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Mebius PC-GP1-C3U

Mebius PC-GP1-C3U

2002年02月01日 23時39分更新

文● ASCII24 Review・内田泰仁

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Mebius PC-GP1-C3U

シャープ

オープンプライス

シャープの「Mebius」シリーズのうち,極限までの薄さを追い求めるモバイル派向けA4ノート「MURAMASA」に対し,「PC-GP1」シリーズはデスクトップPCの代替をなすべく練りこまれたA4オールインワンノートPCだ。充実した基本性能と拡張性,使い勝手のよい豊富なソフト類など,ぜひとも初心者にお勧めしたい「堅実」なマシンである。

本稿にて紹介している製品は、2002年1月末時点で次期製品が発表または発売されております。本文中では次期製品にも触れておりますので、次期製品を「読み解く」際にお役立てください。(別冊ASCII編集部/ASCII24 Review)

シャープA4ノートPCの
フラグシップ「Mebius PC-GP1」

 シャープ「Mebius」シリーズのA4ノートPCの現在のラインナップは,AMD製CPU+15インチまたは14.1インチ液晶搭載の「PC-GP1」シリーズと,Mobile Duron+12.1インチ液晶「PC-CB1」シリーズ,Mobile Celeron-1GHz+14.1インチ液晶の「PC-FS1-C1」(2001年12月追加の新モデル)という3ラインナップ構成になっている。各モデルの大まかな特徴を挙げると,GP1シリーズは高速なAMD製CPUと大型液晶を搭載したデスクトップPCの代替マシンとなる「パワフルオールインワンノート」,CB1シリーズはGP1シリーズの下位モデルよりクロックの低いCPUとひとまわりサイズの小さい液晶を使用した「コストパフォーマンス重視のオールインワンノート」,PC-FS1-C1はGP1シリーズのIntel CPU版,といったところだ。

 ここで紹介する「PC-GP1-C3U」は,2001年末冬ボーナス商戦時のGP1シリーズ最高位モデルだ。なお,詳しくは本稿末で紹介するが,本誌制作中にPC-GP1-C3Uの後継機種となる「PC-GP1-C5U」が発表となっている。

デスクトップPCに匹敵する
スペックと使い勝手を追求

キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。
 PC-GP1の冬商戦モデル3機種のうち,最上位となるPC-GP1-C3Uは,CPUに別冊ASCII No.4で今回レビューしている11機種中,唯一AMDのMobile Athlon 4-1GHzを採用している(下位2機種はいずれもMobile Duron-850MHz)。チップセットはビデオチップ「S3 Savage 4」を内蔵したVIAのProSavage KN133で,ビデオメモリはデフォルト状態でメインメモリを16MB使用する。なお,使用ビデオメモリ量はBIOS上で8MB,16MB,32MBに設定できる。

 Mobile Athlon 4は,128KBのL1キャッシュと256KBのL2キャッシュ(いずれもオンチップ)を持ち,よりパワーアップされたマルチメディア命令群「3DNow!Professional」や省電力管理機能「PowerNow!」をサポートする。Mobile Athlon 4のCPUコア「Palomino」はAMDのデスクトップ向け最新CPU「Athlon XP」にも採用されているが,PalominoコアのCPUとしてはMobile Athlon 4のほうがAthlon XPよりも先に登場しており,先輩格ということになる。Palominoに装備されている3DNow!Professionalでは,従来のAthlonに搭載されていた「Enhanced 3DNow!」がサポートするMMX,3DNow!,拡張3DNow!に加え,IntelのPentium IIIにも搭載されているSSE命令群を新たにサポートしており,マルチメディア向け命令群の豊富なサポートが特徴だ。Intelが強く押していることもありSSE対応アプリの数は多く,AMDのCPUでもSSEをサポートしたことのメリットは非常に大きい。



本体底面のメモリスロットカバーを外したところ。初期出荷では128MBのSO-DIMMモジュールを1枚装着,空きスロットはひとつ。128MBモジュールを外して256MBモジュールを2枚装着すれば,最大640MBのメモリを使用できる。
 メインメモリ(PC133 SDRAM)は,オンボードに128MB,2基あるSO-DIMMスロットのうち1基に128MBのモジュールが搭載されている(最大容量はオンボード128MB+256MB×2で640MB)。HDDは30GB(UltraATA/100接続),内蔵の光ディスクドライブはCD-R書き込み8倍速,CD-RW書き換え4倍速,CD読み出し24倍速,DVD-ROM読み出し8倍速のCD-RW&DVD-ROMコンボドライブ,FDD内蔵となっている。

 液晶サイズは15インチで,表示解像度は1024×768ドット/フルカラー。各社のA4ノートのラインナップを見ると,最上位機種ではSXGA+(1400×1050ドットなど)以上の表示解像度を持つ液晶パネルを採用するマシンも見受けられる。「液晶のシャープ」のA4ノート中,2001年末時点での最高位に位置する本機の液晶がXGAとなっているのはやや残念な感もあるが,21~22万円台という1月中旬時点での実売価格を考えると,手ごろな価格とのトレードオフと割り切るべきだろう。

 CPUのパワー,液晶サイズ,容量,メモリやディスク類の性能的には,デスクトップPCに匹敵する性能を持つ本機だが,多少の不満が残る点はビデオチップ性能だ。ベンチマークテストの詳細は別冊ASCII No.4本誌(P.115~)を参照していただきたいが,3D性能はGeForce 2 Goを搭載している「DynaBook G3 PAD3510PME」やMobility RADEON搭載の「バイオノートGR PCG-GR9E」などに比べると及ばない。ただ,ノートPCにゲームなどが求めるような非常に高い3D描画性能が必要かどうかはユーザーの使い方しだいなので,「PCでゲーム(特にゴリゴリの3Dアクションゲーム系)はやらない!」という人ならばほとんど気にする必要はない。

 通信機能としては,56kbpsモデムだけでなく100BASE-TX/10BASE-T対応のLANインターフェイスをそれぞれ装備する。LANインターフェイスは,ひと昔前であれば,初心者向け,ホームユーザー向けPCでは省略されることが多かった機能だが,ブロードバンドインターネットの広範な普及を踏まえての採用だ。



ACアダプタの重量は約330g(編集部計測値)。ケーブル長はいずれも約160cmとたっぷり。

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