている。基幹系に手を加えて、どんどん競争力をつけてもらいたい。また今回は、自治体のIT化の進行によって応募が増えたことも印象的だった。さらに、個人が開発したシステムが受賞するにあたって、特別賞を設けた。個人や自治体からの応募も、増えていけばいいと思っている」と語った。

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