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コナミとタカラ、超小型玩具“MICRO IR”シリーズ新製品を発表――カプセル玩具事業参入も

2002年01月28日 22時51分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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コナミ(株)と(株)タカラは28日、合同発表会を開催し、共同開発の超小型玩具シリーズ“MICRO IR(マイクロIR)”シリーズの拡充、および共同でカプセル玩具事業へ参入することを発表した。

デジQトレイン
デジQトレイン(新幹線500系)と専用コントローラー (C) 2002 KONAMI

MICRO IRシリーズは、コナミが開発した赤外線による遠隔操作システム技術“MICRO IR”を採用した超小型高性能玩具シリーズ。両社はシリーズ第1弾として、タカラの人気玩具『チョロQ』をモチーフとした“赤外線コントロールチョロQ”『MICRO IR DigiQ』を共同開発し、昨年10月25日にタカラより発売、これまでに60万台以上を出荷している。

両社は、MICRO IRでのコラボレーション展開を拡充し、シリーズ第2弾となる鉄道をモチーフとした『MICRO IR DigiQ TRAIN(デジQトレイン)』をはじめ、、戦車をモチーフとした『MICRO IR COMBAT DigiQ(コンバットデジQ)』、潜水艦をモチーフとした『MICRO IR DigiQ DIVERGEAR(デジQダイバーギア)』を9月までに発売するという。なお、デジQトレインとコンバットデジQはコナミが、デジQダイバーギアはタカラがそれぞれ発売するという。

小さくても高性能『デジQトレイン』

デジQトレインは、無線運転が楽しめる超小型鉄道玩具。赤外線による無線式デジタル運転方式を採用し、専用コントローラーで前進/後進/加速/減速といった操作が可能。

1台のコントローラーで、レール(線路)上に置かれた複数の列車を制御でき、列車ごとに列車ID-ライン番号を登録し、コントローラー上でライン番号を切り替えることで、操作する列車を変えられる。列車のライン番号は最大8編成まで登録可能、さらにコントローラーは4種類のIDに対応できるため、同じレール上で、最大4台のコントローラーによる個別の列車運転(最大32)が行なえる。

さらにコントローラーにはポイント切り替え機能を搭載しており、今後発売される電動IRポイントをコントローラーで切り替え可能という。

デジQトレイン全景
ストレートレールやカーブレールなどを組み合わせたデジQトレイン用のレール台上を、さまざまなデジQトレインが走り回っている。車両ラインナップについては、今後ほとんどの車種をリリースする予定で、私鉄/JRの特殊車両なども限定販売するという (C) 2002 KONAMI

動力車体にはニッケル水素バッテリーを搭載しており、10分の充電で約15分の走行が可能。バッテリー充電はコントローラーの充電端子にセットして行なう。コントローラーの電源は乾電池またはACアダプター(別売)。車両のサイズは4両編成で全長250/全幅23/全高35mm(1両で全長55/全幅23/全高35mm)、コントローラーのサイズは全長155/全幅135/全高90mm。

デジQトレインの基本運転セットは、新幹線500系の車輌4両1編成とレール×16本、専用コントローラーで構成されており、5月30日発売、価格は5980円。なお、EF58+24系25形客車編成セット、EF65+24系25形客車編成セット、DF50+旧形客車編成セットなども用意されるという。

菊川怜さん
展示ホールで行なわれたデジQトレインのプレゼンテーションには、イメージキャラクターである菊川怜さんが登場、デジQトレインの運転を体験した

水中での赤外線遠隔操作が可能な『デジQダイバーギア』

デジQダイバーギアは、水中の超小型潜水艦(直径9cm)を遠隔操作できる水中ホビーアイテム。コントローラーによる赤外線遠隔操作で、コントローラーから発信した操作情報を潜水艦本体に搭載されたCPUが受信して、本体内蔵の超小型モーター×4を制御、水中での前進/後進/左右の旋回/上昇/下降が行なえる。

デジQダイバーギア
デジQダイバーギアと専用コントローラー (C) 2002 KONAMI (C) 2002 TAKARA

船体の中央部にスクリューを垂直に搭載し、正転/逆転することで垂直に上昇/下降する。また船体の左右に搭載する2個のスクリューを正転/逆転することで左右の旋回が可能。オートアジャストコントロールによる姿勢制御機能も備えている。

水中での遠隔操作
水槽の中のデジQダイバーギアをコントローラーで遠隔操作、ダイバーギアは障害物をすいすいと避けて水中を進む(注:写真の人ほどコントローラーを近づけなくても実際はちゃんと動きます) (C) 2002 KONAMI (C) 2002 TAKARA

デジQダイバーギアは、IDナンバーを4つ持っているため、最大4台まで同時に操作することが可能。コントローラーでIDナンバーの切り替えを行なえる。さらに船体下部に魚雷発射ユニットを2機搭載しており、コントローラー操作により魚雷を1機ずつ発射できる。動力はニッケル水素バッテリー×2で、コントローラーで充電できる。約10分の充電で約15分の潜航が可能。今夏発売予定。

対戦を楽しむ『コンバットデジQ』

コンバットデジQは、デジQ程度の戦車車体にデジQと同じく超小型CPUを搭載した対戦型バトルタンク。赤外線による射撃ユニットとIR発光素子を搭載しており、コントローラーを操作して、射程内にとらえた敵車両に向けて主砲を発射することが可能。攻撃を受けた車両は走行速度が低下したり、走行不能になったりする。

コンバットデジQ
コンバットデジQと専用コントローラー。搭載する射撃ユニットは、赤外線によるものなので、実際に弾が出るわけではない (C) 2002 KONAMI

対戦は最大4人まで可能で、2対2でチームを組んでの対戦も行なえる。また、車両の種類によって砲弾の強さや走行の耐久力を設定できる。車両本体はキャタピラー駆動で、坂を登ったり超信地旋回(その場で右または左に回転(急旋回)すること)することも可能。

コンバットデジQ展モデル
コンバットデジQの車輌外観デザインは、香港のドラゴンモデル社の協力によるもので、これらの展示モデルはドラゴンモデル製作となっている (C) 2002 KONAMI

デジQもラインナップを強化

なお、シリーズ第1弾であるデジQは、現在月に15万個の出荷ベースとなっており、ユーザーの70%は大人(うち70%が20代後半~30代)という。ユーザーからのコレクション要望が強いことから、デジQ車体のカラーバリエーションモデルを2月に、新車種『PENNZOIL SKYLINE GT-R(R-34)』『Audi TT Coupe』を3月にそれぞれ発売するという。

今後の展開として、ラジコン性能をアップさせるとともに、レール用アイテムやジオラマアイテムを投入するなど、大人向けのクルマホビー商品としてトータルな展開を行なうという。4月より毎月新車種を発売し、レースカー仕様のモデルも順次リリースするとしている。

また、デジQ専用コントローラー『Digi PROPO Special(デジプロポスペシャル)』を4月に発売する。このデジプロポスペシャルは、プロポ内のRAMにインプットされているスピード(最高速度設定)/ステアリングバランス(ステアリング設定)/アクセル(加速設定)/ブレーキ(ブレーキ設定)といったプログラムの設定をユーザーがカスタマイズできるコントローラー。設定を変えることで、デジQの最高速度が通常の1.4倍になるという。

デジプロポスペシャル
デジプロポスペシャル (C) 2001 2002 KONAMI (C) 2001 2002 TAKARA

また、これまでにない特殊な走りを可能にする特殊セッティングモードも用意されており、コナミのウェブサイト“MICRO IRサイト”で公開される特殊コード(隠しパスワード)をデジプロポスペシャルに入力すると、従来にない新しい走りをデジQで実現できるという。価格は4980円。

カプセル玩具事業に参入、3年後に50%のシェアを

さらにコナミとタカラは、大人向けフィギュア事業を展開する(株)レッズとの3社共同で、2002年7月よりカプセル玩具事業に参入、新型自動販売機『ドラゴンキューブ』を市場投入する。

ドラゴンキューブカプセル玩具自販機『ドラゴンキューブ』 (C) 2002 KONAMI

カプセル玩具事業とは、自動販売機による玩具の販売事業で、自販機は玩具店やコンビニエンスストア、量販店、書店などの店内や店頭に設置され、商品(玩具)は通常プラスチックカプセルに入っている。3社は、子供から大人までの幅広い層をドラゴンキューブのターゲットとし、3社それぞれが所有するコンテンツを活用したさまざまな玩具をドラゴンキューブの商品ラインナップとして展開するという。

ドラゴンキューブ本体(自販機)は、2フェイス仕様となっており、1台で2種類の玩具を販売できる。価格もそれぞれ個別に設定することが可能。また、商品パッケージとなるカプセルは、他社との差別化を図るためにキューブ型を採用している。商品の価格は、100~500円まで設定可能。

商品開発は3社が行ない、コナミマーケティングが販売を担当、全国の特約店を通じて各店舗に供給する。

今回発表されたドラゴンキューブの商品ラインナップは、『ベイブレード ドラQ Ver.(仮)』(ベイブレードのドラゴンキューブ版)、『ミニチョロQ ドラQ Ver.(仮)』(チョロQをさらに小さくしたミニチョロQ)、『コナミボトルカバーコレクション ときめきメモリアル3~約束のあの場所で~』(ときメモ3キャラクターのボトルキャップ)、『ビーストシューター キューブコレクションシリーズ』(ビーストシューターのキャラクターを小型化した消しゴム)、『DORA-Q TRAIN』(デジQトレインのドラゴンキューブ版)、『スタートレック』(スタートレックのフィギュア)。価格は商品によって異なるが、子供向け商品は100~200円、大人向け商品は300~500円になる見込み。

ミニチョロQ
ドラゴンキューブで販売される商品のひとつである『ミニチョロQ ドラQ Ver.(仮)』。幅と高さはそれぞれ60mm。ミニチョロQの奥にある四角い箱型のものがキューブ型カプセル (C) 2002 TAKARA

3社は、今後の計画として3年後に市場シェアの50%を占めたいとしている。なお、他社メーカーの参入も歓迎するという。

発表会の席上で、タカラ代表取締役社長の佐藤慶太氏は、「2000年6月の戦略的資本提携を機にさまざまな業務提携を行なっているが、その成果が上がっている。最大のヒット商品がデジQであり、MICRO IRシリーズ第2、第3弾の成功にも弾みがついた。また、玩具との相乗効果がある周辺事業としてカプセル玩具事業に参入する。単独では先行会社には勝てない。3社で絶対勝てる事業を展開する」と語った。

またコナミマーケティング代表取締役社長の古川真一氏氏は、「コラボレーションは確実に成果を上げている。今年はさらに大きな成果を勝ち取りたい。今回のMICRO IRシリーズの拡充により、ラインナップが4倍になる。多様化したユーザーニーズに対応できるだろう」としている。

各社の代表者
左から、(株)レッズ代表取締役社長の蘆田明稔氏、(株)タカラ代表取締役社長の佐藤慶太氏、コナミマーケティング(株)代表取締役社長の古川真一氏、コナミ(株)執行役員専務CP事業本部長の永田昭彦氏

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