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ファイルメーカー、『ファイルメーカー Mobile for i-mode』を発表

2002年02月05日 22時10分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ファイルメーカー(株)は5日、都内で記者発表会を開催し、『ファイルメーカー』で作成したデータベースを、iモード携帯電話向けに公開できるサーバーソフトウェア『ファイルメーカー Mobile for i-mode』を発表した。Windows版、MacOS版、Red Hat Linux版の3種類があり、価格はいずれも8万9000円で、3月中旬発売予定。

『ファイルメーカー Mobile for i-mode』パッケージ
『ファイルメーカー Mobile for i-mode』パッケージ(手前からWindows版、MacOS版、Red Hat Linux版)

ファイルメーカー Mobile for i-modeは、『ファイルメーカー Pro 5.5(v2以降)』『同 Unlimited』(いずれか必須)と組み合わせて使うことで、ファイルメーカー Pro/Pro Unlimitedで作成したデータベースから、iモード対応携帯電話で利用できるiモードサイトを作るソフトウェア。作成したサイトでは、iモード携帯電話からファイルメーカー Proデータベースの閲覧、編集、検索、データの追加と削除が可能。閲覧専用にもできる。

ファイルメーカー Pro/Pro Unlimitedで設定した、データベースへのアクセス権は、iモードサイト経由でもそのまま生かしており、ユーザーIDとパスワードによって、データベース全体やデータベース中の特定のフィールド/レコードに対してアクセスを制限できる。

ファイルメーカー Mobile for i-modeでデータベースからiモードサイトを作成する際には、iモード対応のHTML(cHTML)やCGI、グラフィックス(GIFファイル。バナー画像としてのみ可)を使ったウェブページを自動的に生成する。このため、サイトを構築しようとするユーザーは、データベースとiモード画面用のレイアウト(データの見せ方)を選ぶだけですむ。また、ページ中で表示するデータフィールドの選択や順番なども、マウスだけで操作できるため、HTMLやCGIの知識のないユーザーでも扱えるとしている。

ファイルメーカーの宮本高誠代表取締役社長
ファイルメーカーの宮本高誠代表取締役社長

ファイルメーカー Mobile for i-modeで作成したサイトへは、iモード対応HTML2.0以上が表示できる端末であればアクセスできる。アクセス数に関しては無制限となっており、「ユーザー数が増えれば増えるだけ1人あたりのコストが下がる」(ファイルメーカーの宮本社長)としている。

ファイルメーカー Mobile for i-modeによって作成したサイトに、iモード携帯電話でアクセスしたところファイルメーカー Mobile for i-modeによって作成したサイトに、iモード携帯電話でアクセスしたところ(トップメニュー)
“検索”、“全表示”、“新規”ボタンは自動的に生成する。画面上部にあるのはバナー画像“検索”、“全表示”、“新規”ボタンは自動的に生成する。画面上部にあるのはバナー画像
データへのアクセス方法は方向キーで移動して選択するほか、数字キーで直接選択できるデータへのアクセス方法は方向キーで移動して選択するほか、数字キーで直接選択できる

なお、パッケージにはソフトウェア本体に加えて、オフィスのワークグループ向けに、スタッフのスケジュール管理や業務報告、会議室予約などの機能を持つ『モバイルグループウェア』と、顧客情報、商品情報、見積/発注書、売り上げ達成率レポートなどの機能を持つ『モバイル営業支援ツール』の、2つのビジネス向けツールを同梱している。これらのツールはファイルメーカー Mobile for i-modeで作成したサイトで利用できる。

同梱する『モバイルグループウェア』ツールを使って作成したスケジュール管理機能の画面同梱する『モバイルグループウェア』ツールを使って作成したスケジュール管理機能の画面

Palm OS機向け新バージョン発表。Pocket PCにも対応予定

発表会には、米ファイルメーカー社のドミニーク・グピール(Dominique Goupil)社長が出席した。グピール社長は今回発表したファイルメーカー Mobile for i-modeについて「これは日本だけをターゲットにした製品だ。なぜアメリカの会社がiモード用ソフトを出すのかと言えば、iモードは3000万以上のユーザーを抱える第1位のプラットフォームだから。また、日本がほかの諸外国に比べてワイヤレス環境が進んでおり、これはいずれほかの国にも広がるだろうが、そのときに日本で学んだことが役立つと考えているからだ」と述べ、今後の製品戦略上重要であるとした。

米ファイルメーカーのドミニーク・グピール社長
米ファイルメーカーのドミニーク・グピール社長
グピール社長が示したファイルメーカーの大手ユーザー企業のロゴ
グピール社長が示したファイルメーカーの大手ユーザー企業のロゴ
日本はファイルメーカーの世界の売り上げのうち、4分の1を占め、同社にとって重要な市場という
日本はファイルメーカーの世界の売り上げのうち、4分の1を占め、同社にとって重要な市場という

また、グピール社長は、米国時間の5日にサンノゼで開かれるPalm OS開発者向けイベント“Palm Source 2002”で、2000年秋に発表したPalm OS機向けデータベースソフトの新バージョン『ファイルメーカー Mobile2 for Palm OS』を発表したことや、年内をめどにPocket PC版を予定していることを明らかにした。ファイルメーカー Mobile2 for Palm OSは、5月に49ドル(約6500円)で発売予定で、1レコード中で利用できるフィールド数を20から50に拡張したほか、ポップアップメニューやチェックボックスに対応するなど、データ入力機能を強化したという。また、ソニー(株)の『CLIE』シリーズと、米HandEra社の『HandEra 330』のハイレゾ画面やジョグダイヤル/ジョグホイールに対応したとしている。なお、データベースの同期を取る場合にはシリアル/USBケーブルでホストマシンと接続する必要があり、ワイヤレス環境での同期には未対応という。日本でも、米国での発売とそれほど遅れずに発売の見込みだが、正式には後日発表するとしている。Pocket PC版については、どのような製品になるかは現在検討中であるとして明かさなかった。

ファイルメーカーでは、マルチプラットフォーム戦略をとることで、オフィスでもモバイル環境でも同じデータにアクセスできるようにしていくという
ファイルメーカーでは、マルチプラットフォーム戦略をとることで、オフィスでもモバイル環境でも同じデータにアクセスできるようにしていくという
ファイルメーカー Mobile for i-modeと、ファイルメーカー Mobile for Palm OSの比較
ファイルメーカー Mobile for i-modeと、ファイルメーカー Mobile for Palm OSの比較
ファイルメーカー Mobile2 for Palm OSの画面。チェックボックスに対応していることが分かる。フィールドの幅の変更や順序の入れ替えはペンのドラッグで可能
ファイルメーカー Mobile2 for Palm OSの画面。チェックボックスに対応していることが分かる。フィールドの幅の変更や順序の入れ替えはペンのドラッグで可能
ポップアップメニューにも対応している。ハイレゾ機種では、多くのデータを表示できるという。ファイルメーカー Mobile2 for Palm OSは英語版の発表だったが、デモで使われたソフトは日本語対応済みであり、英語版発売からまもなく発売になりそうだ
ポップアップメニューにも対応している。ハイレゾ機種では、多くのデータを表示できるという。ファイルメーカー Mobile2 for Palm OSは英語版の発表だったが、デモで使われたソフトは日本語対応済みであり、英語版発売からまもなく発売になりそうだ

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