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これぞ吉本流“痛みを伴わない構造改革”――誉める文化で世の中を明るくする“日本全国誉めたろう侍漫遊記”プロジェクト始動

2002年01月31日 04時23分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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吉本興業(株)は30日、全国各地の企業や自治体、観光地をCMやTV番組、イベントで誉めていくプロジェクト“日本全国誉めたろう侍漫遊記”を発表した。

“日本全国誉めたろう侍漫遊記”は、優良な商品やサービスを提供している全国各地の企業や自治体、観光地を、吉本興業の“誉めの達人”今いくよ・くるよが“誉めたろう侍”として行脚し、社長や社員、工場、商品、さらにはその商品を買ったお客さんまで誉めまくるというもので、吉本興業と(株)博報堂の共同開発プロジェクト。全国にある良いもの、良い人、良いところを紹介し、誉めていくことで、批判文化を否定し日本全体を明るく元気にしていくことが目的。

今いくよくるよ芸能界一の誉め芸人、今いくよ・くるよが、誉めたろう侍として全国の良い品、良い人を誉めていく。「日本全国細かく丁寧にまわらせていただきます。誉めて誉めて誉めまくりますよー。この衣装の“鯛”(誉めたい)は刺繍でね、これ作りはったかた、誉めてあげたいですね(笑)」

具体的には、誉めかたメニューとして、“CMで誉めたい”コース、“番組で誉めたい”コース、“とことん誉めたい”コースが用意されている。

“CMで誉めたい”は、発注した企業あるいは商品/サービスなどについて、今いくよ・くるよが誉めるという内容のCMを制作するというもの。CM契約期間は1年間で、価格は350万円。なお制作したCMは、契約期間中、吉本興業の総合エンターテインメントサイト“ファンダンゴ”でも配信される。

“番組で誉めたい”は、発注した企業などに今いくよ・くるよなど撮影クルーが出向き、その企業や商品を誉めるTV番組(30分)を制作、スカイパーフェクTV!の“ヨシモトファンダンゴTV”チャンネルで4回放映するというもの。価格は350万円。なお地元の地上波TV局と番組を共同制作し、地元局を通じて番組を放映することも可能という。なお、制作した番組は、ウェブサイト“ファンダンゴ”でも配信される。

“とことん誉めたい”は、上記2コースのうち1コースに加え、イベントで今いくよ・くるよを呼びたい、漫才をしてほしいといった要望をオプションとして受注するもの。オプションの内容は相談に応じるという。

吉本興業側は、「すでに努力して成功している人には『プロジェクトX』があるし、全然努力していない人には『愛の貧乏』があるので、現在がんばっていてもう少しで成功しそうな人たちを応援したい」としている。

同社は、“誉める基準”として「みんなが認める良い技術や商品、サービスであること。CMや番組を制作することで、日本全国が元気になるものに限られる」という。なお、応募多数の場合は相対評価をすることもあるとしている。同社は30日より応募受付を開始、「今いくよ・くるよが倒れない範囲で受注する」という。

吉本興業の常務取締役/大阪本社代表であり、“日本全国誉めたろう侍漫遊記”プロジェクト総指揮の木村政雄氏は、「不況から抜け出せないのは人々の気分が落ち込んでいるのが要因。人々に元気を与えたい。悲観するのはたやすいし、批判すると頭がよく見えるが、吉本は吉本らしく前向きな側面に光を当てたい。暗い重苦しい世の中なので、吉本としては笑いを通して人々の気分を前向きにしていきたい。(売上など)数字的なことはあまり考えていない。国民が元気になるメリットのほうが大きい」

「日本は嫉妬心の文化だが、他人と自分が違うことを認めた上で共存し、みんなで互いを誉めていくことでそれぞれを伸ばしていきたい。吉本のタレントはスタンダードから外れた人が多いが、そういう人でも世に出して有名にしてきた。それはうちしかできないことだ。賞賛をビジネスにしている会社だと思うので、吉本が出かけていくことで人々のマインドが前に向いてくれたら」としている。

吉本興業木村常務
“ミスター吉本”こと木村常務。350万円という価格は、本来の出演料を考えると破格の値段設定とのことだが、誉めたろう侍での今いくよ・くるよのギャラは?「3万5000円。十分でしょ」(木村常務)

誉めたろう侍として全国を行脚する今いくよ・くるよの2人は、「誉めるということは場をなごませます。愚痴を言ってもそれは前向きではないですよね。嫌みや誉め殺しなどではなく、誉めることでその人が幸せになってほしい、元気を出してほしい。子供も誉めることで伸びていきます。誉めまくって、皆さんを笑顔でいっぱいにします」と笑顔で語った。

誉めてもらいたい企業や自治体、観光地などからの応募申込や問い合わせは、誉めたろう侍事務局:Tel.03-5730-3109で受け付ける(平日10~18時)。

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