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【NET&COM2002 Vol.3】展示会来場者の関心はセキュリティーとコンテンツ配信技術

2002年02月08日 00時12分更新

文● 編集部 佐々木千之

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6日から千葉・日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中の“NET&COM2002”の展示会場では、電子商取引やCT(Computer Telephony)/CRM(Customer Relationship Management)などいくつかのカテゴリーごとにブースがまとめられているが、来場者が集まっているところとそうでないところがはっきりと分かれ、企業のネットワーク担当者/技術者が、いま関心を持っているのは何かということを明確に示すことになった。

今回のNET&COM2002の展示会場を廻ってみたが、全体として大きな目玉となるような技術や製品はないかな、という印象を持った。2001年に一般消費者向けの高速ネットワーク環境(ADSL/CATVなど)が爆発的に伸びて数百万ユーザーに達し、その勢いはまだ続いているし、NET&COM2002のテーマが“ブロードバンド時代のソリューションに挑む”となっていたこともあって、“何か”を期待しすぎたのかもしれないが、新製品の展示も少なく感じた。

F5ネットワークス ジャパンブースのステージの様子。F5は、先日発表したオールインワン型トラフィック管理装置『BIG-IP 2000』を紹介、コストパフォーマンスの高さをアピールしていた
F5ネットワークス ジャパンブースのステージの様子。F5は、先日発表したオールインワン型トラフィック管理装置『BIG-IP 2000』を紹介、コストパフォーマンスの高さをアピールしていた

そんな会場で来場者が集中していたところがあった。それは“Net Solutionゾーン”のうち“コンテンツデリバリパビリオン”と名付けられた一角と、それに隣接する“Net Securityゾーン”だ。

エクストリーム ネットワークスは広域ネットワーク構築のための技術やサービスを紹介
エクストリーム ネットワークスは広域ネットワーク構築のための技術やサービスを紹介
シスコシステムズは、『Catalyst 2950/3550』を使って、マルチキャスト配信のデモを行ない、QoSの有無による画像品質の違いを見せていた
シスコシステムズは、『Catalyst 2950/3550』を使って、マルチキャスト配信のデモを行ない、QoSの有無による画像品質の違いを見せていた

コンテンツデリバリパビリオンには、シスコシステムズ(株)、F5ネットワークス ジャパン(株)、エクストリーム ネットワークス(株)といった、コンテンツスイッチやトラフィック管理装置を持つメーカーが大きなブースを構えている。これらのブースには例外なく大きなスクリーンを持ったステージを用意し、自社製品やサービス、事例などに関する20分程度のセミナーを行なっている。会場のほかのブースでも、ステージを持ってセミナーを行なっているところもあるのだが、ここのステージは毎回満席で立ち見の人も多数いるなど、熱気にあふれていた。

(株)シマンテックは、ファイアーウォール/VPNアプライアンス『VelociRaptor(ベロシラプター)』に、より小規模な事務所向けの製品を参考出品した。発売時期や価格は未定
(株)シマンテックは、ファイアーウォール/VPNアプライアンス『VelociRaptor(ベロシラプター)』に、より小規模な事務所向けの製品を参考出品した。発売時期や価格は未定
(株)ソリトンシステムズは米Global Technology Associates(GTA)社のファイアーウォールアプライアンス『GB-1000』の小規模事務所向けバージョン『GB-25(ROBOX)』(仮称)を展示。GB-1000がユーザー数無制限に対し、25ユーザーと限定されるが基本的機能は同じという。発売時期は未定
(株)ソリトンシステムズは米Global Technology Associates(GTA)社のファイアーウォールアプライアンス『GB-1000』の小規模事務所向けバージョン『GB-25(ROBOX)』(仮称)を展示。GB-1000がユーザー数無制限に対し、25ユーザーと限定されるが基本的機能は同じという。発売時期は未定

もう1つ、人気があったのがNet Securityゾーン。ここにはアンチウイルスソフトや、ファイアーウォール(ハード/ソフトウェア)製品、侵入検知システムなどが展示されている。前述のように展示会場では新製品や参考出品は少な目なのだが、このゾーンのブースではいくつも展示されていた。特に新製品では小規模の事業所向けのものが比較的多く、企業へのIT/ネットワーク環境の浸透は、大企業には一通り進み、中小企業へ移りつつあるようだった。

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社は、子会社であるSofaWare社が2001年12月に発表した、家庭向けファイアーウォール/アンチウイルスウイルス/URLフィルタリングアプライアンス『S-box』を展示。ISPやASPを通じて提供する製品で、管理サーバーによってそれぞれのS-boxを管理し、ユーザー別のサービス提供なども可能という
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社は、子会社であるSofaWare社が2001年12月に発表した、家庭向けファイアーウォール/アンチウイルスウイルス/URLフィルタリングアプライアンス『S-box』を展示。ISPやASPを通じて提供する製品で、管理サーバーによってそれぞれのS-boxを管理し、ユーザー別のサービス提供なども可能という
S-boxのエンドユーザー向けインターフェース。ファイアーウォール機能の設定画面だが、“High”、“Med”、“Low”の3つのうちから1つを選ぶという簡単さ
S-boxのエンドユーザー向けインターフェース。ファイアーウォール機能の設定画面だが、“High”、“Med”、“Low”の3つのうちから1つを選ぶという簡単さ。細かい設定内容は、サービスを提供する側から管理する
セイコーインスツルメンツ(株)(SII)が参考出品していたATMルーター。155Mbps製品と25Mbps製品の2モデルを用意し、プロバイダーの拠点間接続や、広域Ethernetサービス向けに提供する予定
セイコーインスツルメンツ(株)(SII)が参考出品していたATMルーター。155Mbps製品と25Mbps製品の2モデルを用意し、プロバイダーの拠点間接続や、広域Ethernetサービス向けに提供する予定
(株)日立製作所の高速ルーター『GR2000 B-model』。IPv6ネットワークに対応し、毎秒100万パケットでの処理が可能という
(株)日立製作所の高速ルーター『GR2000 B-model』。IPv6ネットワークに対応し、毎秒100万パケットでの処理が可能という
(株)インターリンクが展示していたIP電話装置『ZooT(ズット)フォン』。ISDN/ADSLでインターネットにつながっているパソコンと接続して使うアダプターで、ZooTフォンユーザー同士、または東京03地域の一般電話回線相手に、無料通話(基本料金はかかる)が可能という
(株)インターリンクが展示していたIP電話装置『ZooT(ズット)フォン』。ISDN/ADSLでインターネットにつながっているパソコンと接続して使うアダプターで、ZooTフォンユーザー同士、または東京03地域の一般電話回線相手に、無料通話(基本料金はかかる)が可能という
ZooTフォンのソフトウェアの画面。NetMeetingの機能を使って動画像付きの通話が可能。基本料金は同社の会員の場合月額200円、ほかのプロバイダーのユーザーは月額2000円
ZooTフォンのソフトウェアの画面。NetMeetingの機能を使って動画像付きの通話が可能。基本料金は同社の会員の場合月額200円、ほかのプロバイダーのユーザーは月額2000円
イー・アクセス(株)はIP電話のコーナーで、まもなくサービスを開始する、Windows Messengerを使った電話サービスをデモ。日本国内および世界200ヵ国の一般電話回線に対して電話でき、価格は国内が3分10円、アメリカが1分7円などとなっている(月額基本料400円)
イー・アクセス(株)はIP電話のコーナーで、まもなくサービスを開始する、Windows Messengerを使った電話サービスをデモ。日本国内および世界200ヵ国の一般電話回線に対して電話でき、価格は国内が3分10円、アメリカが1分7円などとなっている(月額基本料400円)
松下電送システム(株)が展示していた、小規模事業所向けのサーバーアプライアンス。ウェブサーバー、メールサーバー、FTPサーバー、ファイルサーバーなどの機能を持つ。CPUはPowerPC-200MHz、OSはLinux for PowerPCをもとに手を入れたという
松下電送システム(株)が展示していた、小規模事業所向けのサーバーアプライアンス。ウェブサーバー、メールサーバー、FTPサーバー、ファイルサーバーなどの機能を持つ。CPUはPowerPC-200MHz、OSはLinux for PowerPCをもとに手を入れたという
沖電気工業(株)は、電子署名の鍵管理、公開鍵証明書管理、認証局への接続など、電子署名関連の機能を1つにまとめた“セキュリティアプライアンスサーバ”を参考出品。データの読み出しには、管理者を含む2人がUSBキーを差し込まなければならないなど、データのセキュリティーに配慮している。発売時期については未定
沖電気工業(株)は、電子署名の鍵管理、公開鍵証明書管理、認証局への接続など、電子署名関連の機能を1つにまとめた“セキュリティアプライアンスサーバ”を参考出品。データの読み出しには、管理者を含む2人がUSBキーを差し込まなければならないなど、データのセキュリティーに配慮している。発売時期については未定

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